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質問にお答えして:生理痛とピル、不妊。子宮内膜症からの妊娠出産。0120 不妊講義

生理痛とピルと不妊、妊娠についてご質問を頂きました。

私は鍼灸師さん向けに講義などをおこなっています。
不妊治療や女性の鍼灸治療は、西洋医学的な不妊治療の知識が必須です。
その上で、私は鍼灸師のみなさんに、
『東洋医学的な知識と患者さんのお身体をしっかりと観察する目』
もっていただき、目の前の患者さんにとって、必要なことを一緒に考えられるような鍼灸師で
あって欲しいと思っていますし、私自身もそう願い研究研鑽を重ねています。

さて、講義を終えてからの質問をいただきました。

質問:

月経不順やPMSの軽減などを目的とした10代~30代の低容量ピルによる月経のコ ントロールは、その後に妊娠や婦人科系疾患に影響を与えていると言う実感があったりし ますか?

質問の理由:
このサイトをみて、生理痛の軽減にピルの服用は有効でアルトカンゲテいました。
しかしながら、無月経を放置してはいけないというお話しを聞き、ピルの服用はいいのかしら?と
疑問に思うようになりました。

鍼灸で楽になるならばそれが一番ですが、どう考えたらいいでしょうか?

参考サイト:

 

質問にお答えして:

私がお話しした、月経が2年以上ないことが問題というのは、無月経の放置を2年以上しているという意味です。ピルのコントロール下にある場合ではありません。ピルのコントロール下で あれば長期服用でも排卵が起こり妊娠は可能ですね。これは参考サイトの中の、

5回目 低用量ピルを使っても妊娠はできる? 太る?などの”都市伝説”に回答
こちらが答えになるのかなと思います(^^)

現代女性に月経の数が多いのは、ライフスタイルの変化からです。昔の女性は10代の後半から妊娠して月経が止まり、授乳して月経が止まり、またまた次のお子さんを妊娠して・・・と繰り返していますね。
その間、排卵が抑制され、月経が止まっているわけです。

現代の女性は、妊娠の数が非常に少ないわけですから、月経が多く、そのため、子宮内膜症や卵巣嚢腫など排卵にまつわるエストロゲン依存性疾患のリスクが高まるわけです。

”妊娠を望んでいない”女性がピルで月経のコントロール”をするというのは、メリットのあることだと思います。

さて、では、不妊の女性についてはどの様に考えたら良いのでしょうか?

不妊とピルと生理痛

ピルを服用していると、ご自身の身体の変化に気がつかない

ピルを使っていると、ご自身にもともとの排卵障害があったり、妊娠しにくい状態であるのか妊娠しやすい状態であるのかはなかなかわかりません。気がつかずに年齢が高くなると、不妊のリスクは高くなります。

つまり、ピルを飲んでいるから不妊になるではなく、年齢が高くなる、不妊の原因になり得る状態に気がつかないということがあります。

これはピルの問題ではなく、不妊のあたりまえの課題です。

生理痛がひどくてピルが手放せません

子宮内膜症や子宮腺筋症などで生理痛がひどく、ピルが手放せないという方がいらっしゃります。
妊娠はしたいのだけど、ピルをやめると生理痛がひどすぎて生活に支障が出るということです。

私はこういうときには、一気に不妊治療を進めることを提案しています
通常であれば、半年から1年程度は自然な形での妊娠、つまりタイミングや人工授精などを
提案しますが、体外受精や顕微授精などの高度生殖医療受精を行い、1度の月経周期で多めに
卵胞を育て、受精卵を作り凍結します。そして月経そのものはピルでコントロールしながら、
移植周期を調整し、不妊治療を進めていくのです。

排卵があるから、生理痛がある。だから排卵を止める、だから妊娠できないというループから
高度生殖医療を使って、一気に進めます。凍結という技術も使ってみる価値があるのかなと思います。

子宮内膜症、排卵痛35才出産の弁証論治

この方も非常に重い生理痛がありました。妊娠したいという希望が明確であったので、
鍼灸治療で体調をあげたのちに、一気に不妊治療を進めました。

卵子の状態が悪く、採卵は複数回になりましたが、無事に妊娠出産につなげることができ、
よかったなあと思っています。

まとめ:

現代女性は排卵回数が多すぎるために病気になってしまっている側面もあります。
妊娠を望んでいないのならばピルにてコントロールするのは非常に良いと思います。

ただし、妊娠の希望がある場合は、ご自身の状態を良く把握し、前に進むことも必要ではないかと思います。

湿気の病をお灸で軽やかに リウマチの1−4気端灸の勧め

慢性関節リューマチは、一昔前と違って本当に薬が発達していますね。
昔の様な極端な変形や、生活の質を落としてしまうような
問題はかなり減っているのかなと思います。

東京女子医科大学 膠原病リウマチ痛風センター

しかしながら、自己免疫疾患という 『上手に付き合っていくことが大切』 な病気ですから、
薬で関節の変形などのリスクを軽減しながらも、ご自身の生命力をupさせる体調管理をしていくことは、とても大切かなと思います。

湿気の病と梅雨の付き合い方

さて、この梅雨の季節。

やっぱり身体が重い、指がスッキリしないというお悩みはあると思います。
これはリウマチに限らず、内湿という身体の中に湿気があるタイプのかたでは
様々な症状をひきおこしていますね。

『湿度が高いと頭痛がするんです』
『湿気があると体調が悪くて』
『気圧が下がると身体が重くて』
『気圧が上がっても下がっても身体が疲れます』

などなど、湿気や気圧に敏感に反応しちゃいますね。

身体の内側に『内湿』という内側の湿気があるせいです。

基本的に内側の湿気があるわけですから、身体に除湿機をかける必要があります。
これは脾胃(胃腸の力)をupさせて、身体のいらない湿気を排除させる力を
Upさせることが基本です。曲池(LI11)や足三里のお灸を毎日定期的に行うのは
とてもよいですね(*^^*)

また、特にこの時期、手足先が重いと言うこともあるかと思います。
そんなときには、指の親指と薬指、第一趾と第4趾の指先にお灸をいれます。

1−4気端穴
これは出来れば直接灸がよいですね。ちょんちょんとお灸を入れます。

すると、この写真のようにこの線から先の部分がとくにすっきりとして、
指の動きがよくなります。


内湿の排除がちょっぴり出来たわけです。

梅雨の時期、少しでも軽やかに過ごしたいですね。

不妊:新陳代謝の調整で妊娠率up、流産率↓のお話し

不妊:TSH甲状腺刺激ホルモンでわかる、新陳代謝の調整のお話し。

ある患者さんが、伊藤病院を受診され、パンフレットをもらってきました。

写真:
伊藤病院

伊藤病院はむかーしはこのパンフレットの類いがとても充実していました。病院に行くのは面倒だけど、東京の原宿だから楽しいしと仰りながらパンフレットを私にも見せてくれる方が大勢いらっしゃりました。ふむふむなどと読ませていただいてわかりやすさに納得。

最近はメインのパンフレットの他1,2種類があるのみだそうです。ちょっと寂しいですね。まあ時代の流れ、インターネットや本で読んでねということでしょうね。

もうだいぶ前、体外受精でながらく日本一有名と言われる新宿の加藤レディースクリニックに通っていた患者さんが、『伊藤病院に行くように言われました』ということをおっしゃり、だんだん不妊治療をする人にTSHを測りコントロールするというメソッドが確立していったように思います。この新宿のクリニックでのやり方を横から20年ぐらい眺めていますが、統計的なデーターを集め、確立すれば広げていくという感じがします。

あ、ヨネばあちゃん、少し思い出話を。

以前に、移植時のPは十分と言うことでホルモンを何ら補充せずに移植し、4,5回移植してもダメという方がいらっしゃりました。当時の加藤レディースクリニックでは、『不要と思われるものは足さない』という方針が明確。でも、今でも思い浮かぶのですが、その人の基礎体温表の高温期は、胚盤胞移植時がピークになり、あとはするっと下がる方だったのです。今では標準的にデュファストンがでるようですが、当時は『その当日のPが10以上あれば足さない』何度かクリニックを変えては?と申し上げたのですが、その方はやはり体外受精ならばKLCがよいというご家族の意見もあり、何度か採卵ー凍結胚移植を繰り返したものの、一度も着床しないまま、治療そのものを終了されました。良好胚が出来ていたので、今ならば着床障害や、ホルモン値の課題をもう少し強く助言できるのになあと時にその方のお顔を思い浮かべます。このお話はKLCで伊藤病院の話題が出る前の出来事です。だいぶ古い話しになります・・・。高温期

 

さて、この甲状腺は、食事に含まれるヨウ素を材料にして甲状腺ホルモンを合成しています。この甲状腺ホルモンは新陳代謝の過程を刺激したり、促進したりします。また妊娠中の胎児の脳も含めた身体発育にも大きく関与します。

この甲状腺ホルモンが一定の値をキープできるようにするのが、脳下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)です。つまりこのホルモンが甲状腺を刺激してホルモンの分泌を促すわけです。

ホルモンって、身体の中では

刺激ホルモンが分泌→本体のホルモンが分泌される

こんな流れです。

つまり甲状腺刺激ホルモンであるTSHが高いと甲状腺から出ているホルモンが足りないというわけです。

 

このパンフレットの中にある、妊娠を考える方、妊娠初期の方のTSHを2.5以下にコントロール維持することで流産を減らすということが、統計をとるうちにはっきりしてきたのかなと感じました。さすが加藤さま!(と、多くの方が呼んでいますね。私もそう思うことがたびたびあります)。実績を踏まえての前進なのでしょう。

TSHの正常値

 

甲状腺の機能低下と流産、早産の関係も明確なようで、妊娠してからもこのコントロールを行ってもらう方が最近は多くいらっしゃります。以前はわからなかったことが、検査項目になり、わかってきたということかなと思います。発展していることがいっぱいありますねえ。

 

さて、ヨウ素は、体内では作られず食物から摂取するミネラルです。ただし、逆にヨウ素を過剰に摂取すると甲状腺ホルモンが減ってしまいます。ヨウ素を含む食品は注意です。

 

ヨウ素で注意するのは昆布です。昆布はダントツにヨウ素が多いです。昆布の食べ過ぎには注意ですね。昆布だしも控えるのがよいかと思います。また改装が好きならばひじきはちょっと控えましょう。

昆布

のり、わかめ、めかぶ、もずくなどの海藻は制限する必要はないです。
ただし、イソジンのうがい薬はヨウ素が含まれていますので、使わない方がよいとのことです。

日本人は海藻類が大好きです。この中で、ヨウ素に注目した場合は昆布の摂取を控えると言うことが大事です。

妊娠を考える方。不妊治療中の方。甲状腺が気になる場合にはこの伊藤病院で1度見ていただくのもよいかもしれません。朝一番で初診の門をくぐれば、お昼までには結論がでて全て終了ってな感じで帰ってくる方が多いですよ。ご参考まで。

相談:入れ歯で人生最大の危機!? 頭の締めつけ・耳鳴り・頭痛

相談:入れ歯で人生最大の危機!? 頭の締めつけ・耳鳴り・頭痛

将棋のひふみんこと、加藤一二三さん、入れ歯をしていないことで有名ですね。
ひふみん将棋

彼はなんで入れ歯をしないのですか?という質問に

『入れ歯をつけたら頭の回転が止まってしまい花を見ても美しいと思わなくなった。だから入れ歯はやめた。あのときが人生の最大の危機だった』

こんな風に仰っています。
全身は気が巡る必要があります。
なにかを締め付けることで、この気の巡りが阻害されることがあるのです。とくに、頭という身体の上部に気を集めて頭脳を高回転させているタイプの人にとっては、頭を締め付けることが全身の気の巡りを悪くしてしまうということになるわけです。

さて、同じようなことを仰ったケースをご紹介します。

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不妊:相談 子宮内膜症、体外受精しても妊娠しません 43才(0108)

ご相談にお答えしてのシリーズです。

ご姉妹で子宮内膜症に悩まされていました。
お姉様も子宮内膜症と上手につきあわれ、ご出産にこぎつけられました。

婦人科疾患のある方の場合、案外早くから妊娠を意識し取り組まれるケースが多くあります。
この方も20代のご結婚からすぐに妊娠を意識し始めたのはとてもよかったのかなと
思います。

しかしながらも、一筋縄でいかないのが不妊治療。

体外受精ー胚移植は確かに不妊治療の中で大きく力をかしてくれる治療です。
最終段階と思うので、結果がでないときにはそれを繰り返すということがよくおこなわれます。

でも、ちょっと待ってください!

結果が出ないときには、一歩踏みとどまり、ご自身の体力貯金のチェックを
お勧めします。

体力貯金のアップを図ってから、胚移植を挑戦することが結果として急がば回れと
なることはよくあります。

そして、どこがその方の体力貯金アップのポイントとなるかが重要です。
ただただ、やみくもに採卵の回数を重ねず、ちょっと踏みとどまってみましょうね。

 

☆ご相談内容:詳しい相談内容

20代で結婚し、すぐに子供が欲しいと思ってタイミングをとっていました。
子宮内膜症の症状が強く手術などもしています。

山登りが好きで、友達と頑張ってあちこち出かけるのが好きです。
休みの日なども、家にじっとしているのは好きではありません。

37才から体外受精を始め、すでに胚移植も3回していますが妊娠にいたりません。
どうしたらいいでしょうか?

これ以上、不妊治療にお金をかけるのも難しいです。

私からのお返事:☆カウンセリング、不妊カウンセリング 東洋医学的診立て

子宮内膜症の一番よい治療は、妊娠することですね。
しかしながら、子宮内膜症がきついせいで、妊娠がスムーズにおこりにくく
体外受精などの高度生殖医療を何度も挑戦しているのに結果につながって
いないのは本当に辛いと思います。

お身体を拝見すると、胃腸のパワー不足が明瞭です。胃兪、足三里、公孫の落ち込みです。
また婦人科的に支える経絡も弱く、三陰交、陰陵泉などのツボも冷えが顕著です。
身体に出ている細絡、舌の状態から瘀血という東洋医学で言うところの血の滞りが
みてとれます。これが子宮内膜症の状態を表していると考えられます。

そういった生命力のパワー不足、血の滞りがあるなか、普段の生活がオーバーペースであることは
何かしようとするとその一点にご自身の余力を集中させることになります。

ここは半年ぐらいを目処に、養生を心がけとにかくご自身の生命力をあげることに集中しましょう。
そして、養生で生まれた体力貯金を不妊治療だけに注ぎましょう。

体外受精で受精卵がちゃんと出来ている人です。
もうあと一歩のご自身が卵を迎える力をつけていけばきっと結果に繋がると思います。
一緒にがんばっていきましょうね。

・弁証
脾虚を中心とした気虚肝鬱
・論治
益気補脾
・治療方針
脾気を中心に全身の体力をあげることを目標にする。
養生を心がけて頂き、体外受精で胚移植の時期までは理気は行わない。

 

治療経過

ビッグママ治療室初診
週に2回の鍼灸治療、食事生活の養生、毎日のお灸養生を始める

鍼灸養生をはじめて直後(もう少し待ってみたらとアドバイスするもすでに治療周期がスタートしていた)
4回目の体外受精ー胚移植 妊娠せず

4ヶ月後
5回目の体外受精ー胚移植 初めて妊娠反応が出たー。継続出来ず
体重BMI19.1 なので19.5をめざすようにアドバイス

6ヶ月後
6回目の体外受精ー凍結胚移植ー妊娠判定陽性 鍼灸治療の頻度をあげる
首の痛み、辛いつわり、逆子などもあるものの無事に出産

おめでとうございます。

☆まとめ

体外受精をして、受精卵ができるということは、妊娠まであと一歩です。
胚移植をして結果が出ないときには、体外受精を繰り返すよりも、一歩待ってご自身の
生活を見直し、体力貯金をアップし、卵巣子宮のパワーアップをはかるほうが
結果的に近道だったということはよくあります。

あせらずに、ご自身の状況をよくみて、治療を前に進めていくことが大事だと思います。
子宮内膜症のつらさ、頭痛や身体の痛みなどいろいろと不調のある方でしたが、
ご主人との生活を楽しみながら、笑顔で生活されているご様子は伺っていて私まで
楽しくなってくるようでした。

今回の症例の詳細はこちら→できる限りのことはしたい! 

 

 

ビッグママ治療室

不妊カウンセリング学会

食事バランスガイド

日本生殖医学会

不妊カウンセラー、不妊カウンセリング学会講師 ビッグママ治療室院長 米山 章子