ナツメ ザクロ 女性によいのかな??

ある患者さんが、棗のスナックをお持ちになり、

『私は食べても大丈夫でしょうか?』とのご質問。

実はこの方は以前にザクロを『女性によい』ということで積極的に摂取し、
子宮内膜症がひどくなってしまったという経験があるのです。

ザクロは、このサイトでも紹介されているように、女性ホルモンと同じような働きをする
エストロンという成分があり、これが女性によいというキャッチコピーになるわけですが、
エストロゲン依存性疾患である子宮内膜症の場合は、この作用がかえって病態を悪化という事にこの方の場合はなったのかと思います。まあ、このあたりは人によるということもあるとは思いますし、摂取量との兼ね合いもあるとは思います。しかしながら更年期の女性ホルモンそのものが少ない状態の方であれば体調管理に役立つものでも、生理がある時期の女性の場合は注意が必要だなと思います。同様のことは大豆でも起こるケースを体験しています。

わかさの秘密

さて、今回ご質問の棗。

東方栄養新書を紐解きましょう

棗は『気血を補強するために欠かせない果実』とあります。
なんだか身体に良い感じで所ねえ。

ルーツとしての説明に『ナツメは貧血によく胃腸を丈夫にする効能がある「大棗」と言うなで上品の漢方薬として扱っています』と紹介されています。

たとえば有名な葛根湯、入っているのは、葛根(カッコン)、大棗(タイソウ)、麻黄(マオウ)、甘草(カンゾウ)、桂皮(ケイヒ)、薬(シャクヤク)、生姜(ショウキョウ)(ツムラ漢方サイトよりhttp://www.tsumura.co.jp/kampo/list/detail/001.html)

また、胃腸を整え元気を益すとされる補中益気湯。こちらにも入っています。
人参(ニンジン)、蒼朮(ソウジュツ)、黄耆(オウギ)、当帰(トウキ)、陳皮(チンピ)、大棗(タイソウ)、柴胡(サイコ)、甘草(カンゾウ)、生姜(ショウキョウ)、升麻(ショウマ)

体質的な相性として、気血両虚の方に向くということ、しかしながら甘味があり、いつもお腹がはって痛みのあるタイプには適しませんとのこと。ふむふむですね。

私はご質問のあった方は、クルミやアーモンドも食べているということなので、その全体量は変えずに、少しナツメも混ぜてみてはどうかなという提案をしました。

ナツメ、とてもよい果実ですが、やはり偏りすぎは少し注意が必要かなと思います。まあ逆にいえば、その偏りをつけるのが医療です。漢方薬で摂取することも多くありますね。この場合はまた少しスタンスを変えて漢方薬として調和の取れた形で処方して頂くのがよいかと思います。