10−3 栄養は一端あげてから散布 :脾は昇清を主る

10−3 脾は昇清を主る

栄養はいったんあげて、頭まで届かせてから全身に頒布

東洋医学の考え方で面白いのはこの脾胃です。
胃腸の力を脾胃の力と考えるのですが、脾や↑ 胃は↓のベクトル。
つまりものを食べて栄養になったものはいったんあげて、肺という全身の蓋から散布になります。
頭のてっぺんにもとどくわけです。
そして胃はどんどん下に降濁し、リサイクルできそうなものは再びあげ、いらないものは
せっせと排出です。

おもしろーい。

さてさて、この脾の昇清機能について

昇清とは、水穀の清微を吸収し、心、肺、頭、顔面部へ升らせ、心肺で気血を化生し全身に栄養をおくることです。

これが脾の上げ上げきのうです。

この昇清という登りあげる力が足りないと、内臓下垂つまりあがらないってことです。中気下陥なんてことばがありますね。上にあげあげの力が足りないと内臓の下垂だけではなく、久泄(久しい下利)、脱肛などもおこります。

脾は昇るを以て良とする、胃は降を持って良とすると言う言葉があります。

昇清がうまくいかないと内臓を支える力が不足しますし、気血生化の源の不足ともなります。

ちゃんとあげあげしないと、健全なる考える力も不足します。
あげあげって大事ですねえ。