カテゴリー : 講演記録

2013年 第12回日本不妊カウンセリング学会『—不妊から妊娠出産へ— 鍼灸治療でフォローできること』

長い不妊治療歴の方々をサポートする役割

サポートから妊娠

さて、このように、不妊治療歴がながくなると、精神的なストレスも 大変なものです。

またこの精神的なストレスが、不妊治療へ悪影響となることも多々あります。 当院では、東洋医学、鍼灸での身体のサポートはもちろんのこと、 精神的に皆様を支え、前向きに不妊治療に取り組んでいただけるようにと 考えております。

心身両面からのサポート。このときに鍼灸を選んでくださった方々がどんな 感想をもたれたのか、アンケートから考察していきたいと思います。

アンケートから

鍼灸が妊娠中の健康に

妊娠中の健康に、鍼灸は役立ちましたか?という問いに、全員の方が『はい』と答えてくださっています。

その中で、大きな項目としては、81パーセント13名の方が『精神的な安心』をあげられました。

また、血行や血の巡りがよくなったという回答は14名90パーセント近くの方があげられました。

血行がよくなり、精神的な安心をえられれば、こうのとりがやってくるということなのでしょうか。

鍼灸の肉体的なサポート

肉体的なサポート

具体的な鍼灸治療のサポートとして声があがったのは、
『全体として調子がよくなった』
『動悸、息切れによかった』
『血行、血の巡りがよくなった』
『お腹の張りに温灸が役立った』
『便秘が減った』
『妊娠そのものに鍼灸が役立った』

などのお声がありました。

とくに、血行が良くなったというお声は9割近い方々から寄せられました。

東洋医学では一本の木で人間をたとえて考えることがあります。

この木全体が充実することが、全体として調子がよくなったという声につながっていると思います。また、特に妊婦さんでは、この脾腎の大地、肥沃な大地と、渾渾とわき出る泉である腎の状態を安定させることが大切です。温灸を中心とした鍼灸が妊娠のサポートに役立つことが出来たと思われます。

また、16人の妊婦さんは、不妊治療歴も長く、治療そのもに行き詰まったところから鍼灸を加えることで、赤ちゃんと出会えた方々です。妊娠そのものに鍼灸が役立ったというお声も頷けるところです。

鍼灸の精神的サポート

精神的なサポート

『病院では聞きづらいことが、話しやすかった』
『毎週診ていただきとても安心できました』
『先生のアドバイスが役立った』
『カウンセリング、情報提供が役立った』
『1時間が寝てしまうぐらいリラックスできる時間でした』

長い不妊治療歴をもつ方々は、年齢も高く、また妊娠そのもに対しても不安が多くあり ます。鍼灸治療を受けながら、いろいろなお話を通じて、リラックスと安心感を得てい ただける時間として、『精神的な安心にとても役だった』というお声は8割を越えてい ます。

不妊治療も、精神的なサポートはとても大事です。

不妊治療から妊娠中まで、赤ちゃんと出会うまでの肉体的、精神的な サポートとなるようです。

不妊治療に心身一如のサポート

不妊治療に心身一如のサポート

東洋医学の世界では、人間を一本の木にたとえて考えることがあります。

渾渾とした泉湧く、腎。

肥沃な大地である脾。

この脾腎の大地に根ざし天空に向かって暢びやかに手を広げている様が 健康な人間のイメージです。

妊娠にはこのしっかりとした大地がとても大事です。

そしてまた、その大地に根ざし、天空に暢びやかに手を広げた枝葉に風がそよび、光りが降り注ぎスムーズに循環することもとても大切です。

鍼灸治療を受けることで、血行、血の巡りがよくなったという感想は、この大地をしっかりすることと、暢びやかな枝葉をもった木であることを応援していったということだと思います。

また、精神的なストレスは、全体の循環に悪影響を及ぼします。精神的なサポートを加えることが、この一本の木をより充実させ不妊状態の解消に役立ち、妊娠の継続に役だったと思われます。

16名の長い不妊治療歴をもち、年齢が高く、体外受精なども何度も行うという 妊娠になかなかたどり着けなかった方々に対し、妊娠し出産に致るサポートとなったの は このように、肉体的、精神的両面である心身一如のサポートが出来たからでるのではないかと考えました。

【関連ブログ記事】
2013年5月31日、不妊カウンセリング学会にて発表をおこないました。(ビッグママの鍼灸治療家日誌/ココログ)