妊娠中のお身体の手入れ。300㌘50㎝を目指して。

ご相談
『第一子の妊娠中が大変でした。妊娠の早い段階(5ヶ月過ぎ)から頚管長が短いと言うことで安静の指示が続き、途中からは入院しての安静となりました。第二子を希望していますが、こういった経過だと実家も遠く上の子を預けるところがない私としてはとても妊娠自体を考えることができません。ただ、やっぱり兄弟をつくってあげたいし、私自身二人目の子供が欲しいのです。どうしたらいいでしょうか?』

こういったご相談を多く頂きます。
また、初めての妊娠でも、体調不良から様々なトラブルがあり、ご相談をいただきます。
妊娠中や薬剤に頼ることができませんから、鍼灸治療は大きな力の発揮どころではあります。

ですので、当院では、妊娠中のお身体の手入れをおこなっています。
目的は、妊婦さんの身体を手入れすることによって、生命力を高め、赤ちゃんの健やかな成長を願い(目標3000㌘50㎝)スムーズな出産、そして産後のお母さんの順調な健康回復を願います。

妊娠は不測の事態がおこることがあります。
本当にそれは不測で、予想し得ないことも多々あり、軽々しくそれらに対処できるなどということは
決して出来ません。ただ、少しでも健康状態がよくあれば、女性にとっての大きな生命の波に上手にのり
妊娠ー出産をリズミカルな人生の中の一場面としてとらえ、出産後に上手に回復し、次のお子さんへというリズムに
のっていただきたいなあと思うのです。

これが悪循環の場合は、なかなか妊娠しないーやっと妊娠ーつわり、妊娠中のトラブルー出産の疲れー産後の不調という女性にとっては辛い流れになってしまいます。どこか一つ改善させ、良い流れに乗ればスムーズにいく、それが
”自然”なのだと思います。

妊婦さんとお付き合いすることは、他の疾患の方々とのお付き合いで出てくる「リスク」とは全く違う次元となります。
つまり、何か起こったときには、「取り返しのつかない事態」に直結してしまいます。このあたり
妊婦さん自体もリアリティーはありませんね。でも、いつでも考えておかなければならないことだと思っています。

妊婦さんの治療をすればするほど、手入れが役に立つという実感があります。
やはり妊娠中というのは、より自然的であり野性的であるので、手入れが効くのです。
お勧め出来る治療時期です。

先日も、一人目のときは妊娠の早い段階(5ヶ月過ぎ)から、安静、そして入院になり妊婦生活自体が非常に大変だった方が、何も問題のない二人目の妊婦生活をおえられご出産をされたと報告いただきました。妊娠初期の手入れをとくにしっかりとしていくこと、そして妊娠中も出産まで丁寧にお身体作りをしていくことが無事のご出産につながったと思われます。

ここで、ひとつポイントは、個別具体的にその人の「生命力を高める」ということを中心にすえ、
症状を追わないということです。症状を取ると言うことは、一歩間違うと症状をとるためにその人の生命力を損なったり、
大きな気の偏在をおこしてくることがあります。妊婦さんの場合、胎を保持するという方向のベクトルをしっかりと
働かせることが第一で、症状をとるは「取れたら良いね」程度に置いておくべきなのです。
このあたりを、しっかりと患者さんに納得いただき、主導権をとれる鍼灸臨床をしていかなければ
本末転倒です。

患者さんにもしっかりとお伝えしたいところです。

健やかな妊婦生活を願っております(^^)