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足底の痛みのツボの取り方

足の八邪のお灸 腱を狙う

このところ、足のつぼのとりかたのお話をしています。
お灸って、いわゆる『ここが効く!』っていう本や情報ってわんさかあると思います。

それが案外効かないんですよね(^_^;)。

サクサク効けば苦労はないって。
なぜ効かないは、さまざまな理由がありますが、ちょっとしたツボの取り方で
効き方が全く違うってのがあるのです。

この足の甲、裏のお灸はあれこれとあって、取穴に注意を払うとこんなにひろく効き方、
効かせ方のコツがあるんだなあとビックリしています。

さてさて、話しをすすめましょう(^^)

 

足底のツボ(アプローチする場処)の決め方

さて、足底の痛みに、

1:足底側からお灸するよりも甲からした方が効果的

2:足の八邪の取穴をおこない目安とし、遠位、近位で効果比べるー組み合わせるとよい

3:足の八邪の取穴を、腱の動きからイメージしてやってみる→動きが滑らか

こんな結論がいまのところでています。

足のお灸は、足底つまり、足裏側からすることが有名で、私も足底からのアプローチばかりがお灸のイメージでしたが、甲側も使って診ると効果的ですごくおもしろいです。

 

足底の痛みのそもそも論

そもそも、足底の痛みは、腱がつるようになって、MP関節部が沈みがちになり、足底に痛みが生じています。つるようになっているのは、アキレス腱側も認められますが(アキレス腱が短縮気味で背屈を促してしまっている)、足の甲側の腱も伸ばされて突っ張っているようです。

 

そこで、この腱に注目して施灸をしてみました。

いままでは、骨の間のツボなのですが、今回は腱の上です。

すると、痛みに対する効果としてはいままでの八邪的骨間取穴とさほどかわらないという感想ですが、足のグーパーする(足ってぐーぱーするのか?と聞いてて疑問でしたが)感じが滑らかで、動きが滑らかな感じで動きやすいと。

うーん、腱の方がよさげな感じがしますねえ。これは、持ちの長さとの兼ね合いもありますが、取穴の時の工夫の余地がありそうです。

ツボを取るとき(取穴)のときのコツ

取穴の時に、観察していると、骨間ってのは冷えがでたり、空きが大きかったりと、ツボとして取穴したくなります。腱の状態もそれにくわえてみると、症状に対してのアプローチの幅が増える気がします。

写真は、腱の取穴の時に、関節を動かして腱の確認をしているところです。

関節の動きに沿って腱は自分の想像とはかなり違う走行をしていることがあり、

『あーーそうなのね』とガッテンボタンを押したりしながら観察しています。

物忘れやボケないための鍼灸治療ってあるのかな?

物忘れやボケへの鍼灸治療はあるのか?

物忘れや、ボケは人生の大きな課題ですね。

対策を鍼灸で考えるということは古来あれこれなされています。

頭の天辺にある百会のツボなどへの刺激は、有名ですね。

まあ、頭に直接お灸をするということは、刺激がぐいっと入りそうで

人気のあるお灸の一つです。

大学病院在籍中の思いで:醒脳開竅法での鍼灸

むかし、東海大学大磯病院の東洋医学科に在籍中、中国から紹介された鍼法が多くなされているようでした。

醒脳開竅方などもそのひとつ。私がいた当時はこの鍼を積極的におこなっていました。
脳疾患に対して、鍼治療による刺激で、回復させようという取り組みです。効果があるという論文もあるようですね。

使用経穴について

アプローチする人中、内関、三陰交、極泉、尺沢、委 中 、風池 完骨 翳風 、丘墟→照海 (GB 40) (KI 6) への透刺などです。

人中などは、鼻の下ですし、全体に鍼そのものの、刺激が強く、これは科なり特別な状況での刺鍼法であると認識しました。

ただ、使用経穴は、人中はさておき、尺沢(LU5)や、内関(PC6)など、一般治療でも常用経穴です。

三焦鍼法について

また、中国の天津中医薬大学の韓景献教授チームがとりくむ、「三焦気化失調ー老化相関論」にもとづく、三焦針法。

こちらは実際のやり方はみたことはありませんが、考え方として、「三焦の気を動かし、三焦の血を整え、後天の本を助け、先天の元を培う」というベースは納得できるものがあります。

鍼のやり方指示をみると、やはり打ってからの刺激が強いのですが(^0^;)、膻中(CV17)、中脘、機械、外関(TE5)、足三里(ST36)、血海(SP10)とでている経穴がスタンダードで、私もよく使います。ただ、私だとお灸が多くなるなあと言う感じです。

 

東洋医学で使うスタンダードな経穴

いろいろな鍼灸治療法や、考え方をみていくと、それぞれ特徴があるのは理解できますが、

結局使っているのは、あたりまえで、スタンダードな経穴(ツボ)だったりします。

なんか、妙に納得しちゃうんですよね>自分としては。

そんなに特別なことなんてないんだ。人間の身体、スタンダードな経穴を、無理のない刺激で使っていくというあたりまえのことが、結局、一番必要で、一番聞くんだなって思います。

そのあたりまえをコツコツ積み重ねることが一番大事なのかなと。

八邪穴:足底の痛みを継続的によくしていこう!

八邪のツボ

手足の末端に八邪穴というツボがあります。

この末端の経穴ってのは、案外効果的でよく効きます。

このお話は少し前にもさせていただきました(^^)
足底の痛み

 

三叉のツボ

 

手のツボは三叉なんていう分類で使っている方もいらっしゃいますねえ。

まあ、YouTubeなどで出てくる、三叉の使い方は、

とてもとてもマネできないって感じです。

手の甲にガッツリ鍼をするんです。

遠隔で、首に効くとか、腰に効くとかさまざまな効用があげられ、

治療効果が高いということなんでしょうけど、

自分自身がこの使い方で治療を受けたいとは思えないので、

ちょっと却下(^^ゞ

 

足の八邪穴の効用

手の八邪が鍼ですんごーーーく効いた。こんなに変化がって言う驚きを書きましたが、足の八邪??のお灸。これまた面白い進展が。

足の八邪 お灸 八邪穴 リウマチ

八邪に関しては、あれこれありますが、ここでは省略(^^ゞ。

リウマチのこの方には、手の三叉を用い、指や手首の関節の動きの改善となっていました。この場合は鍼を使っています。

足の解剖生理 吉野整形外科WEBより(https://www.yoshino-seikei.jp/leg.physiology.html

足の解剖生理 高津整体院WEBより(https://www.takatsu-chiro.com/yougoshu/name-foot.htm

一番の痛みは、指の丘 MP関節

MP関節の足底部、つまり、母指球から小指球にかけたあたりに痛みが生じていることがあります。

ここは、衝撃が強くて、たこなどになっている方もいらっしゃりますね。

足底のアーチの問題となるわけですが、ここではあえて、関節、骨、そして関節を構成する腱の方面からみていきます。

以前は、痛みのある足底に直接お灸をしていました。

このお灸は、魚の目などのたこに対するお灸や、裏内庭のお灸として、下痢などに効くと有名です。

ですので、間接の痛みに対してもやってみたところ、それなりに効果がでていました。

前回から紹介していますが、痛みのある足底側ではなく、甲側を思い切って使いました。

つまり、この図の×(遠位)と○(近位)のところです。

 

足の八邪 お灸 八邪穴 リウマチ

 

×の位置と○の位置、どちらも奏功しましたが、特にMP関節に近い遠位の方が持続が長く、次回治療日(4,5日後から1週間)まで、それなりに効果が続き、そこでまた治療を加えることで痛みがさらに改善、より効果が長く持続という感じになっています。

 

ツボの取り方、より効果的な持続のために

ここで、ひとつ取穴に工夫を加え、遠位と近位を組み合わせたところ、よりよい感じで効いています。腱の短縮がきつく、痛みが辛いところに直接ダブルでアプローチです。

ちょっと分かりづらいのですが、○のところの基底部に近いところの4穴に、遠位のMP関節に近いところの2穴を組み合わせています。つまり一番関節の課題が大きく痛みの中心となっている部分をしっかりお灸をいれたわけです。

これにより、やはり良い状態が長く続くという感じになっています。
なるべく取穴数を少なくする工夫をし、治療の負担を軽減しながら、しっかりと効果が出るように
していきたいです。

お灸は、昔からある、手入れ、ケアにきくよい手段です。

色々工夫しながら、開発していきたいと思います。

手指の動き改善、そして肌つやの改善。美容針にもなっちゃうのかな?

鍼灸による 肌つやの改善

リウマチや膠原病の方、案外多く鍼灸にいらしています。

リウマチはいま、薬の改善がめざましく、本当に素晴らしい発達をしています。

まずちゃんと専門内科にかかって、薬をしっかりと。これがリウマチや膠原病の第一原則ではあります。

それでも、やはりさまざまな不調や、全体的な不調があるので、来院されている方は多いですね。リウマチ、膠原病、喘息などの体調管理にお灸、鍼はやっぱりいいようです(^^)

リウマチの患者さんとの鍼灸治療ビフォアアフター

このところ、とあるリウマチの患者さんと一緒に、鍼灸治療ビフォアアフターを研究しています(^^ゞ。

手の指の動きが、仕事でかなり使うこともあって、滑らかさがなく、重い。3時間ぐらいで休憩しながら、ご自身でお灸しながら対応なさっていると。

とくに、使いすぎによって1度腱断裂をおこしている薬指の動きが悪く、辛いと。

そこで、その腱にそって、すうっと鍼をしました。

リウマチ 八邪 お灸 三叉 鍼 手の痛み

これは八邪穴という経穴から、三叉という考え方の手の甲への鍼の応用です。

三叉の場合は、もう少し深めにガッツリと行くのですが、浅めにすうっと打つのがコツです。

この鍼が本当に効きました。

1本うって、治療後に抜くと、滑らかさが全然違うと。

リウマチ 八邪 お灸 三叉 鍼 手の痛み

そして右手全部の3本打ち、やっぱりすごくいいと両手に。

これだけ効果がある鍼ですが、手の甲にすうっと数㎝。

ううーーん、ビジュアル的には怖いね。私もそう思います。

治療頻度をあげて、見えてきた世界

それが、このところ、治療頻度を週に2回にあげたところ、全体の調子もあがり、

同時に、この手の状態も非常によくなってきました。

身体全体の調子がよいっていうことは、まあ鍼灸の全体治療をやっているとよくいわれますので、これは納得できるところです。

でも、ビジュアル的なビフォアアフターが非常によいのです。

もう、使用前使用後って感じ(^^ゞ

この写真は、患者さんご自身が、治療院での治療前と2時間半後のご自宅での写真です。

撮影場所が違うので、光の加減は違いますが、はっきりと状態がかわっているのが見て取れます。
うーーん、すごい。じぶんでいうのもなんですが、驚きました。

効果は続く、数日後の手の状態

そして昨日。

手の状態を患者さんと二人で、治療後の状態の肌つや、滑らかさをみて、もうビフォアアフターの写真は撮れないですねえとも。つまり、数日たってもこの状態は保っており、再診の今日(6日後)は初めから肌つやがいいんですと。

患者さんが、

『やっぱりすごく肌つやがよくて、継続してるんです。これが顔だったらすごいですよね。なんだか美容針ってためしてみたくなりました』

と。治療効果について、治療前から二人で盛り上がってしまいました。

私は、実は、美容針ってよく患者さんに聞かれるのですが、どうも否定的なイメージをもっていました。まあ、ウチの治療院のコンセプトは『私が受けたい鍼灸』なんで、どうも顔へ鍼をするそのものに、どでかい抵抗感があるので、まあ実際には無理なんでしょうけど。1回の施術であのつやつやが6日間。ううむ、ちょっと魅力かも。

私が顔の鍼が嫌いなのは、鍼灸学校時代にある女の子に実技で出来た顔のアザを、親御さんがクレームをいれていたこと。げっ、納得してやった学校の授業でさえもクレームがくる顔の鍼っていうイメージが私には強すぎて。

わはは。

まあ、顔への鍼は、得意な鍼灸院にお任せするとして、

手の機能改善にオマケのようにくっついてきた肌つやの改善は、鍼灸の世界の面白さを、改めて私に教えてくれました。

やっぱり奥が深い!

八邪穴へのお灸 手にも、足にもありますよ。

八邪穴ってのは、昔からあります。

ちゃんと経穴辞典にものってまする。

動画はこちら→

で、同じ位置で、三叉穴という捉え方をなさっている場合も

あるようですねえ。また効果についてもあれこれ書いてあります。

手の八邪穴を鍼でというアプローチが世の中にはでてくるのですが、
うーーんそれはちょっと。
ただし、リウマチの人の手には非常にいい感じになる場合が多いようで、
私の方がうーんといいながら、そして患者さんもうーんといいながらも、
効果が絶大ではりでやって、予想外に効いたぜっていう話しは色々な
方からでてきます。

前に書かせていただきました(はず(^^ゞ)

はじめは1本だけでしたが、結局患者さんからの

リクエストがあり、全部の指を使っています。

リウマチの方ですが使う人が増えています。
指の動き、滑らかさ、全然違うそうです。
またこの方は手首がかなり硬かったのですが、動くようになっています。

ううむ。

ということで、足の痛みにも応用してこれまたすごく効果的と。

以前は、痛み側にお灸で対応していました。裏内庭的な使い方っていうか
魚の目に対応のお灸的な使い方です。

 

 

この方の足の痛む場所はこちら。

足の八邪 お灸 八邪穴 リウマチ

 

この方の場合、リウマチがベースで、足は母指球から小指球にかけてのところが痛いと。いままでは、その痛むところに透熱灸をしていましたが、今ひとつ。

で、八邪穴か〜と思い、よくみると、甲側が鍼は打ちにくい。

手と違って、指をぐっと握ってもらうことがしにくいし、逆に沿っている感じ。

 

 

 

うううむと思い、お灸を据えてみました。基剤(紫雲膏)をおいての透熱。

そしてこれがぐいっと効きました。

足の八邪 お灸 八邪穴 リウマチ

痛みがないことにくわえ、巡って暖かい感じもでて、なによりも数日の継続という時間軸がいいですねえ。ちょっと手間暇増えちゃうんですが、続けようと思います。

 

 

 

 

 

 

いま、当院でおこなっているお灸はこのように、基剤(紫雲膏)を置いてその上にお灸をしています。昔のような直接皮膚を焼くタイプではありません。じんわり、ほわっとそして効果的なお灸をしています。