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撚鍼の手法





まず、自らの志を正して、病者に心をよせて鍼に思いを映し、目を外へふることな く、他者と話をすることを慎みなさい。

左の足を引き、右の膝を立て、鍼先を口に含み、左手にて腹をうかがい、鍼をすべ き穴をまず左の大指の爪の角にて5,6呼吸ほどの間その穴を按(ひら)き、中指 と大指を合わせて穴の上に置き、右の肘を膝に乗せて鍼を穴にあて、左の中指にて 鍼口をおさえ、食指と大指を上げて、鍼の中をもち、右の食指大指にて軽く鍼を捻 り下します。

急に捻り下すと、痛んで耐えがたいです。息の出入りに従って、左右の食指と大指 にて和やかに押し下します。







ここに、補瀉迎隨温涼寒熱の刺し方があります。経には、刺してとどめる事、春夏 には二十四息、秋冬には三十六息にて鍼を出すとあります。しかしながら、老人、 子ども、弱い人、衰えた人には、五,六呼吸にて鍼を抜きなさい。

鍼の抜き方はまず、少し抜き出し、その後持ちなおして、抜き放ちます。中指に て、鍼の口を押し揉みなさい。これを鍼口を閉じるといいます。

鍼を急に手荒に抜くと、鍼口より血が出ます。これを榮衛を傷るといいます。もし 血が出たのならば、何度も穴をもんで閉じなさい。







だいたい、太った人には深く刺し、やせた人には浅く刺し、大人には太い鍼、子ど もには細い鍼を用いなさい。

初めて鍼を学ぶ人は、まず自分の外腿に刺して、鍼の通る様子をよく試してみてか ら、他人にするようにしなさい。

金鍼はもっともいいです。銀鍼は鈍いです。鉄鍼は悪い、特に長らく用いたものは、身体の中で折れる場合があります。







【訳者私見】

|鍼を急に手荒に抜くと、鍼口より血が出ます。これを榮衛を傷るといいます。もし |血が出たのならば、何度も穴をもんで閉じなさい。


打鍼のところで出てくるのですが、本郷正豊さんは、栄衛の調和ということを 身体のあるべき姿の第一目標としているようです。

そういった観点から、栄衛を傷るということは、鍼の失敗と把えているのだなと 言うことがわかると思います。

ここで撚鍼の手法としているのは、毫鍼での撚鍼の手法なのかなと思います。

(他の鍼でも撚鍼を使うのかなあ?)そうすると出血は失敗なのかな。

他の鍼では、血を出すことを目標にもするのだから、あたらないのかなあなどと 思いました。







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