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論治

弁証  5/11


本症例の場合、母が同様の関節疾患を罹患しており、本人は、母もさほど西洋医学 の治療をおこなわなくても、それなりに日常生活に困らず経過しているので、西洋 医学的な治療を積極的におこなわなくてもかまわないいという気持ちがあり、40 代から症状が出現してからも、西洋医学的な治療はあまり深追いせず、2年前まで 西洋医学的な治療は、あまり受けないという状態にありました。







20代のころより、よく口内炎をおこしているということより、心熱を持ちやすい 状態にあたのではないかと、予想されます。その後の子宮筋腫の手術ということを 関連付けて考えるのならば、気欝による熱が上には口内炎、下には気欝からの(病ー 丙+於)血の形成へとつながっていたのではないかと、考えられます。このことによ り、肝気鬱結状態が強い傾向にあったのではないかと思われます。

40代のころより、徐々に発症し、47歳の時に症状として著明な状態になりまし た。







足首、首、手など、全身に著明な関節症状が現れています。47歳というのは、腎 気が衰え始め、その支えを失いつつある時期でもあります。さしたるきっかけもな く、この時期に発症したということを考えてみたいと思います。

この時期までは、気滞をおこしやすい傾向ではあったものの、年齢的な若さもあ り、それなりのバランスがとれており、発症せずにいたものが、腎気の支えが年齢 的に衰えてきたために、症状として発症したのではないかと思われます。







50代前半のころ、著明な外的変化としては、度重なる引越しがあり、内的変化と しては、閉経がありました。

引越しは、近隣の騒音などの原因で度重なり、長期的な精神的な負担となり、肝気 の抑欝がより強くなるとともに、疲労、つまり腎気の低下をより促進させたのでは ないかと考えられます。

また、52歳で迎えた閉経というのは、著明な腎気の衰えを示す物であるとも考え る観点がひとつ、そしてまた、それまで、下へ疏通していた瘀血が抜ける ことなく、阻滞していったのではないかという観点でみることもできます。これに より、もともとの気欝傾向を強化したのではないかとも考えられます。







精神的な理由による肝気の抑欝と疲労による腎気の低下。年齢的に著明になって きた腎気の衰え。疏通することがなくなったために陥りがちになってしまったため により強化された肝気鬱結状態というのが、この時期の状態ではなかったかと考え ます。そしてこれらにより、症状が非常に悪化していきます。

そして、肝気鬱結、腎気の衰え、瘀血状態により、症状が非常に悪化し ていきます。







本症例の場合、便通もよく、季肋部にも著明な湿痰などもみあたりません。食事 の状態もよい状態です。このことが、40代後半までは、症状が顕著にすすむこと がなかった理由ではないかと思われます。

現時点では、精神的な問題により肝気を抑圧する要因はありません。しかし、左右 の神門実、左の太衝実などは、肝気鬱結状態は身体的にはあることを示しているの でしょう。

腹部の下焦が少し抜けています。また、左下腹部に大きな手術痕があり、そのまわ りがつれています。夜間尿があります。左の後谿が虚しています。腎気の衰えを示 す物ではないかと考えられます。







52歳ごろまでは、関節症状などが出るも、ゆっくりとした進行となっており、 本人も困った状態にまでいたっておりませんでし た。

しかしながら、数度の引越しなどによる肝気鬱結状態や腎気の消耗、閉経などにあ らわれる、腎気の著明な衰えや肝気鬱結の強化などが、このころ丁度重なったた め、それまでは、それなりに、支えられていたものが、支えきれなくなり、著明な 症状となったと考えられます(52歳のころ)







症状の緩和を狙っての、薬物治療ではありましたが、一時の症状の緩和をみました が、その後、いままでになかった変形などが急激なスピードでおこり、歩行困難、 手の機能障害などの状態に陥ってしまっています。

これは、素体として、なんとか頑張ってきた脾気腎気が痛めつけられたため、生命 力が急速に衰えたのではないかと考えられます。

生命力が衰えたため、邪の侵襲が激しくなり、関節の破壊がより進みました。足、 首、手首、指先、肩など多くのの関節が形態として損傷されました。

このときの一番問題となったのは、左の肩峰付近の痛みです。眠れないほどの夜間 のハンマーで叩いているかのような刺痛、著明な脹れ、などを伴っていますので、 局所的には瘀血によるものではないかと推察されます。







全体の生命力が衰えることにより、いままで支えられていた身体の局所が支えきれ なくなり、相対的に邪がきつくなり症状が悪化していきます。このときに、便通や 食事の状態などの脾気の衰えを、明確に示すものが見られないということは重要な ことであると思われます。




☆論治☆


.....ふらつき弁証論治のはじめに戻ります........






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