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ふたりめ不妊:産後からの不調、体外受精が上手く行かない。43歳妊娠、出産。

ふたりめ不妊は、悩ましい不妊です。

ひとり、無事に出産になっているから、妊娠出来るんじゃないかというあせり。
そして、ステップアップした高度生殖医療ならばということでやってみても、
なかなか前に進まない。

年齢要因があがる、あせり。
そんなとき、もう少し立ち止まって、あなたに何が必要なのか、かんがえてみてはいかがでしょうか?

☆ご相談:40歳です、不妊治療が前にすすまず、悩んでいます。

40歳です、不妊治療がなかなか前に進まず悩んでいます。

第一子もとても苦労しました。
28歳の時に卵巣嚢腫が茎捻転をおこし、右の卵巣を摘出手術しています。
30歳から妊活を始めましたが、なかなか前に進まず、体外受精、胚移植を5回行い、やっと36歳にて第一子を出産することができました。
妊娠中からからむくみや便秘がひどくなりました。
産後も体調がとても悪化してしまいました。

39歳から第二子の妊活をしていますが、不妊治療をはじめると便秘が悪化しより体調不良となってしまっています。

不妊治療を再開した当初は体重が60㌔でしたが、現在は67㌔。不妊治療をすると体調が悪くなり、便秘が始まり、食欲不振、体重増加となってしまいます。
身体全体が重く、冷たい感じがします。
すでに体外受精を2回行いましたが、妊娠出来ませんでした。

もう一人、子供を産み、育てたいと思っています。
またアレルギー鼻炎がひどくつらいです、また便秘もつらいです。
どうしたらいいでしょうか?

☆ご相談にお答えして〜あせらず身体の力をあげて、前にすすみましょう。

第二子の妊活を前に進めたいというご相談ですね。
第一子の妊娠を30歳からご希望なさって、数々の努力を重ね36歳にてご出産。本当に頭が下がるような努力を続けていらっしゃったのですね。

現在、第二子への妊活、少しでもお力になれればと思います。

☆お身体の状態について

もともと身体がむくみがちで、便秘などもあり、いらないものをすっきりと排泄する力が不足気味の素体であったと思います。

妊娠出産は、身体に大きな負担となります。
健康状態がよければ、妊娠、出産の大きな気血の虚損をともなう波にも、生理的な範囲として乗り切り、生命力が充実する方向ですすみます。

しかしながら、元々の素体が虚損気味であれば、より力を失う方向になり、悪循環となります。

とくに、身体の底力である腎の力に負担となることによって、

上焦:百会熱感、心下つまり
中焦:中脘(CV12)の固さ、臍周の冷え盛り上がり、脾兪(BL20)のゆるみ
下焦:板のような下腹、少腹急結、細絡、骨盤の硬さ、次髎(BL32)の冷え

上焦から、強い気逆
中焦から脾胃の動きの悪さ
下焦から進むオ血、腎虚の状態

という状態になっています。
つまり、産後に補われずにいた 脾腎の弱さに乗じて全身に、強い気の鬱滞が生じ、身体の上部には熱感を伴う気の滞りが生じているという状態です。

身体の底力である、脾腎の力をつけ、全身の気の巡りの状態をよくしていくことが、不妊治療を一歩前に進めることになると思います。

☆不妊治療について、4つのアドバイス

1:第一子が妊娠、出産出来ているのだから、基本的な妊娠する力はある。
2:体外受精の卵のグレードの悪さは、体調を整えることを優先し、採卵を急がない。
3:病院について、あわないようならば転院も考える。
4:採卵は年齢要因もあるので、ある程度いそぐ。ただ移植は全体の体調をあげることを優先する。

第一子が妊娠出来ているのですから、妊娠する力は十分にあるカップルだと思います。40歳の現在でも、採卵ができているのですから、焦らず前にすすみましょう。

年齢要因がありますので、治療を急ぐのは大切です。ただ、現状の子宮(女子胞)の力が落ち、子宮(女子胞)卵巣に生命力(気血の流れ、血流)が届いていない状況では採卵を繰り返しても仕方がありません。

凍結胚ができるまでは、身体作りと採卵を並行し、凍結胚が出来たら、身体作りに集中し、全身の生命力をあげることが、結果的に妊娠、出産につながる近道だと思います。

病院については、現在のところ変更するお気持ちがないということですので、採卵ができているのでこのままでいいと思います。しかしながら、ある程度で転院も視野に入れる柔軟性をもっておくほうが、時間を上手に使うことにつながる可能性は高いと思います。

☆東洋医学的な診立て

・弁証
脾腎両虚 肝鬱瘀血
・論治
益気補腎 益気補脾 疏肝理気
・治療方針
まず第一に、産後から落ちたままになっている脾腎の力をあげ、悪循環で生じている肝鬱を納める。また上焦の熱感がつよければ必要に応じて疏肝理気する。

瘀血については、下焦を中心に温養することで動く範囲で対処する。
督脉上に瘀血所見が多いので、下焦を温養し督脉に陽気を導き通していく。

 

☆治療経過〜出産まで

40歳 鍼灸治療後2ヶ月
1)背中のイヤな感じが取れている
2)冷えが少し楽
3)いつもある秋からの肌荒れがなく、高い美容液を買わずにすんでいる。
治療後半年 採卵周期ー今回は卵の状態がとても良く数も多く見えていたが
排卵済み、人工授精をした。
採卵周期にはいるものの、日程があわず出来ず。
治療後1年 病院をかえる。
採卵周期 3つのうち2つがグレード1で凍結
10ヶ月後 移植 妊娠できず
18ヶ月後 HR周期ー排卵がおこって移植できず。
20ヶ月後  HR周期にて 移植ー妊娠
無事に女児を出産 おめでとうございます。

 

途中に上のお子さんの行事やイベントなどもあり、少し間があいていますが、凍結胚は待ってくれるということを信じて、あせらず前に進めることができたと思います。

しっかりとお迎えの準備をし、無事に二人目の出産となったこと、よかったなあと思います。
子育て、楽しんで頑張ってくださいね!

 

子宮内膜症、チョコレート嚢胞、側湾、何度も体外受精しても妊娠できない(42歳出産)0224

子宮内膜症やチョコレート嚢胞、子宮筋腫など、エストロゲン依存性疾患は生理があるたびに悪化してしまいます。

最終的には閉経に逃げ込んでしまえば、閉経逃げ込み療法なんていう言葉があるように、問題がなくなる場合がありますが、症状がひどかったり、妊娠の希望の有無でその対処法はかわってきます。

今回は、32歳から妊娠を希望するも、子宮内膜症やチョコレート嚢胞があり、なかなか不妊治療が前に進まない39歳の方のご相談です。

WEBでの紹介はこちら→なんど体外受精しても妊娠できない

YouTubeでの紹介はこちら→39歳です、不妊治療が前にすすみません。

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☆39歳です、不妊治療が前に進みません、どうしたらいいでしょうか?

39歳です。

早く妊娠したいと思っています。

10代の頃からハウスダストでがあり、現在も継続しています。

高校ぐらいから腰痛がはじまり、側湾もしてきされています。

湿疹は年ぐらい前からで病院では脂漏性皮膚炎といわれています。薬をもらったけど、食生活がかえられないせいか、あまり効果がありません。

初経は16歳、生理周期は28−34日ぐらい、20代は30−40日ぐらいの周期で生理が来ていた。

☆☆婦人科、不妊治療歴

32歳から妊娠希望で、タイミング、人工授精などを受けた。

35才 生理痛 子宮内膜症、チョコレート嚢胞と診断される

38才子宮内膜症のためにリング装着、片側の膿疱処置→生理痛軽減

生理前の2-3日から胸が張り、イライラする、

高温期に出ていた症状は生理がくるとおさまる。

生理初日と二日目に鈍痛、色は濃く、固まり、粘った膜。

(チョコレート嚢胞の処置前は2日ぐらい前からうずくまるほど痛かった

38才 採卵 4つ凍結できた。
3月から7月にかけて 3回の移植 すべて妊娠出来ず。
頭から皮膚炎が始まる、唇の皮がむける、顎関節症になった
          重いものを持ってから腰痛発症→継続(いろいろな治療を受けて現在は少しよい)

38才 リング装着、膿疱処置 →生理痛の軽減
11月 移植ー妊娠出来ず
12月 採卵ー 2段階移植 妊娠出来ず。

  気持ちを切り替えるために、体外受精の治療を休む

イラスト がっかり 辛い

イラスト ツボ セルフケア

 

39才 ビッグママ治療室受診

☆ご相談にお答えして『この状態ならば妊娠出産出来ます、あせらず前にすすみましょう』

32歳からの妊娠希望、38歳から体外受精をし、すでに6回も移植しているのに、妊娠出来ないという結果。子宮内膜症の事も頑張っていらっしゃる中での不妊治療はとても大変だと思います。そしてこれだけ頑張っているのに、とてもお辛いですね。

 

☆☆お身体を拝見して

もともと側湾や腰痛、鼻炎など、生命力の土台の力(腎気)が不足気味である素体の状態がうかがえます。

この土台の力(腎気)が弱いと、なにか身体に負荷がかかったときに、ストレスとして強めになり、気が立

ちやすくなります。これが体外受精という身体の負担のかかる治療を始めてから、頭の皮膚炎や顎関節症などの身体上部の症状がさまざま出現してくる遠因になっていると思います。

皮膚全体が薄く少し荒れており、また背部の胃腸のツボである脾兪、胃兪、土台の力をあらわす腎兪が大きく陥凹しています。また中央にある背骨が側湾(だけではなくねじれているような不安定さがある)している状態ですね。

上背部は少し腠理の疎(皮膚の粗さ)があり肺兪風門などの肺や冷えの入り込みをあらわす経穴は陥凹しています。骨盤部の皮膚は冷え、薄く固い。

手足末端にある経穴反応はあまり明瞭ではなく、脉状も甘くぼんやりとしています。舌は淡白歯痕胖大、脾腎を中心にした弱さのなか、皮膚、末端の養いが不足していると思われます。

素体としての脾腎の器が非常に小さいので、甘いものを少し食べると脾気(胃腸)への負担となり内湿(不要な湿気)を生じ、腎気(生命の土台の力)への負担ともなり肝気が立ちやすくなり上焦(身体の上背部)への熱感となりやすいと思われます。

この状態で他に大きな愁訴がないのは、ご自身ががそれなりに、睡眠、食事、無理のない範囲での生活と心がけているからだと思われます、とてもがんばっていますね。

☆不妊治療について

今のお身体の現状は、元々の素体の弱さがあるなか、ムリをして妊娠をしようという治療を行っている状態です。

しかしながら、ちゃんと採卵ができ、複数胚の凍結ができ、移植も出来、多少なりとも着床の反応がでています。これはあと一息、妊娠の初期の状態を乗り切りながら、全身状態を好転させ、出産にもっていくこと。

そして妊娠中の期間を利用して、しっかりと身体の土台作りをして、その後の出産、産後、子育ての生活にそなえていくようにと思っています。

この状態ならば、妊娠出来ます。あせらず、気負わず、するべき事をして、一点突破でがんばっていきましょう。

☆東洋医学的な診方

弁証論治
脾腎を中心とした気虚
益気補脾 補腎温養 温養子宮

治療方針
器が小さく色々な愁訴をもちやすいが、脾気を養い気虚をすくうこと、
腎気を温養し下焦を養い妊娠出産出来る身体作りをしていく。

妊娠に関しては、採卵して受精卵そのものは良好の状態で出来ているが、移植しても妊娠しないということである。現時点の体表観察からは背部腧穴にうかがわれる弱りが非常にきつい。脾腎を中心に子宮への生命力をあつめていき、妊娠、妊娠の継続をはかりたい。

☆治療経過

治療経過

39才 初診 ビッグママ治療室初診 週に一度の鍼灸治療、自宅施灸

1)左外関、足三里、左公孫(鍼してミニ灸)、左三陰交灸頭鍼
ミニ灸左復溜、左湧泉 温灸気海、関元
2)左肺兪 右心兪 温灸
3)脾兪、胃兪、右腎兪 鍼して温灸

ご自宅でセルフケア指導

 

 

 

イラスト ツボ セルフケア

右の腎兪はこそげて筋腹が極端にない感じ。10番で鍼して温灸を充分にいれる。

☆側湾部の背部腧穴に対しては、ゆるみの大きい方を取ることが多い。
3ヶ月後 少しづつタンパク質を増やすように、ウオーキングをするように指導
4ヶ月後 朝食を食べるように指導
5ヶ月後 皮膚の弾力がアップしてきている、白膩苔が薄くなる
8ヶ月後 採卵→2つ胚盤胞へ凍結できず
9ヶ月後 イボが出来てウオーキングが出来ないと白膩苔が出てくる
10ヶ月後 採卵→ひとつ胚盤胞に凍結出来た、背中辛い
11ヶ月後 移植 着床、妊娠出来ず。ただ、いままでで一番妊娠判定時のホルモン数値はよかった。

13ヶ月後 採卵→空砲
14ヶ月後 採卵 成熟卵が3つ 未熟が1つ 胚盤胞2つ凍結
15ヶ月後 移植→妊娠→継続

☆☆妊娠後の鍼灸治療

 9w つわりがひどい
11w 耳がぼーっとする
13w はきすぎてけいれんするほどだ
背骨の側湾がきつくなっていっている。皮膚の薄さもます

 15w 妊娠糖尿病と診断され食事指導を受ける
21w おっぱいマッサージをしたら、お腹が痛くなってしまい動けなくなった。
背骨の不安定さ↑

 29w 右足のふくらはぎがつる、息があがっている
治療院への通院は遠方(2時間ほどかかる)ので終了とする。
なるべく安静をこころがけるように指示

 35w 血圧が高くなり入院→退院後自宅安静指示が出る
38w 出産直前まで自宅施灸を継続し、順調な経過で自然分娩にて2800㌘オーバーの

 赤ちゃんを出産。おめでとうございます。

☆あとがき

32歳という比較的若い年齢から妊娠希望をなさっていましたが、子宮内膜症やチョコレート嚢胞、そしてもともとの素体の弱さなどがあり、少し長い不妊治療となっていました。ビッグママ治療室受信後は、一点突破をするため、しっかりと身体の土台の力をつけ、体外受精をみすえ応援していきました。無事に妊娠でき、本当によかったなと思います。妊娠中も土台の力が弱いためにかなり負担がかかったような状況でしたが、なんとか乗り切り、元気な赤ちゃんの出産となり、本当によかったなと思います。

出産直前までご自宅でのセルフケアをしていただき、自然分娩での出産となったとのこと。嬉しい限りです。

 

 

症例:自然妊娠出産。婦人科疾患や体調不良、養生で解決! 0322

妊娠にとって、排卵があること、精子との出会いがあること、
そして子宮(女子胞)で育つ力があることが必須の条件です。

しかしながら、例えば排卵障害があり、毎月排卵がなくても、精子の状態に波があっても、
ひょいとその波にのり、妊娠出産につながることがありますね。

逆に言えば、何も問題がなくても、
毎月生理が来るばかりで、妊娠にたどり着かないこともよくあります。

確かに、婦人科疾患の有無、精子の状態のチェックは必須ではあります。

では、この両者がOKであれば妊娠がすぐ成立するのか、
ダメならば、絶対に自然妊娠はしないのか、

そう問えば誰もYESとは言えません。

人間にとっての妊娠はそれほど、『妊娠しにくい』ものであり、
   めぐりあわせさえあれば、『妊娠する』ものなのです。

今回の症例は、30才の女性

多嚢胞性卵巣症候群の可能性があり、病院でタイミングをみてもらっているのに、

なかなか妊娠しないというご相談です。

☆ご相談:多膿疱性卵巣症候群といわれています、なかなか妊娠しません

30才です。妊娠したいのに、なかなか妊娠できません。

病院で多嚢胞性卵巣症候群と診断され、薬を服用し、定期的に生理はきています。

しかしながら、排卵がスムーズではなく、LHも高く卵巣にネックレスサインもあります。

クロミッドやデュファストンを出してもらい服用しながらタイミングをとっていますが、
妊娠出来ません。

逆に、薬のせいか、むくみや下痢をしやすくなったりと体調が悪化するばかりです。

病院では、このまま妊娠出来ないようであれば、体外受精や顕微授精などの高度生殖医療も

視野に入れて考えてはどうかという提案をされています。

今後の不妊治療はどの様に考えたら良いでしょうか?

☆ご相談にお答えして:あせらず、まず体調アップをしていきましょう

早く妊娠したいのに、なかなか妊娠できなくて困っているということですね。

確かに、年齢要因も若く、男性側にもさしたる問題がない、薬に反応して定期的に

排卵がおき、高温期のフォローもちゃんとできている(デュファストン服用)のに、

妊娠しないのはなぜ?と煮詰まってしまいますね。

少し整理していきましょう

☆☆体表観察から考えられる3つの課題

東洋医学的な四診を使い、現在のお身体を拝見しますと3つの課題が浮かびます。

1)皮膚の質感が悪い

2)オ血(血の道の滞り)

3)身体の土台である腰(腎)や子宮のパワー(女子胞力)が弱い

この3点が課題と考えられます。

1)皮膚の質感が悪いと言うことは、全体の生命力が不足しているために皮膚表面まで届いていないということです。これは胃腸や土台の力が不足しているということにつながります→気虚

2)生理の状態、皮膚のトーンの暗さ、舌や細絡の出方から血の道の滞りを伺え、全身の気虚があるために、血流が悪く滞りがちであるということです。

3)妊娠は、身体に余裕があって初めて成立します。

今の状態では、全身の余力がないために、女子胞力(子宮)に力が回らなくなっています。全身の余力をつけ、血流をよくしてオケツをとりさり、赤ちゃんがやってきてくれるようにしていきましょう。

確かにステップアップも十分候補です。

ただ、体外受精や顕微授精などの高度生殖医療を受けても、上記三つの課題は解決しません。
逆に、当院では、上記三つの課題があるがゆえに、体外受精や顕微授精などの高度生殖医療の
治療を受けても妊娠出来ないというお悩みに沢山応えてきました。

30才、まだまだ時間がありますから、
とにかく、この3つの課題を目標に、身体作りをし、半年程度経っても、妊娠が成立しなければ、迷わず、ステップアップもしていきましょう。

イラスト 気虚 瘀血

☆☆東洋医学的な診立て

・弁証 腎陽虚を中心とする気虚瘀血
・論治 益気補腎 活血化瘀
・治療方針

腎気をupさせ、脾気へのバックアップを大きくし、全身の状態を改善させる

☆☆不妊治療についての4つの具体的アドバイス

1)タイミングの取り方が少し早いので、高温期に入ったところでもタイミングを。

2)排卵がそれなりにあるので、体調を悪くしてまでクロミッドを服用しなくてもよいかも。

3)食事を改善(血糖値を意識し、糖質の取り方を工夫する。タンパク質、果物、乳製品の摂取を)しましょう。

4)半年ほどは、このまま体調の改善を図りながら妊娠のタイミングをとってみましょう。それでも妊娠しなければ、ステップアップを。男性側の問題がなければ、1年のタイミングがあれば体外受精や顕微授精などの高度生殖医療受精を考えてもよいかもしれません。

 

☆鍼灸スタート 妊娠、出産へ。

☆週に1,2度の鍼灸治療 自宅での養生お灸 食事の改善スタート

初診:右合谷(LI4)、復溜(KI7) 右臨泣、足三里(ST36) 気海(CV6) 関元(CV4) 腎兪(BL23)、胃兪(BL21)、次髎(BL32)

セルフケア:右合谷(LI4)、気海(CV6)、関元(CV4)、復溜(KI7) 臨泣

初診時:基礎体温表がガタガタが気になる

☆1ヶ月後:生理がきた、生理痛がほとんどなく、痛み止めを飲まなくて済んで驚いている。

合谷(LI4)、三陰交(SP6)、陽陵泉(GB34) KI6(照海)温灸
胃兪(BL21)、気海兪、腎兪(BL23)

☆2ヶ月後:足のむくみが改善、舌がキレイになってきた。生理痛がなかった。

三陰交(SP6)、右臨泣 合谷(LI4)、胃兪(BL21)、腎兪(BL23)、次髎(BL32)

☆3ヶ月後:
卵胞の成長がゆっくり、腰痛を感じるが風呂などで温めると改善

 妊娠成立ー無事の出産へ

☆妊娠成立前後

臍棒灸 足三里(ST36) 陰陵泉(SP9) 胃兪(BL21)、腎兪(BL23)、大腸兪(BL25) 次髎(BL32)

☆上手に待つことが最善の不妊治療

忙しい、体調が気になる、基礎体温表がガタガタ、排卵誘発剤を飲むと体調が悪くなる。いろんなお悩みがありましたね。

妊娠は、それらを全部解決出来なくても、ちょっとした工夫と努力でするんっとやってくることがあります。

体調をよくして、自分自身に余裕をもつこと。この体調をよくするための時間はあたかも不妊治療を止めてしまっているように、時間ばかりが無駄にすぎてしまうように感じる方も多いのかと思います。

何かをしなくては、何か出来ることはないのかな?ちゃんと病院に行かなくちゃ妊娠出来ないとばかり、いつもいつも、忙しく、いろんなことをしてしまう。これが逆に、体力をすり減らし、自身の体調が悪くなり、身体の余力の上で成り立つ妊娠を成り立たせにくくしています。

上手に自分自身を養い育て(養生)待つ時間を過ごす、そのことが全てのスタートですね。

イラスト

これからの子育て、楽しんで、ご主人と一緒にがんばっていってくださいね。

東洋医学的には、全身の気虚が救われ、子宮を中心とした女子胞(子宮)の力へ回る力が大きくなり、そこを踏まえて、タイミングをとれたり、妊娠が成立したところで、集中的に子宮血流をupするような方向性で治療をしていったのがよかったかなと思っています。

スムーズな自然妊娠、そして出産、よかったね(^^)おめでとうございます。

良好胚を何度移植しても妊娠出来ません、どうしたらいいでしょうか?【case:0331】

不妊治療は様々な要因で前に進まないことがありますね。

30代半ばの女性、体外受精にステップアップ。
1度の採卵で数多くの卵ができ、胚盤胞も多く凍結ができています。

しかしながら、なかなか結果がでず、すべて妊娠反応が出なかったということで
どうしたらいいのか道に迷ってしまってのご相談でした。

この症例の患者さんからのアンケート

☆ご相談:早く妊娠したいです。体外受精をしていますが、一度も妊娠反応がでません、どうしたらいいでしょうか?

 

早く妊娠したいと思っています。
体外受精に進み、9個採卵出来、良好胚が胚盤胞で凍結できました。
もうすでに4個移植しましたが、一度も着床したことがありません。
どうしたら着床、妊娠、出産できるのでしょうか?

 

☆ご相談にお答えして

妊娠出来る可能性の高い胚盤胞を何度も移植しているのに、
一度も妊娠反応がでたことがないのですね。
それはとても辛いですね。一緒に考えていきましょう。

まず、卵の状態はよいようですね。年齢的にも35才の卵であれば、大きな問題はないのではないかと思います。まあ、このあたりは確率の問題なのでなんともいえないところですが、現段階では卵側の要因は除外してよいと思います。

一度も着床していないということから、着床障害の問題を考えるべきかと思います。
様々な検査がありますが、お勧めするのは血流問題の課題解決と、子宮内膜炎の問題でしょうか。

血流は血の巡り。今お身体を拝見していて
・ストレスによる気の停滞
・上焦(身体の上部)での心熱
・胃腸の力の弱さ

ストレスによる気血の阻滞が身体の上部では肩こりなどになり、中部、下部ではオ血内湿という不要な物の排泄が上手く行かないという状態になっているのかと思います。そしてこの状態が妊娠に大事な子宮(女子胞)の力、そして子宮(女子胞)の力の支えとなる腎気を落としています。

良好胚が出来ると言うことは、それなりに妊娠する力があなたにはあるということです。
ストレスを溜め込まず、気血の巡りをよくし、妊娠へ一歩前に進みましょう。

また血流という点で、足先の冷たさは少しきついと思います。これは不育症である血液凝固系の亢進という状態に該当する可能性を感じますので、不育症のクリニックに着床障害の問題で検査を受けてみるのもよいかと思います。がんばっていきましょう。

・弁証 腎虚肝鬱 心熱オ血
・論治 益気補腎 疏肝理気

☆☆妊娠へむけての具体的なアドバイス

1)ストレスをコントロールし、気血の巡りをよくするためにも、
鍼灸治療と自宅でのセルフケアお灸をしていきましょう

2)血の巡りをよくする、ビタミンACEの摂取を心がけましょう。

3)足の交代温冷浴をしましょう。

4)胚移植をしてから、着床、妊娠判定、2回目の心拍確認ができ、妊娠10週を越えるところまでは、しっかりと鍼灸治療を週に3回程度いれて、赤ちゃんの袋に血流が届き、充分大きな胎盤が出来るようにしていきましょう

☆治療経過、着床、妊娠、出産へ

不妊鍼灸治療開始
移植周期スタート
胚盤胞移植→妊娠せず。
今までと違い、内膜は厚くなっているといわれたが、結局妊娠出来なかった。
→アドバイス、不育症クリニックを受診して着床障害の検査をお勧めする。
→着床障害の判定と、子宮内膜炎の指摘があった。抗生剤を飲んでラクトフェリンを摂取

移植周期スタート
胚盤胞移植→妊娠 少し動くと出血がある。
出血はあるものの、妊娠している。その後も少し動くと出血や茶オリはあるものの、鍼灸とアスピリンは継続

39週にて、無事に3000㌘越えのベビちゃんを出産。おめでとうございます。

☆あとがき

長い道のりでしたね。しっかりと前に進まれてたくましいお母さんになりました。
子育て楽しんでくださいね(^^)

 

この症例の患者さんからのアンケート

ストレス、体操で悪化、右足の眠れない痛み。0004 その②専門家向け解説

ストレス、体操で悪化、右足の眠れない痛みの症例解説です。
専門家向け解説となりますので、ちょっと言葉が難しいかもです。
一般向けの解説はこちら→こちら
症例の詳細はこちら→こちら

0004 弁証論治、鍼灸治療解説

50代女性の、ストレス、疲労、体操で悪化させた下肢痛に対する施術です。

東洋医学的診立て
・弁証:脾虚、経絡経筋の冷え、弱り
・論治:益気補脾、下肢の経絡経筋の温養通絡

治療方針
・傷めた下肢の経絡経筋を、暖め養い、痛みを取り去る。
・ストレスに犯されがちな胃腸をしっかりさせ、全身状態を安定させる

まず、胃腸のパワーをupさせて、身体の力を充実させます。

その上で、傷めた右足の経絡を暖め養い、力がその経絡に流れるように導きます。

☆鍼灸治療について

初診〜

1)百会(7)、右合谷(鍼ーミニ灸)右列缺(鍼ーミニ灸)
足三里ー右三陰交 以上置鍼12分
2)脾兪、三焦兪、大腸兪、右環跳灸頭鍼、右下委陽ー築賓(ミニ灸)

2診
初診後調子がよく、長く歩けた
施術同じ

3診
足の調子はよい
胃がずっと痛い感じで昨日からとくにひどい。
腰が抜けそうな感じがする
1)百会(7)、右後谿ー右公孫(ミニ灸)
2)右胃兪ー脾兪(施灸、ミニ灸)
(腎兪、大腸兪)温灸

治療について

百会のお灸がこの方にはかなり良かった感じです。全身の陽気をまとめたてていくときに、私はよくこの百会のお灸を使います。

この方の場合、脾虚による中気下陥が百会のお灸によって救われた感じですね。

また、この場合、患側である右足の痛みにと逆側を使うこともよいのかなとは思いましたが、結局、

1)百会で軸をしっかりとつけ、陽気の上向きベクトルup

2)列缺、合谷など肺気を高め全身の上向きベクトルを維持しつつ、肺ー腎の力をたかめる。

3)背部兪穴のお灸で脾腎の陽気を高める

4)傷めた経絡である、右の環跳、委中、築濱というベタなところを使い、温通経絡をしていく

こんな感じが非常に手応えがありました。

ストレスが強く、メンタルが大きく影響する方ですが、こういう方こそ鍼灸がききますね。

 

0004

0004 経穴解説