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知一庵さんの【写真館】より

脹満 かめばら


腎を水とし、脾土を堤とします。ですので、脾腎が虚すると腫脹となります。 全身が腫れるのを水腫とし、お腹ばっかりが大きく鼓のようになり、面目手足が腫 れてこないものを脹満といい、蠱脹ともいいます。

脉状が洪大のものはよく、微細のものは悪いです。


針、上脘、三里、章門、陰谷、関元、期門、行間、脾兪、懸鐘、承満、復溜。

灸、三里、章門、脾兪、承満。

水脹脇満【訳注:水腫で脇が脹った状態】には陰陵泉。

水分にさしてはいけません。






【訳者私見】

脹満は、お腹ばかり大きく手足が腫れないといっていますので、これはいわゆる腹 水の状態でしょうか。これを脾腎の虚ととらえているのですね。

三里、脾兪の灸は、脾胃を建てる強力な配穴だと思われます。これに胃経の章門、 肝経の章門と季肋部の経穴を配しています。腫脹しているところはじかに施灸を してもあまり効果が期待できないという点からも、すっきりとしたシンプルな配穴 だと思います。

針では、上脘、承満と上腹部の経穴や、期門、章門といった肝経の経穴をと り、上部の気欝を払うことをしています。章門は臓会でもありますので、臓腑の気 を整えるという観点もあるかもしれません。肝経と言う点では他に行間をもってき ています。水の停滞に対して、肝気をたて気の流れを整え、水を排出させようという 考えでしょうか。また陰谷、復溜といった、下腿腎経の経穴も使っていますね、陰 谷は特に合水穴ですね。

水腫で胸が苦しいときには、陰陵泉という脾経の経穴をつかうとあります。 下腿経穴で、脾経を使うときと、腎経を使うときの差は、上腹部のつかえというこ となのでしょうか。

さて、どうして水分にさしてはいけないのでしょうかねえ。なにか失敗経験がある のかな?それとも水腫のある局所であるので、感染などをおそれてということで しょうか。ただ、古くには禁鍼穴との記載もあるようですから、それを踏襲したも のかな。水分自体は、効果が高いことで、いまでは禁鍼穴扱いにはなっていません ねえ。







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