不妊治療をさせていただいて、多くの方々と沢山の時間をご一緒させていただいています。
数々の努力をなさっても、いまだ赤ちゃんに巡り会えていない。
このときに、もっともっと何か足し算をと思いますが、案外引き算、つまり何をすべきかを今ひとつ立ち止まって考える必要がある場合があります。
今回の症例では、充分やるべきことはなさっています。ただもう少しの工夫が必要でした。
症例もありますので、そちらもご覧ください。
それでは。
ご質問にお答えして
35才です。いままで、精神的な面、そして肉体的な面と自分でいろいろと努力して改善してきました。
食事、漢方、高度生殖医療にも挑戦していますが、なかなか結果がでません。どうしたらいいでしょうか?
簡単な経過
34才まで、食事改善と漢方服用を始める(現在まで)。肌の調子が良くなり、体が楽になった。仕事もだいぶん楽になった。
35才現在。不妊治療にということで、婦宝当帰膠や冠元顆粒、八味丸、芎帰調血飲などそれぞれに合わせて飲んでいます。今後どの様にかんがえていったらいいでしょうか?
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私からのお返事
☆いままでの努力は充分になさっています。
お子さんが欲しいと言うことで、鍼灸、漢方など色々頑張っていらっしゃいますね。
20代後半で身体を大きく壊され身体の器そのものを小さくしたこと、そして小さい器の
身体に負担になってしまった食生活と、生活リズムが、倦怠感などをもたらしてしまったと考えられます。
また、初診時に拝見したときに非常に皮膚が薄く、火傷がしやすかった状態も、器そのものの
弱さ、体表に気があつまり張っていること、胃腸の力不足で肌肉が十分やしなわれていなかったことを示しています。
☆精神的なストレスについて
精神的なストレスはお身体に大きな負担となりますね。これは20代後半のときもそうであったし、
現在でも続いていると思います。この身体のストレス状態は、ヨガや鍼灸などで充分よく
コントロール出来ていると思います。
☆食事について
身体の力そのものを養う胃腸の力が少し弱いため、疲労して底支えがなくなったり、食べ物に充分な栄養がなかったりすると、全身のパワー不足が目立ってしまい体力的なジリ貧状態になります。
朝食を取る方が、胃も楽、仕事中も楽、倦怠感も楽であり、昼食後の状態もよいということですので、食事全体のリズムを考え、バランスよくタンパク質を少し意識して食生活を進めていってください。
食事は、いろいろな思いや気持ちの中で重点を置きたいこともあるかと思います。まず客観的な指標として食事バランスガイドを参照にして、ご自身の食事をカウントしてみてください。予想外にタンパク質などが足りていないのではないかと思います。とりあえずカウント数を満たすというところからはじめてみてはいかがでしょうか?。その上で不都合があれば一緒に考えていきましょうね。
☆大豆製品について
卵巣嚢腫や、子宮筋腫などはエストロゲンの依存性疾患です。つまり生理がある限り悪化していきます。妊娠のご希望がなければ黄体ホルモン製剤のディナゲストなどを使ったり、閉経へ向けてのを希望する女性の場合は
☆漢方薬について。
漢方薬は、漢方の先生が考えてくださった生命観に乗っ取り進められていきます。
こういった治療は、その先生の方針、生命観に依拠するところですので、それぞれなのですが、
胃腸の状態をよくして器をしっかりするような漢方薬を選ばれるとよいと思います。
生理周期は確かに短いのですが、以前に比べて低温期が通常の長さになっただけです。
つまり身体が立ち直る方向性としては間違っていないと思われます。
また、現時点で、ストレス状態ともいわれる肝鬱はヨガと鍼灸で充分コントロール出来ていると思いますので、薬剤でこの点のコントロールまでもってくる必要は現段階でないのではと思います。それよりも薬剤では器を養っていく方向性をとるほうがよいのではと思います。