あげる」タグアーカイブ

18-1 肺の病機、肺気が上げ下げの機能を失った!

肺は大事な臓腑、さて考えていきましょう。

肺は、気を主る、呼吸を主る、宣発粛降、通調水道などの役割があります(詳しくは肺について
そんな肺のトラブル。二つの方面から考えます

肺の病機
18−1:肺気失調
肺失宣降、肺失粛降、肺気虚弱
18−2:肺陰失調
肺陰不足、陰虚火旺

それでは、本日のテーマ、「肺気失調」です。
肺気の大事なポイント、肺気の上げ下げが不調になったということです。

18−1:肺気失調は、この3つ肺失宣降、肺失粛降、肺気虚弱から考えます。

肺の重要な役割である宣発や粛降が出来なくなったり、肺気そのものが虚損している状態について考えます。

肺失宣降

原因:外邪(風寒、風熱)、痰湿、オケツの停留

肺気が宣発作用を失った場合:せき、くしゃみ、鼻づまり、多痰、毛孔の閉塞(無汗、畏寒)

肺失粛降

肺気が粛降作用を失った場合(津液を腎へ送る作用を失っている)
:肺気上逆(気の喘息、胸悶、痰が少ない)
:水道不利(水の喘息、材料不足で尿が少ない、体表を主っている肺気が落ちるので浮腫がおきる)

肺気虚弱

原因
1、肺の宣降機能が長く改善しない、
2、脾胃虚弱による血、気、不足
3,津液代謝の異常ー痰飲、浮腫

肺の機能が低下しているということです、肺気の虚弱は全身の虚弱につながります。

案外、肺気の不調をコントロールするのは難しいです。

肺気を鍛えることそのものが生活を整えるということに直結する事が多いからです。
規則正しい生活を心がけ、生命力の積み増しをしていきたいところです。
また乾布摩擦、日光浴なども肺気を養うには効果的です、つまり皮膚の鍛錬です。

鍼灸では、肺気虚弱を肺兪、身柱、太淵、足三里などという経穴からかんげて見ることも可能です。
これまた全身の気虚を補うということとかなり近い発想になりますね。

10−3 栄養は一端あげてから散布 :脾は昇清を主る

10−3 脾は昇清を主る

栄養はいったんあげて、頭まで届かせてから全身に頒布

東洋医学の考え方で面白いのはこの脾胃です。
胃腸の力を脾胃の力と考えるのですが、脾や↑ 胃は↓のベクトル。
つまりものを食べて栄養になったものはいったんあげて、肺という全身の蓋から散布になります。
頭のてっぺんにもとどくわけです。
そして胃はどんどん下に降濁し、リサイクルできそうなものは再びあげ、いらないものは
せっせと排出です。

おもしろーい。

さてさて、この脾の昇清機能について

昇清とは、水穀の清微を吸収し、心、肺、頭、顔面部へ升らせ、心肺で気血を化生し全身に栄養をおくることです。

これが脾の上げ上げきのうです。

この昇清という登りあげる力が足りないと、内臓下垂つまりあがらないってことです。中気下陥なんてことばがありますね。上にあげあげの力が足りないと内臓の下垂だけではなく、久泄(久しい下利)、脱肛などもおこります。

脾は昇るを以て良とする、胃は降を持って良とすると言う言葉があります。

昇清がうまくいかないと内臓を支える力が不足しますし、気血生化の源の不足ともなります。

ちゃんとあげあげしないと、健全なる考える力も不足します。
あげあげって大事ですねえ。