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良好胚を何度移植しても妊娠出来ません、どうしたらいいでしょうか?【case:0331】

不妊治療は様々な要因で前に進まないことがありますね。

30代半ばの女性、体外受精にステップアップ。
1度の採卵で数多くの卵ができ、胚盤胞も多く凍結ができています。

しかしながら、なかなか結果がでず、すべて妊娠反応が出なかったということで
どうしたらいいのか道に迷ってしまってのご相談でした。

この症例の患者さんからのアンケート

☆ご相談:早く妊娠したいです。体外受精をしていますが、一度も妊娠反応がでません、どうしたらいいでしょうか?

 

早く妊娠したいと思っています。
体外受精に進み、9個採卵出来、良好胚が胚盤胞で凍結できました。
もうすでに4個移植しましたが、一度も着床したことがありません。
どうしたら着床、妊娠、出産できるのでしょうか?

 

☆ご相談にお答えして

妊娠出来る可能性の高い胚盤胞を何度も移植しているのに、
一度も妊娠反応がでたことがないのですね。
それはとても辛いですね。一緒に考えていきましょう。

まず、卵の状態はよいようですね。年齢的にも35才の卵であれば、大きな問題はないのではないかと思います。まあ、このあたりは確率の問題なのでなんともいえないところですが、現段階では卵側の要因は除外してよいと思います。

一度も着床していないということから、着床障害の問題を考えるべきかと思います。
様々な検査がありますが、お勧めするのは血流問題の課題解決と、子宮内膜炎の問題でしょうか。

血流は血の巡り。今お身体を拝見していて
・ストレスによる気の停滞
・上焦(身体の上部)での心熱
・胃腸の力の弱さ

ストレスによる気血の阻滞が身体の上部では肩こりなどになり、中部、下部ではオ血内湿という不要な物の排泄が上手く行かないという状態になっているのかと思います。そしてこの状態が妊娠に大事な子宮(女子胞)の力、そして子宮(女子胞)の力の支えとなる腎気を落としています。

良好胚が出来ると言うことは、それなりに妊娠する力があなたにはあるということです。
ストレスを溜め込まず、気血の巡りをよくし、妊娠へ一歩前に進みましょう。

また血流という点で、足先の冷たさは少しきついと思います。これは不育症である血液凝固系の亢進という状態に該当する可能性を感じますので、不育症のクリニックに着床障害の問題で検査を受けてみるのもよいかと思います。がんばっていきましょう。

・弁証 腎虚肝鬱 心熱オ血
・論治 益気補腎 疏肝理気

☆☆妊娠へむけての具体的なアドバイス

1)ストレスをコントロールし、気血の巡りをよくするためにも、
鍼灸治療と自宅でのセルフケアお灸をしていきましょう

2)血の巡りをよくする、ビタミンACEの摂取を心がけましょう。

3)足の交代温冷浴をしましょう。

4)胚移植をしてから、着床、妊娠判定、2回目の心拍確認ができ、妊娠10週を越えるところまでは、しっかりと鍼灸治療を週に3回程度いれて、赤ちゃんの袋に血流が届き、充分大きな胎盤が出来るようにしていきましょう

☆治療経過、着床、妊娠、出産へ

不妊鍼灸治療開始
移植周期スタート
胚盤胞移植→妊娠せず。
今までと違い、内膜は厚くなっているといわれたが、結局妊娠出来なかった。
→アドバイス、不育症クリニックを受診して着床障害の検査をお勧めする。
→着床障害の判定と、子宮内膜炎の指摘があった。抗生剤を飲んでラクトフェリンを摂取

移植周期スタート
胚盤胞移植→妊娠 少し動くと出血がある。
出血はあるものの、妊娠している。その後も少し動くと出血や茶オリはあるものの、鍼灸とアスピリンは継続

39週にて、無事に3000㌘越えのベビちゃんを出産。おめでとうございます。

☆あとがき

長い道のりでしたね。しっかりと前に進まれてたくましいお母さんになりました。
子育て楽しんでくださいね(^^)

 

この症例の患者さんからのアンケート

ストレス、体操で悪化、右足の眠れない痛み。0004 その②専門家向け解説

ストレス、体操で悪化、右足の眠れない痛みの症例解説です。
専門家向け解説となりますので、ちょっと言葉が難しいかもです。
一般向けの解説はこちら→こちら
症例の詳細はこちら→こちら

0004 弁証論治、鍼灸治療解説

50代女性の、ストレス、疲労、体操で悪化させた下肢痛に対する施術です。

東洋医学的診立て
・弁証:脾虚、経絡経筋の冷え、弱り
・論治:益気補脾、下肢の経絡経筋の温養通絡

治療方針
・傷めた下肢の経絡経筋を、暖め養い、痛みを取り去る。
・ストレスに犯されがちな胃腸をしっかりさせ、全身状態を安定させる

まず、胃腸のパワーをupさせて、身体の力を充実させます。

その上で、傷めた右足の経絡を暖め養い、力がその経絡に流れるように導きます。

☆鍼灸治療について

初診〜

1)百会(7)、右合谷(鍼ーミニ灸)右列缺(鍼ーミニ灸)
足三里ー右三陰交 以上置鍼12分
2)脾兪、三焦兪、大腸兪、右環跳灸頭鍼、右下委陽ー築賓(ミニ灸)

2診
初診後調子がよく、長く歩けた
施術同じ

3診
足の調子はよい
胃がずっと痛い感じで昨日からとくにひどい。
腰が抜けそうな感じがする
1)百会(7)、右後谿ー右公孫(ミニ灸)
2)右胃兪ー脾兪(施灸、ミニ灸)
(腎兪、大腸兪)温灸

治療について

百会のお灸がこの方にはかなり良かった感じです。全身の陽気をまとめたてていくときに、私はよくこの百会のお灸を使います。

この方の場合、脾虚による中気下陥が百会のお灸によって救われた感じですね。

また、この場合、患側である右足の痛みにと逆側を使うこともよいのかなとは思いましたが、結局、

1)百会で軸をしっかりとつけ、陽気の上向きベクトルup

2)列缺、合谷など肺気を高め全身の上向きベクトルを維持しつつ、肺ー腎の力をたかめる。

3)背部兪穴のお灸で脾腎の陽気を高める

4)傷めた経絡である、右の環跳、委中、築濱というベタなところを使い、温通経絡をしていく

こんな感じが非常に手応えがありました。

ストレスが強く、メンタルが大きく影響する方ですが、こういう方こそ鍼灸がききますね。

 

0004

0004 経穴解説

ストレス、体操で悪化、右足の眠れない痛み。0004 その①

「痛み」という症状は、なんとなく解決してしまうこともありますが、

いろいろな要因で悪化していくこともあります。

私がしているのは『東洋医学で人を診る』ということです。
東洋医学の人間観を使って、
・目の前の方の歩んできた現在にいたる過去
・現時点の分析

上記2点をしっかりみていきます。
そのうえで、生き生きと人生を歩んでいける未来のためにはどうしたらいいのかということをかんがえていきます。

実際の症例から考えていきましょう。

今回の症例は、50代の女性。いろいろなご苦労があり、下肢の傷みが発症。
その後どんどん状態が悪くなり、眠れないほどになっています。

詳細はこちら

☆痛みを悪化させてしまった要因。

この方の痛みを悪化させてしまった要因

・もともとのヘルニア(整形外科診断済み)という器質的な課題
・家族関係のストレス
・仕事のストレス大きなイベントでの疲労
・疲労による体重減少
・足によいということで進められたプールや体操

 

痛みは、もともとの器質的な課題があり、整形外科ではヘルニアと診断され治療を受けてきています。

大きく分けると、

1)器質的な要因(ヘルニア)
2)精神的な要因
3)全身の体力的な要因

この3つともに今回の症例は該当しています。

痛みと言えば、1)の部分は整形外科などでとってくれるレントゲンや画像診断ではっきりと診断がつくぶぶんであり、その診断にもとづき対応がきまります。

ただ、この方の場合は、2)や3)の要因が大きく関係しています。

☆身体の一番弱いところに症状は集中する

痛みを悪化させるストレス、全身疲労があります。

確かにこの症例の場合でも、ヘルニアがもともとあり、整形外科でも手術を進められています。

しかしながら、悪化要因は、ストレスや体重減少など、局所の足の課題はあるにしろそれだけではありません。

精神的な負担や、全身疲労といった全身の弱りが生じることによって、

身体の中の一番の弱点が症状となってあらわれるのです。

この方の場合では、足の痛みの悪化です。
身体の中で一番弱かった足の痛みが症状としてご本人の大きな負担となっています。

 

☆『運動は単なる疲労の積み増し』になることもある

そしてこのケースでは、弱った局所をかえって傷めることになってしまったことが悪化を強く押し進めています。

ときに、

体力がない→運動して体力をつけよう

痛みがある→体操して血流をよくして解決しよう

ということがおこなわれます。

これはまず全身と局所の問題を考える必要があります。

全身がとても弱った虚弱の状態で、運動をしたり、体操をしたりすると、より全身が弱り症状が悪化することがあります。

つまりその方にとって、『運動は単なる疲労の積み増し』だったわけです。

 

☆東洋医学的な解決:胃腸の力を増し、暖め養い痛みを取りましょう。

この方の下肢痛は、東洋医学で言う痺症のカテゴリー。つまりひつこく長く続く痛みとなります。

痛みの原因に身体そのものの弱りなどがあるということです。

局所である右の足だけの問題ではないところに痛みが長く続く原因があるということです。

東洋医学的な証立てとしては

弁証論治:脾虚、経絡経筋の冷え、弱り
治療方針:益気補脾 下肢の経筋経絡の温陽通絡

まず、胃腸のパワーをupさせて、身体の力を充実させます。

その上で、傷めた右足の経絡を暖め養い、力がその経絡に流れるように導きます。

☆5診ほどでぐっとよくなった治療経過

5診ほどで、痛みは非常によくなり、長くあるくことができるようになった。

その後、月に1,2回のお体のメンテナンス的な治療を続行。

よかったですねえ。あまりがんばりすぎないで〜と申し上げましたが(^_^;)

雪かきをしても大丈夫だったと楽しそうにお話しくださいました。

☆ご本人へのアドバイス

”もともと土台のしっかりした丈夫なお体だと思います。
しかしながら、数々の日常的なストレスにより胃腸に負担がかかり、
身体の力を落としてしまったことが、一番の問題だと思われます。

胃腸の状態をよくすることが、足の痛みの軽減、全身状態の好転、
季節の変わり目に体調が悪くなってしまってい状態の改善につながります。

食後におなかが脹らない程度の食事量になるように気をつけ、
間食もできるだけ控えるようにしてみてはと思います。
便通がすっきりとすることが目安です。

また、冷えや、弱った下肢に強い負担をかけるのは、症状を悪化させます。
まず冷やさないように注意し、全身状態をよくすることで、痛みの改善を
図りましょう。”

 

 

ご相談にお答えして:落ち込みやすい、気力がでない、適応障害、妊娠したい 0143

ご相談にお答えして:落ち込みやすい、気力がでない、適応障害、妊娠したい。どうしたらいいでしょうか?

妊娠をしたいけれど、ご自身の体調に自信がなく前に一歩出ることができないというご相談は案外多くあります。

こういったときに、私は精神的な面で強くトラブルがある場合には、精神科などの受診をお勧めします。薬に対してのコントロールが上手なドクターにかかり、症状にあまり拘らない方が身体の立ち上がりが早い感じがしています。

また、ご自身がいま出来ること、許されていることを把握し、『自身の持てる身体作り』をめざすことで、体調が回復し、気力が回復し、精神的に安定することはよくあります。

若い年代ならではの多くの精神的なトラブル。一歩踏み出して人生を前に押し進めていただけたら嬉しいです。

ご相談

結婚して4年たちます。もともと体調が悪く適応障害という診断を受けたこともあります。

20代に仕事でとても無理をして、体重が50キロから40キロ近くにも落ちてしまうこともありました。

結婚して夫と出会い、赤ちゃんが欲しい、一緒に生活したいと思うようになりました。

でも、体調はよいと思える日がありません。身体がだるかったり、ほってったり、いつも眠さがあり、疲れやすい感じです。

また精神的にも不安定です。

生理前や雨が降る前などとくに、だるくて、あちこちが痛み、気分が落ち込みます。

早く妊娠、出産したいと思っていますが2年前に流産してから2年たっても妊娠出来ません。

どうしたら早く妊娠、出産出来るでしょうか?

私からのお返事

気力を充実させて元気に生きたいというご希望ですね。

とてもよくわかります。

元気な身体、安定した精神は、気持ちよく生きていくためのお宝ですね。

大事に育てていきましょう。

20代前半でのお仕事は、お身体にとってだいぶ負担だったようですね。

ここで体重が10キロ落ちたことにより、身体の中にいらない熱(陰虚熱)が発生するきっかけになってしまったと思います。全身が非常に弱った(気虚)中、身体の内側におこった内熱(陰虚熱)は、様々は不定愁訴(ほてり、だるさ、精神的な不安定さ)を引き起こしてしまったのだと思います。結婚を機に、精神が安定し、体重も増えたのは本当によかったですね。ご主人の優しさのたまものですね。

だいぶ回復されたとはいえ、今現在も不安定さは残っているようですね。胃腸の力をしっかりさせ、身体を充実させていきましょう。そして、赤ちゃんが早く来てくれるようにしていきましょうね。

・弁証 脾気を中心とした気陰両虚

・論治 益気補脾 益気補陰

・治療方針 脾気を立てることを中心として、補気補陰していく。脾気がたつことによって腎気が持ち直すことを期待する。脾腎の陰気がたち肝鬱が納まることを期待するが、場合によっては肝鬱も取り去る。

方針:

胃腸を中心にしっかりと生命力を高める。そして胃腸が整うことで精神的な不安定さも減少していくことを

期待する。身体にある余計なもの(内湿)の排出を促し、気分の落ち込みなどを防いでいく。

鍼灸治療:

右の内関(ミニ灸2回)、膻中(CV17、7)、気海(CV6 10)、大巨(ST27)

左の公孫 右足三里 左右三陰交

厥陰兪7 左胆兪脾兪(BL20)、左胃兪、左大腸兪(BL25)右次髎(BL32) 申脉

自宅施灸指示:内関 中注 関元(CV4) 足三里 三陰交

経過:

初診から8ヶ月後 

  体力がついてきたと思う、寝込むことが減ってきた 

10ヶ月後 

  そろそろ不妊治療を再開してみようという気持ちになった 

12ヶ月後 

  不妊治療を始めたら、生理痛や腰痛がひどくなっている 

 めまいやほてりも出現 

  →それでも、それほど気にせず治療を進めることが出来ている 

24ヶ月後  

  体外受精にステップアップ 

 不妊治療のホルモン剤などで体調悪化。それでも、治療を進めていけている。 

  1回目の採卵→移植 妊娠出来ず 

30ヶ月後 

  2回目の採卵→良好胚が多数凍結出来た 

32ヶ月後 移植、無事に妊娠、出産 

患者さんからのメール

「スタッフの皆様 

○○です、お世話になっております。 

○月○日3000㌘越えの女の子を無事出産することができました! 

母子共に健康です(^^) 

 

赤ちゃんはむくむくしてきれいな状態で生まれてきました。 

自分が母親になれたなんて、いまだに信じられない気持ちです。 

でもとってもかわいいです。 

こんなにかわいい子を抱くことができたのは、

 先生はじめビッグママ治療室のスタッフの皆様のおかげです。 

本当にありがとうございました。 

とりあえずご報告まで。 」

あとがき:

メンタル面での課題が多いときに、その症状に振り回されてしまうことも多いかと思います。

そんなときには、まず身体の調子をよくしてみるということから始めるのがよいのかなと思います。そして身体の自信を取り戻すと自然に気力もわき、精神的な安定に繋がることも多いと思います。

身体と心はひとつですね。

気力を充実させて元気に生きたい

アンケート

適応障害について

0114)妊娠中、産後も続く子宮内膜症の痛み。弁証論治

子宮内膜症の症例が続きます。
子宮内膜症は、生理と共に悪化する疾患です。
そして、妊娠を早くすることで、子宮内膜症の進行も遅くなりますので
早い妊娠が臨まれますが、逆に子宮内膜症によって妊娠が成立しにくいという
状況も生まれ、なかなか難しい問題となることが多いです。

今回のケースは、卵巣嚢腫の手術もおこなわれ、
子宮筋腫の手術歴がある、
骨盤内臓器の癒着が高度な事例であり、
なかなか解決が難しい状況にありました。
10代からの手術歴ですから、ご本人にとって
長い婦人科疾患との戦いであったと思われます。

幸いなことに、ご本人の努力によって無事に
第一子の妊娠、出産につながりました。

しかしながら、妊娠中も痛みが強く、
出産後も再度痛みの出現があるという状況で、
子育てもお辛い様子でした。

出産後は、ご自身の生命力が落ちるために、どうしても
その方に取って一番のウイークポイントが出現しやすくなります。

抜本的な解決はなかなか難しい状況ですが、
温補補腎という、ゆっくりと温め、生命の土台の力(腎気)をつけていく
鍼灸治療によって、ご本人の辛さの軽減に役立ったようで何よりです。

症例概要→0114
詳しい症例→0114