不妊は、不妊であることを除いて考えれば、まったくの健康ということも、よくあります。身体的な問題がなくても、不妊という状態がおこるのです。ここが不妊を考えるときに、忘れてはいけないポイントです。つまり、カップルの相性的な問題や、女性の年齢的な問題でより不妊状態は強くなりますが、それ自体は、淘汰のシステムであったり、年齢を重ねた女性が妊娠しにくいのは、ある意味当たり前の人生の流れの中にあるともいえるのです。
このような場合、現代に生きる我々には、西洋医学的な高度生殖医療の手を借りながらの妊娠という選択が許されています。少しだけ時間をさかのぼらせてくれるのが、いまどきの西洋医学的な手法でもあります。その恩恵を有難く受けさせてもらうのも、よいと私は思うのですよ。
当たり前のことですが、自然妊娠で授かった赤ちゃんも、体外受精で授かった赤ちゃんも、同じ可愛い赤ちゃんです。なにもかわりません。そして、体外受精で授かった皆さんは、そのプロセスの中にいるときは、いまこれをお読みの皆さんと一緒で、体外受精のことで頭が一杯ですが、妊娠して胎動を感じるころには、皆さんすっかり忘れます。そんなものなのですよ、プロセスなんて。だから、あまり拘わらず、気にせず、ちょっと手助けをしてもらうかという気持ちで、高度生殖医療の手を借りてみてくださいね。