症例を、きちんとした文章に仕上げてみました
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患者さんへのアドバイス

論治  5/6


本症例の患者さんは、実を思わせるものと、虚を思わせるものが混在しています。

実を思わせるものは、肝欝と心熱の部分です。

音が気になる、生理前のイライラ、寝つきが悪い、春秋にアレルギーがきつく なるなどは、上焦に気が昇り、欝滞しているために症状がでているのではないか と思われます。また、焦げた感じの香り、不安感が強い、などは、肝欝が心熱ま で影響を及ぼし始めているのではないかとも考えられる状態です。また、食欲は 低下しているものの、紅舌や熱を中心に考えると、胃熱が篭り心熱をついている という可能性も考えられます。ただし、胃熱の亢進というと、食欲が出たり、胃 気の上逆を思わせる状態が考えられますが、それらが出現していませんので、肝 の鬱熱が心をついていると考えるほうがよいのかもしれません。

上焦の実や熱の状態とは相反して、大椎は冷えています。これは風邪が入ってい る可能性が考えられます。風邪のために、より上焦の欝気が抜けに くくなっている可能性もあります。






虚を思わせるものは、脾腎の虚です。脾腎は、肝気を支える土台となるものです。 油分がダメとか、食後にお腹が張ったり、胸焼けがする、中脘部が少し冷え ていて拍動がある、というのは脾虚の可能性を強く思わせるものです。また、太 白や足三里といった穴が虚であるのも、明瞭に脾胃の虚を語っているのではない かと思われます。

肝気を支える土台の虚は、肝気のよりどころを失わせ、より気の上昇がきつくなっ ていく原因にもなります。本症例の場合、この虚実が交錯した状態であることが 問題を深くしていく原因にもなるかと思います。

そして一年前から、気のよりいっそうの上逆を思わせる、口や喉の乾きと、脾胃 の低下がよりいっそうきつくなったと思われる、食欲の低下が出現しています。

脾気を低下させる気の上焦である肝気の横逆が先か、結果として肝気を上逆させ る脾気の低下が先なのかは、判然としませんが、このころ、より肝気の上逆が強 くなり、脾気がより低下するという、虚実の問題のさらなる悪化があり、不眠な どの愁訴がきつくなり、当院受療とつながっていったのだと思われます。

腎虚の問題は、年齢がお若いことなどを考えると、気の上昇に伴って、下焦の穴 である中注の虚や、尿の問題がでたのではないかとも考えられますので、主要矛 盾からは現時点では除外してもいいのかもしれません。

まず、横逆している肝気を払い、軽く心熱も払っておく。そして同時に、脾気を 救っていくということが肝要かと思われます。






弁証 肝気犯脾

論治 疏肝理気 補脾 






その後の状態

10診(約3ヶ月)ほどで、生理前の強い不安感、イライラ感などが減少して きたとのこと。

また、足三里に毎日施灸することをおすすめしました。肝気の納まりをつける ことと、脾気をたてることを目標としています。これにより、かなり不眠状態が解消し、 寝つきがよくなり問題が解決しました。




.....肝欝不眠弁証論治のはじめに戻ります........





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