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その日暮らしの五臓、生活防衛資金の一源三岐②

人がいきるっていうのを、東洋医学ではごじょごじょと難しい単語を使いますが、

お金の流れで表現してみます。続きです

自転車操業的五臓の発想の中でも腎は余力の積み増し

 五臓は自転車操業といいました。脾胃を中心とし、肝気が気の昇降出入をおこない、肺気が助けます。

そのなかで、腎は少し毛色の違う臓腑ですね。五臓の中で、ほかの4臟を下支えする役割をもちます。土台なんですね。まあ日々を支える生活防衛資金が腎と考えます。

例えば睡眠の時には、気が納まる必要があります。この納まるところが腎。呼吸も納まる必要がある、納まるところが腎です。いろんなものの受け手になっているわけです。

気が納まり睡眠

ここが余力である一源三岐の発想や、奇経八脉の発想につながるポイントの場処となります。

生活防衛資金が貯められたら、余力は投資に回し複利の効果で大きくしていく発想が人生を豊にします。この発想が臍下丹田を充実させる、奇経八脉の充実をといった発送になります。

そもそも、日々が自転車操業では余力の積み増し、貯金や投資なんて無理です。まず生活防衛資金を貯金できる日々にすべきです。

その上で、貯金が生活防衛資金の要件をみたしたら、投資に手を出すべきなのです。

このあたりを、むちゃくちゃに考えるから、日々が自転車操業のまま、貯金の積み増し、投資に手を出すなんて言う、それってムリゲーなことを思っちゃうわけです。

まず、日々の充実! 余力を生活防衛資金レベルで貯める! そのあと投資(生殖)なんです。

 

次世代につなぐ生殖の力を支える腎、その命を注ぎ込む任督衝脈

子宮を支えるのは腎です。
子宮に生命力を注ぎ込むのは、任督衝脈です。
任督衝脈に気血を注ぎ込むのは肝心脾肺の臓腑です。

腎 生命は立ち上る

人間には、生命力の有余を大きく蓄える流れが用意されています。一源三岐と呼ばれる衝脉、任脉、督脉です。この一源三岐の経絡は女性においては直接的に子宮に注ぎ入り、有余の生命力を注ぎ込みます。生殖を支える大いなるエネルギーとなるわけです。

日々をしっかり生きて、毎月投資して、生活防衛資金を貯める。
蓄っていけば複利の法則で伸びていきます。
お金も、身体も、日々を楽しく生きると同時に投資してのばしましょ(^^)

その日暮らしの五臓、生活防衛資金の一源三岐①

人がいきるっていうのを、東洋医学ではごじょごじょと難しい単語を使いますが、

お金の流れで表現してみます。

 

日々が生きて行くには、フローのお金(自転車操業的お金)

人間が日々生きていくには、五臓の働きが必要です。

五臓のありよう

 

日々を生きて行くには、今日のお金が回ればOKです。

江戸っ子じゃ〜宵越しの金はもたねえ!とお金を使い切るのがかっちょいいってのありますよね。

食べて寝て、今日を生きるのには、今日の生きる分だけ食べて寝る。
これだけで充分だったりします。
なんとか、毎日が自転車商業的に回る感じです。

自転車操業(4臟)の日々と、生活防衛資金(腎)

 

投資の世界でよくいわれます。生活防衛資金を残して、投資せよと。

この生活防衛資金は五臓の中では腎です。腎は自転車操業の4臟を下支えする臓腑であり、

生活防衛資金です。

そしてこの、なんとか日々をやり過ごしていく発想に、投資的な発想が一源三岐の発想です。

つまり、五臓の働きの余力を貯金しておくようなスペースとして任脉、督脉、衝脉ほか全て合わせて奇経八脉があるのです。そしてこの投資が複利の効果をもち、生殖をにない、私達の日々のブレをカバーしてくれますし、いざというときの支えとなります。

 

日々を自転車操業的に生きるのが五臓のありよう。その上で生活防衛資金を貯めて、余力をもっていきるためのありようが奇経八脉です。

 

 

 

 

 

 

妊活にはこの余力、投資資金が大事なのです。

日々の自転車操業的な五臓の働きから余力を積み増しし生活防衛資金として腎気の支えを補強し、任督衝という投資によって余力の気血を注ぎ込む。そんな発想が余裕ある身体を作ります。

生活防衛資金がないのに、大きな資本が必要な状況(妊娠)になってしまうと

この、余力であるという発想をもつことが、子宮を中心とする女性の生理、生殖を考えるときのポイントです。

生活防衛資金、つまり生命力に余力があれば、スムーズに生殖のリズムを乗り越えられますが、余力がなければそもそも成り立たなかったり、余力のない中では、本体に大きく負担がかかり課題として残ってしまうことがあります。

余裕のない子宮

余力、生活防衛資金の積み増しの発想が必要なんです。
投資と一緒と考えていただければわかりやすいです。

果物冷える説への疑問

果物冷える説への疑問

食事については、いろいろな思いもあり、本当にコメントは難しい分野だなと

常々思っています。

ですので、当院では、食事のアドバイスを求める人には、

1週間分の食事生活記録を書いてもらってからという大原則があります。

それをみると、その人がこの食事になっている、背景、

食事を中心とした家族との有り様、

現在の忙しさ、食に対する思いなどが

非常によくわかります。

☆食事バランスガイド

そしてそれを踏まえ、原則として、日本人のための食事摂取基準にもとづいた、

食事バランスガイド(厚労省と農水省のサイトにあります)のカウント数を

目安にご自身での自覚をもって、生活食事の改善をしていただいております。

食事バランスガイド 厚生労働省

食事バランスガイド 農林水産省

☆食事生活記録をみて

さて、そんな食事生活記録。本当に何枚見たのかというぐらい、

ファイルで何冊もになっている記録です。

いままで、果物の食べ過ぎという状況はみたことがありません。

食事摂取基準的には手のひら二つ分。

つまりミカンならば2個、リンゴならば半分で1ですから1個で1日分です。

果物って、季節性があります。

たとえば、今年は柿が豊作でしたねえ。

そういうときに、柿の食べ過ぎになって、お腹が冷えて〜という

ことはあります。

ただ、たとえば、甘いものや糖質のような食べ過ぎをみることは

私が記録を拝見している限りはほぼ出くわすことがないのです。

☆果物を食べない人二つのタイプ

そして果物は全く食べていない人がいます。

案外多いですね。

そういった人に、なぜ食べてないの?と伺うと、

答えは二つです。

1)果物を買う習慣がない。

2)果物は冷えると聞いたので、食べないようにしている。

どちらかの答えがほとんど。

1)の方は、そもそも果物は買う習慣がなく、食べることもない。いままでの生活習慣的にそうだったという方。

2)の方は、『冷えるからやめたほうがいい』ということだから、冷えるものはやめてますと。

☆果物を買う習慣がない方へのアドバイス

1)の方の場合は、果物は買おうよ〜とアドバイスします。

スーパーに行くと一番初めにあるよね。冷蔵しなくてもいいし、便利だから買っておこうよ。そして手のひら2つ分食べようよで、まあ話しは終わりです。

そして果物を食べるようになると、確実に健康度はupします。

さすが、食事バランスガイドと思いますし、日本人のための食事摂取基準だなあと

納得。

☆果物は冷やすからという方へのアドバイス。

2)の方の場合は、『果物冷える説』については、棚上げです。

冷えると信じていらっしゃる方は、

その背景がいろいろあります。

また、そういった力強い説をおっしゃる方も存じています。

漢方家、東洋医学系の方からのアドバイスでも、果物は冷えるという話しは

多いですね。

だから、冷やす冷やさないについては、私はノーコメントです。

☆☆果物は冷やすから食べない、それならば代替案を

私から、果物は冷やすから食べないとおっしゃる方へのアドバイスは、

果物で採れる栄養素について、代替案を考えておきましょうということです。

『それじゃあ、果物で採れるはずの栄養を、ほかの食品からとるように心がけてね』

そして、このときに、ミカンやリンゴの食品成分表をお見せしています。

果物を避けるのはご自身の判断だからOKです、でもやめるだけじゃなくて、代替品は考えてねと。

そうすると、これがなかなか高いハードルだとおわかり頂けます。

そして、じゃあ食べようかな〜となる場合が多いです。

食べて冷えるのかというと、冷えないんですよね、別に。

うーんと唸っちゃいますが、そこはもう突っ込まないです。

☆果物冷える説への疑問

私は、この果物冷える説。いまひとつ、わからないです。

先般もそういった講義があり、果物冷えるから控えるようにと言う説明がありましたが、いまひとつ私にはピントきませんでした。

リンゴ1個食べているからその人の食事は冷える食事だと言うお話でしたが、

リンゴ1個というのは、食事バランスガイド的には、手のひら二つ分で

1日分として、過不足のない十分量です。

これで、冷えると言ってしまったら、世の中は冷える食べ物を食べている

人だらけということになりますねえ。

☆食事記録と、お身体を拝見することから思うこと。

食事記録をみていて、体表観察とつきあわせて、冷えるということと、果物の摂取がつながらないと私は思っています。

☆☆液体での摂取は要注意。

一点注意がいるかなと思うのは、液体の形での摂取です。

確かに果物をジュースの形でとっているかたに、食物繊維を含む、まるごとの形で食べていただくと、体調の改善、冷えの改善というのは遭遇するケースが多くあります。

しかしながら、食物繊維も含む形での摂取をして、果物で冷えるという状況をみたことがないのです。(食事バランスガイドの基準量の範囲での話しです)。

☆食事を改善すると、やっぱり健康改善。

また、食事って面白くて、夫婦でいると、ダンナさんのほうが、変わるのが早かったりします。男は素直だ。食事バランスガイドに従って、主菜が増え、果物などを摂取ということを始めると、風邪を引かないとか、疲労感が減るなどの変化が、あります。果物も、バランスガイドの量を食べて、返って体調悪化というのは、私が見る限り遭遇していないのです。

食べ物は個別具体的に、人によって食べられるものが違うのはよく理解できます。

ただこの根強い果物冷える説、今ひとつ、私が見ている、食事生活記録をベースにしている分には、あてはまる事例に遭遇したことがないんです。こういったことって、どこか原点的なものとか、論文的なものってあるのでしょうか?。なんか、いつもわからんなーってな感じです。

足底の痛みのツボの取り方

足の八邪のお灸 腱を狙う

このところ、足のつぼのとりかたのお話をしています。
お灸って、いわゆる『ここが効く!』っていう本や情報ってわんさかあると思います。

それが案外効かないんですよね(^_^;)。

サクサク効けば苦労はないって。
なぜ効かないは、さまざまな理由がありますが、ちょっとしたツボの取り方で
効き方が全く違うってのがあるのです。

この足の甲、裏のお灸はあれこれとあって、取穴に注意を払うとこんなにひろく効き方、
効かせ方のコツがあるんだなあとビックリしています。

さてさて、話しをすすめましょう(^^)

 

足底のツボ(アプローチする場処)の決め方

さて、足底の痛みに、

1:足底側からお灸するよりも甲からした方が効果的

2:足の八邪の取穴をおこない目安とし、遠位、近位で効果比べるー組み合わせるとよい

3:足の八邪の取穴を、腱の動きからイメージしてやってみる→動きが滑らか

こんな結論がいまのところでています。

足のお灸は、足底つまり、足裏側からすることが有名で、私も足底からのアプローチばかりがお灸のイメージでしたが、甲側も使って診ると効果的ですごくおもしろいです。

 

足底の痛みのそもそも論

そもそも、足底の痛みは、腱がつるようになって、MP関節部が沈みがちになり、足底に痛みが生じています。つるようになっているのは、アキレス腱側も認められますが(アキレス腱が短縮気味で背屈を促してしまっている)、足の甲側の腱も伸ばされて突っ張っているようです。

 

そこで、この腱に注目して施灸をしてみました。

いままでは、骨の間のツボなのですが、今回は腱の上です。

すると、痛みに対する効果としてはいままでの八邪的骨間取穴とさほどかわらないという感想ですが、足のグーパーする(足ってぐーぱーするのか?と聞いてて疑問でしたが)感じが滑らかで、動きが滑らかな感じで動きやすいと。

うーん、腱の方がよさげな感じがしますねえ。これは、持ちの長さとの兼ね合いもありますが、取穴の時の工夫の余地がありそうです。

ツボを取るとき(取穴)のときのコツ

取穴の時に、観察していると、骨間ってのは冷えがでたり、空きが大きかったりと、ツボとして取穴したくなります。腱の状態もそれにくわえてみると、症状に対してのアプローチの幅が増える気がします。

写真は、腱の取穴の時に、関節を動かして腱の確認をしているところです。

関節の動きに沿って腱は自分の想像とはかなり違う走行をしていることがあり、

『あーーそうなのね』とガッテンボタンを押したりしながら観察しています。

物忘れやボケないための鍼灸治療ってあるのかな?

物忘れやボケへの鍼灸治療はあるのか?

物忘れや、ボケは人生の大きな課題ですね。

対策を鍼灸で考えるということは古来あれこれなされています。

頭の天辺にある百会のツボなどへの刺激は、有名ですね。

まあ、頭に直接お灸をするということは、刺激がぐいっと入りそうで

人気のあるお灸の一つです。

大学病院在籍中の思いで:醒脳開竅法での鍼灸

むかし、東海大学大磯病院の東洋医学科に在籍中、中国から紹介された鍼法が多くなされているようでした。

醒脳開竅方などもそのひとつ。私がいた当時はこの鍼を積極的におこなっていました。
脳疾患に対して、鍼治療による刺激で、回復させようという取り組みです。効果があるという論文もあるようですね。

使用経穴について

アプローチする人中、内関、三陰交、極泉、尺沢、委 中 、風池 完骨 翳風 、丘墟→照海 (GB 40) (KI 6) への透刺などです。

人中などは、鼻の下ですし、全体に鍼そのものの、刺激が強く、これは科なり特別な状況での刺鍼法であると認識しました。

ただ、使用経穴は、人中はさておき、尺沢(LU5)や、内関(PC6)など、一般治療でも常用経穴です。

三焦鍼法について

また、中国の天津中医薬大学の韓景献教授チームがとりくむ、「三焦気化失調ー老化相関論」にもとづく、三焦針法。

こちらは実際のやり方はみたことはありませんが、考え方として、「三焦の気を動かし、三焦の血を整え、後天の本を助け、先天の元を培う」というベースは納得できるものがあります。

鍼のやり方指示をみると、やはり打ってからの刺激が強いのですが(^0^;)、膻中(CV17)、中脘、機械、外関(TE5)、足三里(ST36)、血海(SP10)とでている経穴がスタンダードで、私もよく使います。ただ、私だとお灸が多くなるなあと言う感じです。

 

東洋医学で使うスタンダードな経穴

いろいろな鍼灸治療法や、考え方をみていくと、それぞれ特徴があるのは理解できますが、

結局使っているのは、あたりまえで、スタンダードな経穴(ツボ)だったりします。

なんか、妙に納得しちゃうんですよね>自分としては。

そんなに特別なことなんてないんだ。人間の身体、スタンダードな経穴を、無理のない刺激で使っていくというあたりまえのことが、結局、一番必要で、一番聞くんだなって思います。

そのあたりまえをコツコツ積み重ねることが一番大事なのかなと。