カテゴリー : 身体の痛み 一般の症例集 東洋医学 コラム

私が整体治療から離れた理由

この治療のポイントは『形』が悪くなっていて症状が出ているときに、『形』そのものにアプローチせず(形そのものにアプローチするのがいわゆる整体的な考え方ですね)その方の精神と肉体も含めた全身状況を東洋医学的に把握し、その中で症状に密接に結びついている一番弱いところはどうなっているのか観察発見し、シンプルに弱りそのものだけを補うことで自然と形が変わることを期待するという治療法です。

私自身、腰痛持ちで長年整体治療のファンでした。整体治療のよいところ、また整体の技術の素晴らしさも十分承知しています。

しかしながら、整体治療の難しさ、怖さ、強引さもまたトコトン感じるところでもあります。以前に大きな会派に所属し勉強していましたが、100人の整体師さんがいると壊すことも含めて“形を変える”ことはほとんどの人が出来ました。でも、“修復”することが出来る方はほんの、ほんの一握り。勉強会で相互に技を掛け合うとよく“壊れる”のです。

そしてその“修復”が出来る先生が本物なんだなと実感しました。そして残念ながら私は整体的な治療から離れました。これは整体治療そのものの怖さを感じたことと、整体的な発想ではなく、その方の一番弱いところをシンプルに補うことが、目の前の患者さんにとっての無理のない範囲の修復につながるということを東洋医学的な生命観から理解したからです。

ポイントは
1)身体の状態を、全身、お腹側、背骨、背筋、お尻の状態などバランスよくみること。
2)形が問題になっているときに、治療の場で形を変えることを目標とはしないこと。
3)形は結果。結果を引き起こす原因に対してアプローチする。

人は自分の器の範囲で生きています。その生命の器の中で、健やかにご機嫌よく伸びやかに生きることが一番大切なんだなと私は思っています。