五疸の種類があるといいますが、これらはみな脾胃が中心であり、水穀、湿熱、相
い蒸すために、黄を発したものです。
胸腹飽悶し、身体顔目すべてが黄色であり、小便も黄色で渋り、衣類が黄柏の汁で
そめたように汗で黄色に染まります。たとえていえば麹のように、湿と熱とがたた
かい、気が整わないために欝して疸となります。
針ー承満、梁門にいくたびも刺すべし。
灸ー天枢、水分、気海、膈兪、肝兪、胆兪、脾兪、腎兪、胃兪に灸しなさい。
【訳者私見】
黄疽というのは、黄疸の誤植ではないかと思うので、直しました。
承満、梁門という大腹部胃経の経穴を使って、胃脘部の欝滞をとっているので
はないかと思います
腹部の灸は、臍のまわりの、天枢、気海、水分などを使っています。臍と脾胃の関
係を思わせるものですね。他に背部兪穴をたくさん使い、裏を整えることをしてい
るのではないかと思います。膈肝脾の三つは特に胃のむつ灸でもあり、胃腸を整え
ることを注目し、また脾腎も整えるということなのでしょうか。