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事の始まり(受診まで)  2/8


本症例は、腰部に電撃様のショックと痛みを伴う痙攣が頻発するという、あまり みかけない病態だと思います。

ここで、この患者さん(50代後半、男性、定年後の自適の生活)の、愁訴の始 まりから、時間をおって、整理しながら、考えていこうと思います。







事の始まり

受診の1年半前の4月、親知らずの抜歯から体調が悪くなり体重を4キロ減らす。 その後、回復をみないまま、農業の手伝い、土木工事、各種スポーツ、海外旅行 などし、8月ごろから、指がこわばったり、いつもと違う腰の重さを感じ るようになる。



30代より手に平が熱く、顫えが出るということ。また和式のトイ レがダメという腰部の弱さを抱えている方です。これは素体として陰虚内熱、内 風そして腎気の弱さがあるかもしれないという予想がたちます。

そういった状態の上に、体重が減ってしまうほどの状態というのは、かな り身体に負担があったのだと想像できます。具体的には脾胃を損ねたということ でしょう。

その身体の状態がもどらないままの、旅行や運動はかなりきつかったのだと思 います。夏の盛り、汗がたくさんでて身体の陰分が少なくなるときに手が強張る という症状がでるということは、もともとの陰虚タイプであった人が、津液の虚 損がくわわったために、内風や気滞を生じ始めたのではないかという可能性をう かがわせます。

つまり、素体の陰虚内熱タイプである方が、脾胃の器をそこねたこと、その上 に、汗による津液の消耗で、末端である手には強張りという気滞の症状、腰は腎 気の虚損がより深くなったと思わせる、いつもと違う腰の重さという症状がでて いるのではないかと予想されます。







その年の11月ごろより、ピリッという感じの痙攣が出現。そして、、

農作業、ゴルフ、農作業という連続した労倦を行ったため、その後痛みと痙攣が 出現、夜中に電気ショックのような痛みで目がさめ、明け方まで数回繰り返し眠れず という状態を引き起こす。そのなか、海外旅行にもいく。



4月から夏の時期までにおこった、虚損された肉体が、回復することなく、 状態が継続したために、強い内風のあらわれである、痙攣が出現しています。津 液の損傷、腎気の損傷また、腰部をよく使ったのではと思わせる動作が多かった ために、腰部の痙攣が出現したものと思われます。

それにしても不思議なのは、この方は、これだけの症状が出ても、海外旅行 をし、運動をし、農作業をしています。症状に対して無頓着であり、身体のダメー ジに対しても、あまりそれ自体に振り回されないご本人の姿勢がうかがえます。 ただ、今回の場合では傷を深くするもとになったようでもありますが。







翌2月より整体治療をはじめる。3月ごろより、初めてドカンと言う直下型 の地震のようなショック痙攣を経験、それ以降、定期的にショックと痛みを 伴う痙攣が出現。



整体治療では、骨盤を中心に治療を毎週続けています。本症例の腰部の症状は、 虚損された身体の症状のひとつとして出現しています。腰部を矯正などでゆるめ てしまったことがより不安定感を出してしまい、身体は引き締めるために痙攣を 出していたのかもしれません・・・・。ここでも、ひとつ問題を深くしてしまっ たような可能性があります。

腰部が弱って症状が出ているとき、弱った腰部を支えようとして、痛みや強張 り固さなどを出していることがあります(腰部に限りませんが)不安定な患部は 不安定なままでは崩れてしまうので、固めてその状態を保とうとするわけです。 こういったときに、その患部をゆるめること、患部自体に施術することは、もし かしたら、かなり危険な施術なのかもしれません。







9月北米の友達のところへ2週間の旅行。旅行前は痛みや痙攣で状態が悪いも のの、旅行中は痛みも出現せず、平穏にすごせた。

帰宅後一気に悪化、動けな くなる。痛みと痙攣で眠いが眠れない日が続く。かかりつけ医にて、副甲状腺の 検査を受ける異常なし。筋弛緩剤も使うが改善せず。殆ど火傷のような痛みを 伴う痙攣が尾底骨から右腰横まで絶え間なく出現。

10月初旬より入院。MRI、X 線診断で異常なく腰痛症という言葉でしか対応できず。

医者から指示された牽 引は症状を悪化させるので断る。何も治療は無かった が3週間の安静入院で少し 痙攣の回数が減った感じはする。

その後、全ての活動が出来なくなり、ただ寝ているだけの絶望の中で、鍼灸治療 に挑戦する。



全身の虚損した状態は戻らないまま、その上に、腰部がより弱ってしまった状 態での海外旅行でした。

人間は、頑張ろうと思うときには、気を張って頑張ります。これは腎気を土台 にして肝気を張って頑張るといった姿になります。

なけなしの腎気を使って、頑張って張った肝気のおかげで、旅行は平穏でした。

しかしながら、腎気を使ったことで、腰部の状態はより弱ります。そのうえ、 腎気を消耗したため、張ってがんばった肝気は、そのよりどころの根である腎気 を失い、暴走してしまいました。絶え間ない痙攣と痛みは、よりどころを失った 肝気の虚損されたからだの中での暴走。腎の陰虚肝陽陽亢、化火内風といった状 態ではないかと思います。







このあと、私の治療室での、鍼灸治療がはじまります・・・・






☆問診☆


.....角弓反張の弁証論治のはじめに戻ります........






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