1)お灸の世界 孔最のお灸

お灸はむかーしから日本に伝わる独特な治療です。

そしていろいろな種類があります。

☆直接灸という火傷を作るタイプのお灸

昔のお灸は火傷を作ることをひとつの目標にしていました。
まあ、いまではあまりみませんねえ。
私自身もほとんどこのタイプのお灸はしません。

(ただ、技術はありますので、リクエストやその方の状態次第ではもちいます)

20年以上前、私が弟子入りした鍼灸院は非常に多くのお灸をしていました。

これはガチの直接灸。つまり皮膚表面を小さく焼いていくタイプのお灸です。

 

☆リウマチの方への直接灸施術

一番印象的だったのは、
リウマチの男性。とにかく全身に施灸ポイントがあり、7−10壮。

このときに大事なポイントは、
1)同じ大きさで同じ刺激量が効く
2)リズムがとにかく大事。

とにかくお灸はリズムが大事と学びました。

☆基材をおいての直接灸

この直接灸でも八部灸(皮膚表面を焼く直前で取り去る)や焼き切り灸などいろいろあります。

刺激の感じ、リズムの出し方
お灸にリズムというのは、上手なひとならではですねえ。

トントントントン、リズムがあると熱さも軽減、良い感じで刺激が入ります。

先般、直接灸のタイプですが、皮膚表面に基材をおいておくやり方を見せて頂く機会がありました。このやり方も、昔からいわれているやりかたで、久しぶりに拝見して面白いなあと思いやってみることにしました。

 

☆痔には孔最

今回、選んだのは孔最というツボです。
このツボはお灸で効く〜とい有名なツボです。

肺経という肺の経絡を主る経絡上にあるツボです。
この孔最は、喘息、痔、喉のトラブルの扁桃肥大や、気管支のトラブルなどによく用いられます。

とくに有名なのは痔、ある男性にお教えしたところ、海外旅行先でとても役立ち、
周りの皆さんにも教えたんですよ〜などと楽しくお話ししてくださいました。

さて、お灸の話しに戻ります。

 

☆肺の経絡でのツボをとること。

肺の経絡を触るとこの孔最が目立ちましたので取穴。
ツボは経絡上を切診(触って拝見し、ツボをみつけていくこと)していきます。

 

☆let’sお灸

そして、基材を置くタイプのお灸をやってみました。

お灸 孔最

孔最にガツンと冷えを目標にしてお灸をしてみました。
(他に全身治療を組み合わせていますが、今回はお灸の話しなので割愛しますね)

一点取りをして、基材の上に3壮。
そしてとってみると、肺経Lineにぐいっと冷えが明確になりました。

 

☆お灸はツボを呼び覚ます

お灸がツボを呼び覚ましてくれたんです。
ここから、温灸をこの経絡にそって施術。

お灸と温灸の組み合わせで、肺の経絡がぐっと補われてきました。
経穴への施術は、そのポイントをみつけてお灸をしたりということが
主軸ですが、その反応をみていくのも大切です。案外経絡にそってひろがり、

その一点の反応がツボなんですよね。

 お灸の世界って、深い!

 経穴を選ぶ事って面白い。

お灸に触発されたので、少しシリーズで書いていこうと思います。