東洋医学から見た人間観察」カテゴリーアーカイブ

カゼに漢方葛根湯って言葉がありますねえ。

カゼに漢方葛根湯という言葉、聞いたことがあるかたも多いのではないでしょうか?
私も、葛根湯の顆粒、持ち歩きのポーチにいれていつでもさっと飲めるようにしてあります。

葛根湯は、葛根湯はhttps://www.tsumura.co.jp/kampo/list/detail/001.htmlここでも
解説してあるとおり、カゼとしては有名な薬。
胃腸をあっためて発汗を促し、項や背中の緊張をゆるめ、結果的にカゼが治るという感じです。

葛根、大棗、麻黄、甘草、桂皮 しゃくやく、生姜。

よーくみると、葛湯に生姜とナツメをいれて、それにちょっと発汗を促す麻黄と筋肉をゆるめる芍薬が
入っているのかと理解できるようなかんじですね。

大棗はなつめ、滋養強壮、利尿、痙攣をゆるめたり鎮静作用があったり。つまり緊張による痛みや
辛さを緩和してくれるかんじ。

葛根はくず。葛湯でも使われますね。つまり胃腸を温めるということが主なんです。
暖めて発汗させて、表にとりついた寒邪をぷるぷるプルって払うわけです。
私だったら、うっと思ったらサクッと飲みます。
で、これで効かなかったらこれ以上は深追いはしません。
寒邪がいるいちがもっと深ければ、もう効かないし、
葛根湯で解決できる問題じゃないのかなって考えます。

逆に、カゼかな?という状況ではなくても、後頭部を中心とした頭痛や
肩こりに使うこともあります。
胃腸を暖めて軽く発汗させて筋肉のこわばりを緩める目的で使うわけです。

まあ、麻黄が入っている解表剤ですから、なんども、ナンドも使うと
内側がひからびちゃうよーというところです。

また、葛根湯は、桂枝湯+麻黄+葛根とも言えます。
桂枝湯はさむけ,微熱,頭痛,のぼせ,体力虚弱な人のかぜのひきはじめなどといわれますが、
結局、葛根湯は桂枝湯にがつっと発汗させて取り去る麻黄と葛根をいれているということで
この桂枝湯が穏やかに胃腸をあたため身体を健やかにさせようというメインとなるわけです。

この桂枝湯は、シナモンの良い香り(けいし)、筋肉を緩める芍薬、美味しいナツメ、
甘い甘草、生姜が入った野菜スープなんですよね。

この野菜スープをより強力にしたのが麻黄湯や葛根湯という感じですね。

やってきたこと、やっていきたいこと。

やってきたこと、やっていきたいこと。

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

今年はねずみ年、ぴかちゅ!の年です。
楽しい一年となりそうですねえ〜わくわく。

さて、ずっと鍼灸院をさせていただいております。
ときどき、『どっかを押せばずばっと治るツボありませんか?』と患者さんに聞かれます。
鍼灸歴も長くなってきて、後輩にもあれこれと聞かれることも多くなってきたのですが、
その中にも、この手のぱっとやってぱっと治る事を求める質問を多く頂きます。

確かに、私自身、1回の治療で症状を改善できるような状況にあるときには、そのようにすることも
ありますし、みなさんの貴重なお時間を使ってきて頂いているのですから、最大限の効果を考えながら
治療を組み立てているのはいうまでもありません。

しかしながら、人にとって一番大事なポイントはどこなのか? どうやっていくことなのかという
事が本当は一番大切です。

私は、『人を診る』ことが自分のテーマです。鍼灸とか東洋医学とかあまり関係なく、人を診るのが
凄く面白い。で、その人を診るための手段としての東洋医学的な手法(四診とか弁証論治)は
使い勝手がよく人間理解がしやすく、『人を診る』ことがより楽しくなります。

一発で治る鍼灸も、上記『人を診る』ために使った弁証論治があれば、この人にとって
人生を歩んでいく上で何が必要なのかもわかります。今回の治療だけではなく、あなた自身にとって
一番必要なモノはどういったことなのかを一緒に考え、提示させて頂きたいと思っています。
まあ患者さんが納得してくれるかどうか別ですが(^_^;)

この人間に対する理解がなければ、鍼灸の方向性もないと私は思っています。だから私自身の興味もあり、鍼灸の方向性を決めるこのやり方がベストだと思います。

その上で。遠隔診の研究も続けていきます。この観点は今後も自分の臨床の力をあげ、
いままで漠然と使っていた開・合・枢理論や子午などがシステマチックに
使えるようにしていきたいと思っています。
バラバラだったホモログの考え方もあわせて、重ね、一体としてみるときに空間的なイメージを使えます。
これはオモシロい!。

この遠隔鍼の私が今のところ感じる欠点は、それぞれがバラバラで、
説明のための説明をしすぎている点と、特効穴的なところに頼りすぎているところ。
これは『人を診る』という観点からの弁証論治的な見方をベースにすることで
この問題点を十分補えるという実感があります。(っていうか、生命観を用いて全身的にみる
発想をベースにしないと遠隔診は逆により難しいって気がします)

やっぱり、一番は『人を診る』こと、ここが大きなポイントです。
人を診るということをしておけば提示できるアドバイスも広がります。
症状をみるのではなく、『人を診る』です。
人生が楽しく、充実したものでありますように(^^)

今年もよろしくお願いします(*^^*)

相談員をしてきて。筋腫との付き合いに思う

先日、子宮筋腫のお悩みの方とあれこれお話しをしました。
保存的な付き合いになれという見通しがついているケースは
針灸治療も大きな助けになると思います(^^)

それはさておき、子宮筋腫患者の会で相談ボランティアをながらくしていました。
この会での立ち位置は、あくまでも『子宮筋腫の患者』だった自分が中心です。
会報に出した体験談があるので、自分の書き物用にまとめなおして仕上てもいいかなとは
思うのですが、なかなかこの筋腫との付き合いはやっかいな面もありますね。

筋腫を考えるときにやはり妊娠というのは、ひっかかる項目になります。

漠然と、妊娠という言葉に戸惑いを感じる方も多いのかな。
月経があるということは、身体は妊娠し、子供を産むということを
前提に動いています。

でも、自分の人生で ”今じゃない” ということを感じる方も多いでしょう。

不妊治療をどっぷりやっていると、もっと広い『啓蒙』がとても必要だと
痛感します。

筋腫は年齢要因で悪化する面もありますが、逆に閉経逃げ込みということも考えられます。

妊娠は年齢が高くなれば、妊娠しないこともある意味『自然の流れ』の
なかの出来事ともいえますし、閉経逃げ込みもそのなかにあります。

現代の日本人はそれを棚上げにしているようなところがありますね。

女性には、妊娠しやすい人と、妊娠しにくい人がいます。
この差は、何ら原因があるという状況ではなくても、大きいものがあります。

個人の人生の意味
社会の価値

こんなところから、問われる問題かもしれません。

子供をもつ、持たないといことは、人生の1番力がある時期である20代、30代に決めることになります。このときの価値観だけで決められる課題なのかとも感じますが、決めなければならないですね。

私は、とある子宮筋腫患者の会で相談のボランティアなどもしていましたが、
迷う人が多いんだなあと実感です。

迷い、迷い。それでも地球は回っている?のかな(^^)。

0001 頭痛、目の奥の痛み、妊娠、出産症例

2019年にいただいた年賀状。
3人のお子さんに囲まれた賑やかな年賀状でした。

初診でいらしてくださったのはもう10年前になるのでしょうか?
流産してからの体調悪化で、「妊娠したいけれど、妊娠どころじゃない」という感じで
ご自身の、頭痛や疲労感でいっぱいでした。

治療の手を入れて、体調が回復なさり、だんだん痛み止めなどの薬の服用も減り、
徐々に体調がよくなるなかで自然と妊娠され、ひとり、ふたりとの出産。

ご自身の体調と向かい合っての長いお時間だと思います。

目の奥の痛みは、頭痛の中でも、「腎虚頭痛」と考えて良いケースが多いです。
つまり生命力そのものが弱り、目という身体の上部で気血が集まり機能を果たす場を
養い続けることが難しくなっている状況なのです。

治療の大きな山は週に二回の治療で約一ヶ月の8診ぐらいで目処がついてきました。

ちょっと書き出してみましょう
初診から週に二回で治療
…1)初診
1)関元(10)ミニ灸(右太巨、右大赫)、右外関+ミニ灸、足三里、復溜灸頭鍼+ミニ灸
2)肺兪(7)
3)(腎兪、左三焦兪)+ミニ灸、中膂兪+ミニ灸 ミニ灸(左絶骨、申脈)

…2)2診
初診治療当日とても疲れてだるかった
翌日起きたら頭が締め付けられるような頭痛がして、夕方すっとよくなった

…3)3診
2診治療後、楽に過ごせた
治療同じ

…4)4診
生理前の痛みがない、生理がきてから左目の奥、左肩の痛み

1)関元ミニ灸(右太巨、右大赫)、左(合谷ー外関)+ミニ灸、右曲池ミニ灸、中注(7)
左目窓、足三里ー左三陰交(灸頭鍼+ミニ灸)、左公孫+ミニ灸
2)肺兪(7)
3)(左胃兪、三焦兪)+ミニ灸、中膂兪+ミニ灸 天中 ミニ灸申脈

…8診ほど経過して
体調がよく、生理前の不調がない。両親も喜んでくれている
この一ヶ月痛み止めを飲んでいなかった。

特別なことはしていませんねえ。
スタンダードな感じで身体の手入れをしていき、無事な経過になった症例でした

症例:http://1gen.jp/1GEN/BENSYO/2007-B1.HTM

 

 

脚気の歴史:栄養の歴史から③

脚気の歴史、病気の原因を知る難しさ

脚気は古くからある病気です。日本書紀にも記述がありますし、江戸煩いといわれた時期もあります。つまり都会に出て食生活が変わると出現する病という認識です。

明治時代になって、軍隊という集団生活の中で非常に大きな発病をみました。ここから脚気の原因に対する試行錯誤が始まります。

外国の軍隊では脚気が起こりにくいということから、食事を和食から洋食に変えて発生を抑えることに成功した海軍の軍医高木兼寛は食事によって脚気の発生を抑えることに成功しましたが、明治政府が導入したドイツ医学を学んだ石黒忠應や森林太郎らは細菌感染説や中毒説を唱え、長く対立しました。

長い変遷を経て脚気の原因は「ビタミンB欠乏症を主因として起こる」という結論が出ましたが、栄養欠乏症であることにたどり着くまでは長い時間がかかっています。

脚気の症状は、倦怠感、下肢のしびれ感、腓腹筋の痛み、頭重感、食慾不振、便秘、むくみなど。循環器症状として、下肢や顔面のむくみ、頻脈、心臓の肥大、心不全、神経症状として、対照的な可氏症状、運動障害性の多発性神経炎。大きく乾式脚気、湿式脚気にわかれる。

江戸わずらいといわれたころ、大名が江戸にやってきて白米食を食べると疾患に悩まされ、国元に帰ると大部分が短時間のうちにすっかり治ると言うこともわかっていました。

明治時代には脚気が大流行し、結核とともに二代国民病として畏れられていました。

軍隊という、同じ生活、同じ食事の中での大量発生があったために、脚気の研究はぐっとすすみました。
外国の軍隊では脚気がおこりにくいということから、食生活の西洋との比較をおこない、海軍では麦飯によって脚気の発生を抑えることに成功しました。

しかしながら、陸軍においては平時には麦飯を採用するにも、兵事には中枢部からの命令で白米にしていたことから、脚気が流行してしまっています。

栄養学としては、食品の性部分分析から三大栄養素(糖質、脂質、タンパク質)の科学的解明がすすみ、さらに無機成分やそれ以外の成分があることも解明されていきます。ビタミンB1研究には1884年(明治17年)に高木兼廣が脚気の発症に食事が関与することを発見してから、明治43年には鈴木梅太郎が米糠より杭脚気因子を単離、昭和4年エイクマンが杭神経炎ビタミンの発見でノーベル賞、昭和4年ホプキンスが成長促進ビタミンの発見でノーベル賞という流れです。

このビタミンの発見が、「欠乏症」の概念を広く受け入れさせることに繋がっていきました。

微量の栄養素による欠乏が大きな病を招いていたということに気がつき、対処できるまでになるのに、こんなに長い試行錯誤の歴史があることに大きな感慨を持ちました。

病因を探るというのは本当に難しいことなんですねえ。

私は目の前の患者さんを拝見するときに、思い込みを排除し、診たままを理解し、単純に決めつけて評価することがないように、わからないものはわからないとして置いておくという原則的な態度を貫いていこうと心を新たにしました。

Amazonの箱が大好きな月見姫です。かわゆす(^^)