本草綱目に曰く、五月五日に桃の木の東に伸びている枝をとり、
削って木針とします。鶏の子のように、長さ五、六寸にしてこれ
を乾かします。
使うときに綿紙十五層を、患部に敷き、針をもってゴ
マ油にしたして火をつけ、吹き消し、熱に乗じてこれを針しなさ
い。
また、艾の葉一種を糊でねり、紙につつみ、箸のようにして、日
に乾かして用います。
灸をするとき、紙を四重に畳み、表裏に墨を点じて、灸穴にあて
て、火針に火をつけ、墨点に当て押しなさい。
さらに口伝あり、また、雷火神針の法がありま
す。
熟断艾【訳注:もみもぐさ】の粉末一両、乳香、没薬、川烏頭、草烏頭、川山甲、
桃樹皮の末、硫黄、雄黄各一刃、射香五分、これらを粉末にして、艾を混ぜ、厚紙
で短冊を作り、薬艾を内に敷き、緊く巻いて丸め、指の大きさ長さの三四寸にし
て、瓶に入れて貯えます。それを五十日間地中に埋めてから使います。
取り出して用いるときは、燈の上にて火をつけて、吹き消して紙十層をへだてて、
熱に乗じて、患部に鍼します。熱気がじかに患部に入りますので、その効果は非常
に速やかです。冷水は避けます。