脉が微細で診察することができない、あるいはまた、脉が絶えてしまい、診にくく
なっているようなときには、少陰の経に病があります。復溜の穴に鍼をしなさい。
員利鍼を使い、鍼を骨に至らせます。鍼を順にし、下し、刺します。陽
気をめぐらせ、脉を候って、脉が生じたときに鍼を出しなさい。
【訳者私見】
復溜は、補腎、滋陰、寒谷生春とあり、陽気をおこし精気を固めます。骨まで届か
し、陽気をつるように候いめぐらせるということでしょうか。
復溜で骨まで届かすということは、鍼の方向が私のイメージとは少し違いまし
た。私は膀胱経に向けて打つことが多いのですが、この打ち方のイメージは順にし
ということで、経脉の走行に沿って補法の鍼を行うという感じなのですね。文章の
一手ずつ区切っている作りをみると、ゆっくりと慎重に鍼をしなさいという言外の
意味を感じますねえ。