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考察

二人目不妊の弁証論治
病因病理:弁証論治
 4/5


本症例の患者さんは、20代半ばでひとり目を出産、1年後自然妊娠するも流産、 そのご病院にてタイミングや誘発などの治療をおこない一年半ほど経過していま すが、妊娠にいたらず、当院を受診されています。

20代半ば、第一子も生理不順のために病院に通院し、自然妊娠ー出産の経過を とっています。その後も自然妊娠するも流産。そしてタイミングや誘発などをお こなうも妊娠にいたっていません。






この患者さんは、もともと少し腎気が弱いようです。 素体として、夕方がつらい、尿の問題があること(小便が近い、残尿感、夜間排 尿など)、疲れが残ること、脉状の尺位の弦脉など、もともとの素体が少し腎虚 気味であることを示しています。


月経は、腎気が盛で、天癸がいたり、衝脉、任脉が盛に通じ、それが子宮に作用 しておこります。この方の場合、腎虚気味であるので、生理の周期がながく、よ い卵がそだっていかないため、しっかりとした排卵がおこらず、高温期になかな かならないということがあると思われます。そういった月経、生理の状態である ので、妊娠にもなかなか到らないのだと思われます。

お体を拝見しても、関元の冷え、左右大巨から中注にかけての冷えなど、下焦の 冷え、腎気の弱さを感じさせる経穴がみられます。また、尺位の脉状も腎気の困 窮を感じさせます。






また、腎気の土台がないので、しっかり気が収まらず、気逆の状態を呈し、心下 部のつまりや、生理前のイライラ(肝気の上逆)、舌尖の紅点などがでています。

ひとり目の妊娠中の経過を候うと、つわりがかなりひどく、初期のころだけでは なく、一端落ち着いたあと、中期の後半から妊娠後期まで嘔吐などをされている ようです。これも腎気が弱いために気逆をおこしやすいので、おこったものと思 われます。

産後は、出産により、腎気をよりそこなってしまうため、もともとの腎虚気味の 本症例の方は、より腎虚がすすみ、妊娠しにくくなっていったのではないかと思 います。また、出産により中心に収まる力(腎気)が虚した為に、妊娠前よりも 増えた体重(6キロほど)が戻らないままになっています。これも、腎気をたて、 収まる力をつけることで、いらないものを排泄できるようにしていきたいと思い ます。






腎気をたて、土台をたてることで、妊娠に致ることを第一目標に。

そして、妊娠後は、腎気をより充実させることで、気逆をおさめ、長引きがちな つわりを軽減していきたいと思います。また母体の腎気の充実は、胎児の健やか な成長には欠かせません。

御本人の養生としては、腎気を育てるには、良く眠ることが第一です。充分な睡 眠を心がけてください。また先天の精である腎気は、後天の精である脾気により 養われます。脾気とは、胃腸の力です。脾気も梅雨時の体調不良、食後の胸焚け、 お腹の張りなどがあるようですので、あまりよい状態とはいえません。間食など の食生活を見直し、歩行などの運動を生活に取り入れることにより、脾気がより 健やかになり、腎気の充実に貢献してくれると思います。腎気と脾気が充分に充 実することが、この方の人生にとって、非常に大切なことだと思います。






腎虚証
益気補腎








主訴:問診 1/5

切診 2/5

五臓の弁別 3/5

病因病理:弁証論治 4/5

考察 5/5






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