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産後アトピーの弁証論治

産後アトピーの弁証論治
患者さんへの提言
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出産というのは、女性にとって、大きな生命の傾きを体験するときです。

10月10日、自分の肉体ではぐくんだ次なる生命が、自然の導きにのって新たなる 生命としてこの世界に誕生するのです。なんと素晴らしいことなのでしょう。

産む性である女性にとっては、この出産というのは、腎気(生命力の土台)との 大きなかかわりのときでもあります。ここを上手に通過することにより、生命の 大掃除をすることができることもありますし、逆に、自分自身の生命力を大きく 虚損させることもあります。大事なときなんですよね。

出産により、基本的に腎気(生命力の土台)が虚損されます。ただ、若いとき、 そして生理的なものであるはずなので、時間と共に回復できる範囲でおこってく るものです。

しかしながら、もともとの体の状態、妊娠中、出産時の状態、産後の生活などに よって、時間と共に補われてこなければならない腎気がなかなか回復できず、新 たなる問題発生のきっかけになることもあります。

女性の虚損病の場合、問診すると『産後から・・』『第二子、第三子を出産して から』などというお返事が多いのも、こういった産後の回復の悪さが原因となっ ているわけです。






本症例の患者さんの場合、出産前の体重48キロが出産後には44キロまで落ちてい ます。そして、産後2ヶ月ほどで、アトピーが悪化し、いろいろな愁訴がでてきたのは、 出産による腎気の虚損により、ご自身の体を支えている土台がかなりまいってし まっているということを示しています。(第一段階)

本当は、ここで身体の建て直しを本格的に考え、生活ならびに養生を実践すべき だったのではと私は思います。このときは体重までが極端に落ちるというところ まではいっていないわけですから、腎気(生命力の土台)の虚損が、形ちとして あらわれるところまではいっていなかったわけです。

これが、夏を越し、いろいろなイベントやレジャーなどで、どんどん身体が疲れ、 生命力をもっていかれることにより、体重もするすると落ちてしまうという形の 虚損としてまでもあらわれることになってしまっています(第二段階)。

もしこの事態が続けば、アトピーの悪化はもとより、次なる大きな病変も引き起こすことは明白でしょう。(第三段階)






赤ちゃんがいる生活というのは、大変ですね。腎気を養うには、睡眠が一番です。 でも、赤ちゃんは夜も昼もなく、自分の要求でお母さんを呼びつけます(;^^。こ れがお母さんの腎気の回復をおくらせますし、また人によっては、『精神的なス トレス』と感じる場合も多いと思います。

私自身も、母乳育児でしたから、赤ちゃんのご飯である自分は赤ちゃんから一時 も逃げられない生活をしていました。それでなくても、やっぱり赤ちゃんにはお 母さんが何よりも必要で、この密着感、閉塞感は『辛い』と感じてもしょうがな いことなんだと思います。この部分のストレスの解消は、パパである御主人の助 けや社会の助けが必要なところですね。ただし、この部分を、いままでのような、 旅行やイベントで解消しようとするのは、お母さんであるあなた自身にも、赤ちゃ んにとっても、よいことではありません。疲労しない(腎気を虚損しない)スト レス解消法を見つけて欲しいと思うのです。気持ち(精神)が健全であるという ことは、健康づくりにとっても大事ですね。ただ我慢するのではなく、前向きに 気持ちよく生きていく方法を見つけていきましょうね。






第一段階の、身体が悲鳴をあげはじめたところでは残念ながら踏みとどまれませ んでしたけど、この第二段階では是非踏みとどまり、身体を産前に戻していきま しょう。間違っても第三段階に入り込むことがないよう用心していきましょう。

これはあなた自身にとっても、そして赤ちゃんにとってもとっても重要なことで す。お母さんの健康は家族の宝ですよね。

形ちの虚損まできているので、日々の日常を丁寧に、規則正しく過ごしていくと いうことがまず第一です。良く眠り、楽しく食べてくださいね。

そして、体重が44キロまでもどったら、少しイベント的なことなども考えてもい いのだと思います。とくに注意して欲しいのは、夏のすごし方。もし今年の夏ま でに体重がこのラインまで戻っていなかったら、夏だから遊ぼうではなく、夏だ からより注意!ということが必要なんだと思います。

この夏は多分断乳もできるころだと思います。上手に断乳することで、ご自身の 身体の回復もぐっとステップアップできると思います。そのときに土台がないと 上手くその勢いに乗れなくなります。くれぐれも、くれぐれも注意して、身体の 体力貯金をつくっていきましょうね。








主訴:問診 1/6

時系列の問診 2/6

切診 3/6

五臓の弁別 4/6

病因病理:論治 5/6

患者さんへの提言 6/6






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