不妊カウンセラーになりたいんです ②

「先生のような不妊カウンセラーになりたいんです!」という
お電話を突然頂きました。

実はこういったお問い合わせ、案外あります。
んーなにか憧れる要素があるんでしょうかねえ(^_^;)

ということからはじまった不妊カウンセラーになりたいんです①に
続いてのお話し。

前段でお話ししたように

ーー
不妊治療には独特なコツがありますし、また不妊治療ならではの課題があります。そのコツや課題を長年にわたって臨床を通じて感じ、経験を積んできた中から、他の人が苦労したポイントで悩んで欲しくないなあといった観点からのアドバイスが私の中心です。このあたりは臨床経験とペアなのでねえ。
なんとも言い難いです。
ーー

不妊という状態は、その人が生きて行くには差し障りがありません。
逆に妊娠するために、薬を使ったり、手術をしたり、いろいろな介入をしたりと
その人が生きていくためにはなんら問題のない状態を、「妊娠」に向けて
調整するわけですから、やはり苦労がつきまといます。

また、この「不妊」という課題は、
あともうちょっとの努力であっても、
遠い道のりの努力が必要であっても、
この課題の解決が困難な状況であっても、
ただ、状態としても不妊であるだけです。

ここが解決への道筋をみつける困難さとつながるわけです。

あともうちょっとの工夫、少しストレスを解決すれば
するっと解決する状況であるのに、ヘビーは手術などをしてしまう。

高度生殖医療が必要ではなくて、身体のシンプルな休養が必要なのに、
高額なちりょうのためにかえって忙しい日々をおくり、休養ができず
高額な治療が失敗に終わってしまう。

年齢要因的に、受精卵を貯めた方がよいのに、とにかく移植してしまう。

逆に、まず移植してみればいいのに、様々な思惑や不安な心から
移植をせずに採卵ばかり繰り返してしまう。

これらみんな、ご自身の不妊に何が必要なのかという観点での
整理考察そして相談がなされていないので、遠回りしたり、もったいない
選択をしたりという混乱が生まれています。

ここを整理するのが私の考える不妊カウンセラーです。
不妊カウンセラーにはいろいろな立場の方がいらっしゃります。
当然、不妊経験者の方で当事者ならではの観点からの
カウンセリングを行う方もいらっしゃるでしょう。
それぞれかなと思います。

ですので、当院に不妊カウンセラーになりたいというお問い合わせをいただくよりも、私も所属し講師としてお話しをさせていただいている「不妊カウンセリング学会」の方にお問い合わせし、入会、学びをなさるのがよいのかなと思います。いろいろな立場、職種の方がいて、非常に面白い学会です。

写真は、2020年 11月28日(土)
不妊カウンセリング基礎講座
【WEB開催(ZOOM)】 「不妊治療の基礎を学ぶ」

zoomで収録のちょっと変わった講演となりました。
写真はご一緒させていただいた先生方と。
元々は東京のホールでの開催でしたが、コロナ下で急遽zoomとなり
大慌ての準備でしたがなんとか無事の講演となりました。
コロナで制限があり、辛いこともあるけど、いままでしたことのない
経験ができることもあり、とても楽しいですね。


 不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
 不妊カウンセリング学会 講師
        ビッグママ治療室 米山 章子