厲風は天池殺物の風です。陽明の一経
に外なりません。初めておこるものは、白屑、雲頭、紫黒、疙瘩
膿を流し、あるいはまた、燥いて膿みません。麻木や不仁
のはなはだしいものは、髪の毛が落ち、目がただれ、眉毛が落ち、体中に湿疹がで
き、鼻がくずれ、肉が陥没し、声がかれます。痒いものには虫がいます。耳鳴、膝
の腫れ、足の底に穴があきます。
承漿に灸を7壮すると、瘡が軽くなります。
再度灸をすれば、癒えます。三回灸をしなさい。
また、大拇指の筋骨縫の間、約すること半寸に灸を3壮、香によって毒気を出しま
す。また、三稜鍼にて、委中を刺して
血を出すこと2、3合、紫黒、褥瘡、疙瘩のところもまた悪血を
去らしなさい。
一日おいて一刺ししなさい。三回目に刺すと血の
色が変わります。このようにすること、20余日してなおるでし
ょう。
【訳者私見】
梅毒のようは病の治療法でしょうかねえ。
承漿は穴性学ハンドブックに、「血脉を通じ、風を去り口眼咼斜を正す」とありま
す。瘀血を取り去ることを中心に考えた治療法になっていますねえ。