誠実に拝見し、丁寧にしていくこと。

ときにテーマを頂いて講演することがあります。

あるときにいただいたテーマが、『不妊鍼灸治療』女性団体からの依頼だったので、聴講なさる方々は女性が多いのかな?と思っていたのですが、会場に入ると背広を着た男性が多くてビックリ。この会の講演によく出る人が、『いつもと雰囲気違いますよ~』とおっしゃっていたのが印象的でした。オモシロいですよね。

さて、こういった特定のテーマがあると、不妊とか、どこに鍼灸ってな質問を多く頂きます。それはまあそうでしょうけど
私にとってはちと不思議。

一番大切なことは、しっかりと目の前の患者さんをみて、考え、取り組むことです。
不妊が最初にあるのではなく、ただ、まず思い込みを排除してみるが大切。

実技では、モデル患者さんを使って、四診から切診、証立てなどなどをおこないます。
そこでも大切なことは『不妊』を診るのではなく、『目の前の患者さんそのもの』を診る。

皆さんどうしても『不妊』ということに目がいってしまうのですよね。
でも、身体作りをしていくことにおいては、『不妊』という状況自体は中心課題にするようなこと
ではなく、まずシンプルに『診る』ことが大切なのです。そしてその上で愁訴の『不妊』を
あわせ考えるという順番。

この『シンプルに診る』ことが出来ると、不妊だって、妊婦さんだって、間歇性跛行だって
なんだって『自分の力量の範囲で診る』ことが出来ます。

そう、四診という東洋医学の手段を使って自分で情報を取り、分析をし、
方針を立てる。この基本をやらずに、『不妊ってどう扱うのですか?』と聞かれても
ううううーーーっとうなっちゃうばかりです。

『何をすればいいのですか?』と聞かれると、『基本を身につけること!』と
お返事しちゃいます。

そして、『いつか勉強してみたいですハート』というお返事をいただくことが多いです。
いつかっていったいいつ(^_^メ)。

患者さんに対して、『誠実でいること』を私は一番大事にしています。
そのときに、一番大事なのは『基本である診ること』なのだと思うのです。
いつも基本に立ち返りながら、丁寧に、誠実に日々の臨床をしていくよう
改めて心がけたいと思っています。