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食事制限という言葉ー②

食事制限という言葉ー②

現在の自分自身の食事の状況を知ろう

食事の話が出ると、「あの食べ物がよい」とか、「炭水化物は制限しよう」とか、

一般論のよいもの、よくないものの話しがでて、
そのままご自身の食生活を変えてしまうことが良くあると思います。

私は、その前に、まずご自身の現在の食事状況はどうなっているのかを知るこれが一番大事だと思います。

家計管理で言えば、自分の懐事情を無視した改革

 

現在の生活、食事の状況を踏まえるという視点は、なんらかの食事の変容をする場合には押さえておいた方がよいかと思います。現状をしらずして、なにをしたらいいのかという質問は成り立ちません。

投資やお金のことに例えて考えるとわかりやすいです。

  • ・何かあったときのために、三ヶ月分の生活余剰資金を貯める。
  • ・日々の生活でかかるお金をチェックする。
  • ・どのように日々の生活に使いたいのか考える
  • ・どのように、大きなイベントに対応するのか考える。
  • ・将来の備えを考える。

こんなことを考えるときに、現状の手持ち資金の状態をしらずしては成り立ち得ないと思います。

体力がギリギリ(つまり生活余剰資金がない)のに、胃腸に大きな負荷のかかる食事をしてしまえば、今までの食事でやっとなりたっていた体力が削られ、負担となってしまうかも知れませんし、ご自身の身体の状態に必要な食事、体力の使い方を考えた上で、次の一手をかんがえたいですよね。

そのタンパク質摂取源はあなたの命綱ではないですか?

牛乳や肉などタンパク質の制限を指導されているケースが多いのですが、

そのタンパク質摂取がその方の命綱になっている場合もありますね。

肉や魚が嫌いな方で、牛乳は飲めていた方が、「牛乳はダメだよ」という情報で牛乳や乳製品をやめてしまい、ご本人もなんだか疲れやすくてと困っている方がいらっしゃりました。

「牛乳はダメ」という情報に関して私はコメントするところはありません。

思想信条にかかわったり、ご本人が信じるに足りる情報をもっていらっしゃるのかなと理解します。

その上で、目の前にいらっしゃる、この方の生活食事記録全体をみると、牛乳はこの方の数少ないタンパク質の摂取源となっていたのは明確で、それを代替案なく外してしまったので、疲れやすくて困るということになったのかなと私は思いました。

その後、ご本人に、牛乳についての過否はひとまずおいておいて、今まで飲んでいた牛乳を再度のんでみて、ご自身の体調をチェックしてみませんかと提案し、ご本人が「牛乳を飲んだ方が身体に力が出る感じがする」ということで、飲むことを継続、いままで食べないでいたタンパク質の種類を少しづつ増やしましょうかということからはじまりました。

「制限」から入るメリットもあるかとは思います。しかしながら、制限から入るリスクも考えたいですね。

制限をするならば、ご自身の食事全体を考えること、食事記録をつけてみることを踏まえた上で、代替案を考えることが大切だと思います。

 

食事制限という言葉に引っかかり、シリーズで書きます!−①

食事制限という言葉−1)

食事制限という言葉と、認知行動療法に取り組む中で改めて出会い、少しまとめて考えてみました。

考えているウチに、いつもの通り、かなり長くなってしまったので(^^ゞ少しシリーズ化して、自分の思いを書いていこうと思います。

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ときに、食事に対する質問をよくいただきます。

そして「こんな食事制限をしています」とか、「こんなものは食べない方がいい」などの話しもよく伺います。

「制限」という言葉から考える食事への疑問

この質問の背景には、さまざまな健康情報や食事療法が世の中にあふれていることがあります。

たとえば:

  • 🌿「小麦は食べてはいけない」
  • 🍩「砂糖はやめよう」
  • 🍖「効率的に動物性の加工肉は避けるべき」

といった情報や指導から実行なさったり、取り入れようという方も多いと思います。

しかし,それらの制限が本当にご自身の健康に良いのかどうかの個人の体質や生活習慣による部分も大きく、一概に良し悪しを決めることはとても難しいと感じます。

肉や卵をやめていますという方に、

「じゃあどうやってタンパク質は摂取しているの?」と伺うと、

「豆腐食べてます!」とおっしゃる方とか案外多いですね。

豆腐、油揚げ····

それだけにタンパク質摂取を頼ってしまう食事って、かえって歪んでないのかなあと

思ったりはします。
が、ご本人の選択ですので、基本的にOKだという認識です。
なぜならば、その食事がご本人の健康に貢献している可能性も否定はできないからです。それぐらい食事の選択って難しいと感じます。

食事に対する、考え方は尊重します。

私は、小麦はダメとか、砂糖はやめた方が良い、加工肉はやめよう、肉や卵、牛乳は食べませんというお考えそのものは、その方が選んでいるのであれば、基本的に尊重します。

その制限そのものの良否については、コメントする立場にはないです。

その制限が正しいのか、間違っているのか。この観点でのコメントは
私にはできないと認識しています。

なぜならば、「制限」も良否、とくに個人における良否は、かなり難しい問題で、
私には判断しかねる課題だからです。

逆を言えば、食べても健康な人もいらっしゃいますし、

強くアレルギーがでるかたもいらっしゃります。

食事に関する制限そのものは、一般論としては私はコメントできる立場にはないということです。

個別のご相談であれば、私はこういう考えですといった立場からコメントさせていただきますが、基本的に食事に何を選ぶのが正しいのか、何を制限するのが正しいのかということについては、私にはコメントし得ないなと思っています。

「制限」という言葉は、実行しやすい。

食事は、「制限」という言葉で表現すると、実行しやすいだろうなという認識はあります。

つまり、

「砂糖は食べない」という制限は、提示しやすいですね、

また、実行者もチェックしやすいです。

制限という言葉は実行しやすい、だって二択だもん

なぜならば制限という言葉には、制限を守るか破るかの二択で、制限を指示して実行しようという状況ならば、砂糖を食べてしまったら「制限を守れなかった」「制限を破ってしまった」という思考になってしまいます。かなり考える範囲が小さいです。

砂糖だけならばいいのですが、「制限」を考える人は、次々制限の品目を増やしがちです。その制限を守ること、ストイックな状況に達成感、安心感がでるのかなと思ったりします。

ただ、この制限の結果、
·食事の選択肢が少なくなり、
·道が狭くなり、
·行動の範囲が狭くなり、
·社会で生きていく関係性が難しくなる

そんな場合もご相談をお受けしていると散見します。

続きは②へ〜待っててね(^^)

ビタミンDは不思議なホルモン

ビタミンDのことが最近話題で、ご質問をうけますので、ここでも少しお話しさせてください。

ビタミンDは、不思議なホルモンです。私達がお日様をあびると、皮下で合成されます。まるで植物みたいですね。そして、不足していれば食べ物から補うこともできます。

最近、紫外線をガッツリ避けようという流れですが、ある程度は紫外線の力もかりる
必要があるということです。

そういえば、35年ほど前の母子手帳に赤ちゃんの日光浴のことが載っていました。

☆なにごとも、ほどほどに>ビタミンDの摂取について

お日様に浴びること、食事から摂取すること。

このふたつのビタミンDの摂取は、ほどほどであるのが重要なようです。

紫外線を浴び過ぎれば皮膚にシミができたり、皮膚がんの原因になるといった害も気になります。

また、ビタミンDは脂溶性ビタミン、多く食べ過ぎれば、過剰摂取のための病気になる

危険性もあります。

☆ビタミンDの役割について、東洋医学の《腎気》とのかかわり

役割としては

・カルシウムの吸収促進、

・骨の成長促進、

・血中カルシウム濃度を調節する重要な役割

とあり、健康な骨を維持するために欠かせない、脂溶性(油に溶けるタイプ)のビタミンです。

またビタミンDには、免疫機能を調整する働きもあるとされています。

この、骨と関係するというあたりで、東洋医学でいうところの生命の余力、

腎のカテゴリーとの重なりが感じられ、その腎に支えられる女子胞(子宮)の力にも

直接影響がありそうで、妊活で注目されるのもよく理解できます。

ただし、医療というよりは、生活習慣改善の範疇ですね。

☆健康であるために、日常生活、食事について

健康であるために、また妊娠をめざす上での、ビタミンD、カルシウム、鉄分、葉酸などの摂取は大切であり、適度に日光に当たり、バランス良い食生活をしていきたいですね。

最近、私が心がけているのは、ω(オメガ)-3の油です。

魚油に含まれているDHAやEPA、エゴマや亜麻種子などの植物油に含まれているα-リノレン酸などの脂肪酸の総称です。

☆ω(オメガ)-3の油の効果

これは必須脂肪酸(健康のため接種しましょう!)として位置づけられています。

効果としては

・ 血流改善やコレステロール値の低下、

・アレルギー抑制など幅広い効果

このω3の摂取のために、サバ、イワシ、サンマを食べると、ビタミンDも摂れるので一石二鳥です。

鯖缶、納豆、玉ねぎでいっちゃいましょう!

 

☆佐々木敏先生のビタミンDのお話

 

さて、私の大好きな佐々木敏先生のビタミンDのお話。

私達はビタミンDの80%を魚からとっているそうです。

北の海でとれる、油の多い魚がいいんですねえ。

サケに軍配があがりそうですね(^^)

佐々木先生お勧めならば、サケを食べちゃうぞ〜

ビタミンDの含む食品

https://info.ucoop.coop/shoku_de_kenkou/column/bitamin/?id=column-20

 

その4~「果物の糖分を考える」~『栄養データーを正しく知ろう』から

その4~「果物の糖分を考える」~『栄養データーを正しく知ろう』から

果物は果糖があるから、体重や血糖値を気にする人は取らないようにした方がよいとも言われますが本当でしょうか?

佐々木先生がまず、糖を理解しましょうということで単糖のお話しをされました。

糖:ブドウ糖、果糖、ガラクトース この3つは単糖と言われる。

砂糖は、ブドウ糖1個と果糖1個が結びついたモノ。
糖を食べると血糖があがる。この場合の血糖をあげるものはブドウ糖に限定される。

果糖は、食べるとブドウ糖に変換されて血糖値をあげる。しかしながら、ブドウ糖そのものよりも血糖値をあげる作用は弱い。

そして、果物のなかには、果糖以外にもカリウム、食物繊維なども入っているので、果糖の性質だけで健康に対する影響をのべるには難しい。

そうか、果糖ということだけ取り出して考えることは難しいということですね。
では、研究データーから考えてみましょう。

糖尿病にかかっている患者さん60人。2つのグループに分ける。
1:果物を食べる 320㌘
2:果物食べない 135㌘

3ヶ月間摂取、ヘモグロビンA1c を調査。3ヶ月後の変化。
1:0.5%改善
2:0.3%改善

両方のグループともやや改善、二つのグループには差はない。
つまり、果糖の影響が直接的に血糖に影響するというよりも、果物は食物繊維も含まれているので直接的に影響が少ないということがいえると。ただし、ヘモグロビンA1cの影響は個人差が多いので、医者に相談してくださいねとのことです。納得。

そして、健康な人の場合は果物を1日250㌘までの摂取は糖尿病のリスクが下がるという研究データーがあるとのこと。日本人は平均的な果物摂取量は110㌘なので、いまの2倍ぐらいは食べた方がよいと思われることでした。

確かに、確かに。
果物は果糖だということだけ取り出してやめてしまうのは、あまりにも短絡的でもったいないと。

ところで、
果物というのは、食べる習慣がないかたは全く食べませんねえ。
当院では食事のことを質問なさる方には、必ず食事記録を出していただいています。
食事って、その人が気にしていることよりも、『気になっていないこと』のほうに改善ポイントが隠れているんですよ。

果物もしかりです。
食べる人は毎日食べる、でも食べない人は食べない。
話しをきいてみると、ただ単に、買う習慣がなく、買わない、買わない、食べないという
ことに気がつきました。
習慣ってなかなか怖いです。
果物は常温でも保管ができ、スーパーなどでは入り口にありますよね。
とにかくなんでもいいから買いましょう!
そして毎日手のひら2つ分はたべましょうね。

食事バランスガイド→

では、100%のジュースは果物の代わりになるのでしょうか?

100%の果物ジュースの場合は、ジュースを飲むと糖尿病が増えるという結論です。日本の場合は1杯までは増えるとも減るともいえない。他のデータでも、増えるとも減るともいえない。つまり、ジュースは食物繊維がないので、メリットを享受できていないってことですね。

果物は、そのままを食べましょう。
先ず敷居が低いバナナあたりから。
リンゴもいいし、みかんもいい。
とにかく買う習慣、食べる習慣からですね。

食べ物にはいろいろな情報がありますね。

果物は、身体を冷やすとか、果糖がよくないとか。
私は体表観察をし、いろいろな身体に対する東洋医学的なカウンセリングをしていますが、
食事バランスガイドに従ってたべていただくことが、結局一番健康度が高いと、皆さんのお身体を拝見していて思います。

そして、もし、ご自身のお考えで何かをやめるという決断をするのならば、代替はなにでするのかということも必ず考えてほしいです。

果物をやめるのもいいでしょう。でも、それによって得られたであろうビタミン、ミネラルなどを
他の手段で取ることを考えなければ、単なる欠落になっちゃいますね。このあたりまで考えると、
まあ、とりあえずミカン食べといた方がいっかとなる方が多かったです。

 

 

その3「全粒穀物の健康効果」~『栄養データーを正しく知ろう』から

その3「全粒穀物の健康効果」~『栄養データーを正しく知ろう』から

さて、その3です。

☆「全粒穀物の健康効果」は、玄米がいいってだけ?

玄米65㌘を毎日摂取すると、循環器疾患が2割減、2型糖尿病が3割減、がんが1割減というデーターがあるそうです。

これはかなり根拠のしっかりしたデーターですねえ。65㌘とはお茶碗軽く一杯です。

ただし、これもやはり組み合わせの問題があるようですね。

玄米を食べる人は健康志向が高い→全体の食事がよいという調査があるそうです。

 

つまり、玄米を食べている人は、魚、果物が多く、食物繊維、ビタミンB1、カリウム、マグネシウム、鉄、ミネラルを多く含む玄米との組み合わせで、健康効果がより高まっているのではないかという可能性です。

玄米は身体に良い。
そして玄米を選ぶ人の食事も身体によいということですね。ふむふむ。

 

☆健康意識の高さから選ぶものが健康度をあげる

健康度をあげるのならば、玄米を食べてるから、あとはフライドポテトにコーラでいいってことにはならないわけです。

そして、こう書いていて、玄米にフライドポテトってあわないなと思います。

玄米を選ぶような人ならば、それに味噌汁をつけ、焼き魚をつける。
焼き茄子に、ほうれん草のおしたし。

うーん、健康度あがりそう(^^ゞ。

フライドポテトだったら、コーラーにハンバーガーという感じで、健康度さがりそう。

結局、単品で良否をいうことは難しくて、全体なんだなあ。

 

ロハスメディカルという雑誌があります。
情報量が多く、またとても有益です。
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その中で大西睦子先生が食についての連載をしていらっしゃるのですが、これがなかなか面白く、私は大西先生のファンです。全粒穀物を・・という話もあった記憶があるのですが、著書としては出てきませんでした。残念。大西先生の本ではこちらが有名ですね。紹介しておきますねえ。