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患者さんへの提言

病因病理:論治  5/6


体重が、するすると落ちてしまい、それに比例して、体力も低下し、生理を中心 に沢山の愁訴が出現していまい、どこが悪いのかわからない、けれどもとても辛 いというのが、ご本人の訴えです。

このように、経過が長く、病院にいっても、病気ではないといわれると、ご自 身で、何が問題なのかをみつけるのは、難しいのでしょう。

一番問題なのは、脾胃の力(胃腸の力、消化吸収して、身体に栄養を隅々まで運 ぶ力全体をさしています)の低下でしょう。この脾胃の力の低下が、体重の減少 というところまで、簡単にいってしまうのは、本当に、『脾胃の力が』弱いと感 じさせます。

そしてこの脾胃の力の低下(脾虚、胃腸の力の低下、虚損)が、補われ、立ち直 ることなく、長期に続いたため、全身的な気の不足(気虚)をおこし、沢山の愁 訴の出現となっています。つまり、もう、脾胃の力だけの段階ではなく、全身の 虚損、器が小さくなってしまっているという問題になっているということです。







便通の状態が、不安定で、生理のリズムに振り回されたり、便が出ること で、気力もぬけるなどという正気のもれまでおこすという状態は、脾虚が腎虚ま で及び、全身的な気虚をおこしているということなのでしょう。

主訴である、ダラダラ続く出血や、胃下垂、食欲不振、身体の冷えなども、全身 的な気の不足、そしてそれがかなり深いことをしめしています。生理痛 がなくなり、排卵痛を感じるようになっているのも、全身の虚損が明確になって きているためだと思います。

全身の気の不足をおこし、土台となる器が小さく虚損している状態であるので、 生理的な範囲であっても、肝気を脹らなければならないときには、身体の負担 となり、生理前のイライラなどにつながっています。また、疲れているときのス トレスで下痢するなどというのは、がんばりきれない身体のありようをしめして います。

全身的におこしている気の不足を救うため、脾気をすこやかにし、少しでも器を 大きく、安定させ、体力をつけていくようにしていければ、きっと気持ちよく生活で きると思います。少しづつ、少しづつがんばってください。







少し、心配なのは、脾胃の虚損ではじまり、それが長期化することで全身の 気の不足を引き起こしているためこういった状態になったわけですが、身体の土 台である、腎気の不足を思わせる項目まで増えて来ていると言う事です。また、 内熱を思わせる項目、心の変動などを思わせる項目などもあります。これは、器 が小さい人ががんばり、身体がパニックをおこしてしまったのかなとも思います。

土台である腎までやられ、心の変動までおこしはじめているということは、ひと つ間違えば、大きな虚損病を発症する可能性が出始めているということです。 まだ、まだ、いまの段階では、未病とかろうじて言えると思います。病気の段階 に絶対にしないように、少しづつでも器を大きく安定させることをしていきましょ う。

異国の地での生活は、このような器の状態の方にとっては、緊張感が強く、なか なか自分自身を養うことができにくいとは思います。自分の中の小さな子供のよ うな自分を子育てするつもりで、生活管理、食事の管理をおこない、少しでも器 を安定させ、成長させていきましょう。







弁証 気虚 脾腎両虚

論治 脾気、腎気をたて、全身の気を増す。








主訴 1/6

問診 2/6

切診 3/6

五臓の弁別 4/6

病因病理:論治 5/6

患者さんへの提言 6/6






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