癲癇は元来、母の胎内にいるときに驚を受けたためにおこったものです。五種類
あって、それぞれ五臓に対応しているといっても、心が中心となります。驚くとき
は、神が舎【訳注:本来の居場所】を守らず、舎が空になるため、痰や涎が心竅に
迷いこみふさぐために、魂が出入りしなくなって急に倒れて手足をひきつかせ、口
眼がひきつり、あるいは叫び、呼びまわり、泡を吹いたりして、しばらくすると気
がつきます。
針、大椎、水溝、百会、神門、金門、巨闕、崑崙、筋縮、湧泉。
灸、百会、鳩尾、上脘、昼に起こったものに陽蹻、夜におこったものに
陰蹻。
【訳者私見】
癲癇がおこる子供はお母さんが妊娠中に驚いたためだと考えているのですね
(^^)。痰や涎が心竅を壅いだためにおこるものと考えています。
針は気つけを中心に、水溝、金門(足の膀胱経ゲキ穴)湧泉、百会、大椎など
気を疏していく経穴が選ばれている感じがします。
膀胱経の崑崙は、筋脉の引きつりをゆるめる効果をねらってということでしょう
か。
上腹部の鳩尾、上脘は癲癇の上腹部の経穴に施灸することで、神を舎に戻そ
うという養心の発想でしょうか?。
陰蹻脉、陽蹻脉は筋肉の引きつりをゆるめる効果でしょうか。