CBTレッスン:14歳の娘の行動にイライラしてしまいます

・認知行動療法CBTについて

認知行動療法のレッスンは、実際におこったことをもとにしながら、ワークしていきます。

ワークというのは、出来事に対する自分自身の認知の有り様をしり、行動を変えるために、分析し、統合していくプロセスを書き出すことです。

 

私達の車は、出来事に対して、認知、感情、身体の反応、行動という4つの要素をもち

反応し、人生の道をあゆみます。

このとき、出来事に対して、あまり合理的ではない判断を自分がしてしまい、

感情や行動がつられて出てきてしまう状況を変えるために行う認知行動療法は、実際にワークを行い積み重ねるレッスンです。

 

・ワーク(出来事を把握し、書き出し、見直すこと)について

当院では、長らく、食事を変えて健康になりたいとか

体重のコントロールをしたい方に、生活食事記録をつけていただき、ワークをしてきました。日本人のための食事摂取基準を基本としたこのワークの力の強さに驚くばかりです。

食事改善のための努力でこれ以上のものをみることは私はありませんでした。

食事にはさまざまな情報がありますが、結局、シンプルなところに答えがあります。

認知行動療法ワークも、ストレス軽減というところでは、同じような効果が期待できそうですね。

さて、一緒に考えていきましょう

 

一緒に考えていくワーク:14歳の娘の行動にイライラしてしまいます

 

出来事

出来事:私が一生懸命に塾をアドバイスしたり、朝早く起きること、食事を食べることなど言っているのに、「うるさい」「鬱陶しい」などの言葉がかえってくるだけで、朝ご飯も食べずに学校にいってしまいます。朝ご飯を食べるなんてあたりまえだし、せっかく私が作ったご飯が無駄になります。なんで私の助言が届かないのか、娘の行動が理解できません。

 

自動思考・感情・身体の反応など

自動思考:なんで、娘は私の言うことをきかないんだ。娘は私の言うことを聞くべきだ
感情:イライラ

身体の反応:押さえられない血が頭に上る

解釈:

 娘がそんな行動するなんてバカだ。
朝早く起きて遅刻しないように学校に行くべきだ。
私がいやだと言うことを毎回いうのはおかしい。
家族で生活しているのに、自分中心で生活するのはおかしい。
私の理解できないような行動を取る娘はおかしい。
せっかく人が作った朝食を無視して食べないなんておかしい

ありがちな状況ですね。

 

書き換え/リライト 行動変容していこう!

 

これを書き換え/リライトし、行動を変えていく物語を考えましょう。

自動思考:なんで、娘は私の言うことをきかないんだ。娘は私の言うことを聞くべきだ

・認知の誤りチェック

ここで、認知の誤りがないかチェックしてみましょう。

・推論の誤りから

 すべき思考:娘は私のいうことを聞くべきだ

 感情的決めつけ:私は娘の一番の理解者であるはずだ

 結論の飛躍:私の理解できないような行動をするなんて娘はおかしい。

だいぶ、自分自身の認知の歪みがあることに気がつきますね

自動思考である、

自動思考:なんで、娘は私の言うことをきかないんだ。娘は私の言うことを聞くべきだ

について、反転させます。

・書き換え/リライト 反証

書き換え/リライト:現実的には、娘が私(母親)の言うことを聞かない事なんてあたりまえだ。

なぜならば、

反証:娘は反抗期なので、自分自身でもどうしたらいいのかわからない

  :娘と私は別人格なので、私のいうことをきかなくてもあたりまえ。

  :理解できない娘を無理に理解しようとしなくてもよい

  :自分も中学生の時に、親の言うことなんて聞かなかった

 

・行動変容 行動をかえていこう!

行動を変えてみよう

1)娘のいうことを聞かないようにする。

うーんこれだと、娘さんと同じ土俵に下がっちゃってますね。

じゃあ、もう一ひねり。

2)娘に、アドバイスしてもいい?と聞いてみる。

 これはアドラー心理学で言うところの「共通の課題にする」という方法です。

娘さんとは別人格であり、それぞれの課題があります。

日々何をするかを決めるのは娘さんの課題なんですよね。

それに介入するには、まず共通の課題にする必要があります。

共通の課題にして、娘さんにアドバイスしていい?一緒にあなたの行動ことを考えてもいい?と聞く姿勢をもってから娘さんの課題を一緒に考えていくと、親子関係泥沼事件は避けられるのかも知れませんね。

 

ワークは人それぞれ、気がつくことからはじまる一歩を踏み出そう

さて、ワークはひとそれぞれです。

私は今回、行動変容についてアドラー心理学の考え方をベースにしています。

他の考え方でもOKです。

とにかく、自分の今までの認知から抜けだし、新しい世界へ一歩を踏み出しましょう。

アドラー心理学