カテゴリー : 講演記録

2013年 第12回日本不妊カウンセリング学会『—不妊から妊娠出産へ— 鍼灸治療でフォローできること』

『—不妊から妊娠出産へ— 鍼灸治療でフォローできること』

2013年5月31日 第12回 日本不妊カウンセリング学会 学術集会(ニッショーホール)にて発表

自己紹介

不妊!大作戦

神奈川県小田原市で不妊治療中心の鍼灸院をしております。

本日は、当院にて不妊治療後、妊娠なさり、無事に出産まで鍼灸治療を継続なさった 16名の方に、妊娠中にアンケートをおこない、不妊鍼灸治療、妊娠中の鍼灸治療が、 どのように心身をサポートしているのかということを考察してみました。

長い不妊治療歴

長い不妊治療歴

私のところは、不妊治療専門の鍼灸院ですが、 『不妊かしら? どうしよう?』と悩んだときに はじめから『鍼灸に行こう!』と考えられる人は少数です。

婦人科の門をくぐり、不妊治療の相談をし、 タイミング、人工授精などを経て、高度生殖医療である体外受精などを してもなお『妊娠に致らない』方々が、当院の門をたたくことが多いです。

今回、当院来院中の妊婦さん16名にアンケートをさせていただき、 鍼灸治療の満足度を考察いたしました。その前に、このアンケートに答えてくださった 妊婦さんの不妊治療歴を振り返ってみます。

88パーセント 2年以上の不妊治療歴

不妊治療歴グラフ

16名の方々は、当院初診後に無事に妊娠した方々です。

この方々の、当院初診までの不妊治療歴は 9割に近い方々が2年以上の治療歴があります。 6年を越す方もお二人いらっしゃいます。

本当に長い時間の不妊治療歴があって、はじめて鍼灸に挑戦という方々です。

16名の妊婦さんの年齢

35歳以上88%

この16名の方々のうち、 14名88パーセントの方は35歳以上です。

つまり『卵子の老化』が言われる、妊娠しにくくなった年齢の方々です。 不妊治療歴も長い方が多いですから、年齢も高くなりがちです。

内訳は、35歳以上 10名であり、そのうち40歳以上の方は4名。40代の方は40歳、41歳、43歳、44歳の妊婦さんです。

長い不妊治療歴を乗り越え、結果にまでたどり着くことが 出来て本当に嬉しいことです。

妊娠に至る経緯

妊娠に至る経緯グラフ

16名のうち
 自然妊娠は4名
 人工授精は1名
 体外受精は11名です。

不妊治療歴の長さと比例して体外受精などの挑戦も多くなるようです。

しかしながら、自然妊娠をなさった方の背景をみると 年齢が39歳、体外受精を10回以上経験した後の自然妊娠という方も いらっしゃり、妊娠の不思議さ、また東洋医学、鍼灸の貢献できるところを 考えるよいきっかけにもなります。

体外受精での挑戦回数は 5回以上の方が7名で、10回を越す方も2名いらっしゃります。