おはようございます。
いままで私は沢山の症例を書いてきました。
症例というのは、お一人お一人の物語です。
私がしているのは『東洋医学で人を診る』ということです。
東洋医学の人間観を使って、目の前の方の歩んできた現在にいたる過去
そして現時点の分析をおこない、荒間欲しき未来のためにはどうしたらいいのかという
ことをかんがえていきます。
症例、書いて積み上げてきていますので、少しづつ振り返って考えてみたいと思います。
とくに、経穴や施術については今までほとんど触れていなかったので、そのあたりも
もう少し踏み込んでやっていこうかなと思っております。
さて、今回の症例は、50代の女性。いろいろなご苦労があり、下肢の傷みが発症。
その後どんどん状態が悪くなり、眠れないほどになっています。
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この方の下肢痛は、東洋医学で言う痺症のカテゴリー。つまりひつこく長く続く痛みの原因に身体そのものの弱りなどがあるということです。局所である右の足だけの問題ではないところに痛みが長く続く原因があるということです。
弁証論治:脾虚、経絡経筋の冷え、弱り
治療方針:益気補脾 下肢の経筋経絡の温陽通絡
まず脾気をたて、生命力の充実をはかります。
また温陽して、いためた経絡を暖め、気を導き痛みの軽減をはかります。
また、ご本人への養生としてこんな提言をさせて頂きました。
..生活提言
もともと土台のしっかりした丈夫なお体だと思います。
しかしながら、数々の日常的なストレスにより胃腸に負担がかかり、
身体の力を落としてしまったことが、一番の問題だと思われます。
胃腸の状態をよくすることが、足の痛みの軽減、全身状態の好転、
季節の変わり目に体調が悪くなってしまってい状態の改善につながります。
食後におなかが脹らない程度の食事量になるように気をつけ、
間食もできるだけ控えるようにしてみてはと思います。
便通がすっきりとすることが目安です。
また、冷えや、弱った下肢に強い負担をかけるのは、症状を悪化させます。
まず冷やさないように注意し、全身状態をよくすることで、痛みの改善を
図りましょう。
治療については、
百会のお灸がこの方にはかなり良かった感じです。全身の陽気をまとめたてていくときに、私はよくこの百会のお灸を使います。
.. 初診
1)百会(7)、右合谷(鍼ーミニ灸)右列缺(鍼ーミニ灸)
足三里ー右三陰交 以上置鍼12分
2)脾兪、三焦兪、大腸兪、右環跳灸頭鍼、右下委陽ー築賓(ミニ灸)
..2診
初診後調子がよく、長く歩けた
施術同じ
..3診
足の調子はよい
胃がずっと痛い感じで昨日からとくにひどい。
腰が抜けそうな感じがする
1)百会(7)、右後谿ー右公孫(ミニ灸)
2)右胃兪ー脾兪(施灸、ミニ灸)
(腎兪、大腸兪)温灸