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知一庵さんの【写真館】より

痔漏 いぼぢ、あなぢ


尻の穴に、瘡を生じて、破裂していない、あるいは破裂しても少しであって、治り やすいものを痔といいます。瘡がつぶれて竅を作り、膿血が出て治りにくいものを 漏といいます。

痔には六種類あります。

牡痔は肛門の辺りに、肉珠を生じてネズミの子供のようになり、膿血を出します。

牝痔は、瘡を生じ、腫れて痛み、4、5日たつと膿がつぶれてすぐに散ります。

脉痔は、尻のまわりに、つぶつぶと生じ、痛み、かゆく、膿血を出します。

腸痔は、肛門の中に結核を生じ、血を出し、寒熱往来し、トイレに行くごとに、脱 肛してしまいます。

血痔は、大便に清血が下り止まりません。

酒痔は、酒を飲むごとに瘡が出て、血を流します。


灸、百会、気海、腎兪、大腸兪、長強、膀胱兪、三陰交

針、秩辺、委中、陽輔。

血痔には承山、復溜。

腫痛には、飛陽。

漏には、長強、商丘、承扶






【訳者私見】

痔には六種類あるとしていますが、症状の出方で、肛門の状態で分類しているよう ですね。

灸の、百会は昇陽益気、気を益し陽気を上らせ痔を改善しようという狙いでしょう か。このときに、気海との組み合わせは、益気の作用がより強くなるということで しょうかねえ。腎兪ー大腸兪は、子午の表裏。腎気をたてること、そしてまた、大 腸兪を補うことで、腸を意識しているのでしょうか。。長強、膀胱兪は、位置的な ものもでしょうか。

針の、秩辺も位置的なものでしょうか。肛門周囲に気を集めたり、散じたりという ことなのでしょうか。委中は、血分の熱を清めるという作用を中心に、清血、涼 血、活血と血に関連の深い経穴ということでしょうか。

血痔にはと挙げられている承山は、血分の熱を清める作用が、そして復溜は腎経の 経穴であり、腎気を収納して固精するとあります。腎は二陰を主るという考え方か らすれば、大便に清血が下り止まらないというときに、この二つの組み合わせは、 面白いですね。

長強、商丘、承扶が漏にたいしてあげられています。瘡がつぶれて竅を作り、膿血 が出て治りにくいという症状に対して、商丘は、調気消腸、去湿熱ということで、 気を整えて腫脹を取り去るという考え方、長強、承扶は肛門周囲の経穴で、局所に 鍼灸することで、ときに気を集めたり、また熱を取り去ったりすることで、局所の 状態をよくしていこうという発想でしょうか。







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