驚いて死ぬものがいます。
悲しんで死ぬものがいます。
驚いて死に、心下部が暖かいのならば、鍼を医者の口で温めて、兌骨を刺し、しず
かに抜いて、穴をもんだら生き返ります。
悲しみ哭して死に、手足が冷たくなっても、口や身体が暖かければ水溝に鍼を刺し
て、百会に灸を七壯しなさい。
眼神が動かなくなり、口に涎がなく、舌や陰嚢が縮んでいなければ、合谷に鍼を
さして、治療をしなさい。湧泉、神道、会陰に鍼をしなさい。
【訳者私見】
急死したものの、蘇生術ですね。
驚いて死に、心下部が暖かいというのは、どういうことなのでしょうかねえ。神気
が急に動じることによって、気絶したような状態ということなのでしょうね。その
ときに、心下が暖かければ、陽気が飛び去っていないので、生きる。心下が冷えて
いると陽気が飛び去ってしまっているので、死ぬ。そんな風に考えている感じです
ね。
悲しみ哭して死ぬというのは、一種の気欝なのでしょうねえ。手足が冷たくなって
気血がめぐっていないということですね。水溝できつけをして、百会の灸で、陽気
をたて巡らすという感じでしょうか。