経に曰く百病は気より生ず。
喜びがすぎて心をやぶるときは、その気が散じ、腎気が乗じて盛んになります。
怒りがすぎて肝をやぶるときは、その気がのぼり、肺気が乗じて盛んになります。
ひどく憂えて肺をやぶるときは、その気が聚まり、心気が乗じて盛んになります。
思いめぐらしすぎて脾をやぶるときは、その気が結ばれ、肝気が乗じて盛んになり
ます。
度をこえ恐れて腎をやぶるときは、その気が弱り、脾気が乗じて盛んになります。
暑いときは気が泄れ、寒いときは気が納まります。
もし恬淡【訳注:あっさりしていて物事に執着しないこと。心やすらかで欲のない
こと】虚無【訳注:心にわだかまりがないこと。何物にもとらわれず虚心であること。】精神内に守れば、病が生じることがあるでしょうか。
灸、肺兪、神堂、膈兪、肝兪、三里。
鍼、承満、梁門にさすべし。
【訳者私見】
七情内傷による致病について述べていますね。
恬淡虚無とし精神内に守れば病気にならないそうで(^=^;、大変なことです。
さて、肺兪、神堂、膈兪、肝兪、三里の施灸は、裏をたてることを中心とした考え
でしょう。神堂があるのは、やはり七情内傷の病だからでしょうねえ。そして
肝気を調え、精神面をささえ、肺兪、三里で天空の気、地の気を支えていきます。
梁門、承満はいつもの通り、上腹部で気欝を払うというパターンですね。