治療室の中でお話を伺っていると、こう仰る方がよくいらっしゃいます。
『母親が厳しかったせいで心に傷ができたために、こんな症状が出る』
『歩くことが大切で、歩かなくてはと思うんですけど、できません』
『まわりの人たちのせいで、こうなってしまった。』
『どうしても、カッと感情的になってしまい、押さえられません』
自分の精神的なつらさが、母親が厳しかったせいでできてしまった心の傷が原因だと考えると、もう先にすすめません。こういった考え方よりも、自分が出している症状の目的は何なんだろうとか、その症状によって自分は何をしようとしているのだろうかなどと考える方がより前向きに生きられるのではないでしょうか?
歩くということを実践したいんだけど、どうしてもできませんというとき、結局自分に言い訳をしているだけで、ほんとうはただやりたくないだけなんだなと解釈することもできます。もしそのような解釈を受け容れることができるようになると、はじめて言い訳を乗り越えて、この正直な気持に対してアプローチすることによって、行動を変え、養生に向かう心の持ち方を手に入れることができるのです。
周りの対人関係のせいで、、、、といったときには、自分と他人の関係のあり方を一歩離れて冷静に眺めてみるチャンスです。他人を変えることはできないけれど、★""自分が変わることで相手も変わることがある・・・。そんな気持で接してみる。そのチャンスがきているんですね。そう考えていくと、だんだん気持ちよく過ごせる関係が作れます。
感情は私たちを支配する物ではなく、私たちが感情をつかって何かをしようとしているのです。貴方はその感情を使って、いま何をしようとしているのでしょう?