本症例の患者さんは、素体的に、気が昇り易く、熱が篭りやすいということがあ
るようなタイプの方です。
このご自身のタイプをよく知り、上手に付き合うことが、楽しく、気持ちよく生
活していくコツではないかと私は思います。
気が昇り易く、熱が篭りやすい人にとって、一番大事なのは、胃腸の調子を整え
ておくことです。ちょっと体調が悪いなと思ったら、甘いものなどを控え、
全体に少食にしていただくことをお勧めします。
たぶん、体調が悪くなると、よけいに食欲がでて、甘いものが欲しくなると思い
ます。その欲求同理に食べてしまうと、より胃腸の調子が悪くなり、気が納まり
所を失なって暴走し、不眠やイライラなどの今回出現した状態を生みますし、ま
た違った症状を生む可能性もあります。悪循環に陥らないように、「あ、おかし
いな」と気がついたときに、注意してくださいね。
食べ物では、熱が篭りがちなものに注意が必要だと思います。まあ、お餅や、ニ
ンニク、脂っこいもの、チョコレートやケーキなどの過食はやめましょ
うね。ほどほどにねえ。
気が欝滞し、篭ることがつらいですよね。でも、この昇り易く暴走しがちな気
(肝気っていいます)は、やる気や、生きる気持ちを前向きに導いてくれる
気でもあります。上手に付き合いたいですね。
肝気は暢びやかであることが大好きなんです。篭らせずに、運動や音楽などで適
度に発散し、のびのびと生きましょう。また、このタイプは鍼が非常に効きます。
おかしいなって思ったら頼ってみるのもいいと思います。