舌は心の苗です、また脾の経絡は舌の本に連なります。ただし舌の下、廉泉の経穴は腎経に属します。
ですので、心熱すれば舌が腫れ瘡を生じます。
心と脾が熱を重ねると、舌が腫れて言葉が出ません。
心脾虚して風熱を受けると、気が欝して重舌を出します。
心脾熱して舌苔を生じます。
肝が壅がれば血が出ます。
上に鬱熱をたくわえているときは、口舌の病を生じます。
舌が緩まないのは太淵、合谷、衝陽、内庭、風府、三陰交、崑崙。
舌が強ばるのは、(ロ亜)門、二間、少商、魚際、中衝、陰谷、然谷、
舌が黄色いのには魚際。
【訳者私見】
心脾をあわせて考えるというのは、非常におもしろいのではないかと思います。
基本的に上(上焦と考えていいかもしれませんね)に熱があるときに病証が生じる
と考えていますので、熱というものから、アプローチをすることが主になっていま
すね。
舌が緩まないということを、風寒の邪によるものと、脾胃の熱と考えているよう
な感じですね。外感に対して、太淵、合谷、風府、崑崙などを配し、清熱するため
に、衝陽、内庭など胃経の経穴を使っています。三陰交は、陰分を補い、営衛の調
和をとるといったところでしょうか?。
舌が強ばるということは、やはり腎気との関連で考えているようですね。それに外感をとらえているのかもしれません。
このように考えてみると、心脾から内傷病的に把えているようなのですが、配穴
をみると、かなり外感を意識したものになっています。風寒の邪気をまず払ってい
くことが上焦の病において大事だということなのでしょうね。