14−2 味方にもなり、敵にもなる外からの影響(六淫)
外因:外から私たちに影響を与えるモノ
風、寒、暑、湿、燥、火これらは外気です。この外気は身体の成長を促すモノになります、しかしながら身体そのものの力によっては、身体を劫かすもの、つまり外からの邪気とも考えられます。強い風が吹いたって「風の日おめでとう!」というくまのプーさんもいれば、風によって風邪を引いてしまう人もいるわけです。
さて、この邪気である外因として、風邪、寒邪、暑邪、燥邪、湿邪、火邪 の5つを考えています。外から身体に影響をあたえるものです、つまり風邪という外からの邪気が身体に影響をあたえるわけです。また内側から身体に影響を与えると言う観点で、内風という概念もあります。これは内側からの弱りによって邪となり内風となり身体を痛めるという観点です。外邪としての風邪は外因、内側からの風邪は内風として分けて考えます。
しかしながら、生命力の弱りがなければ外因に影響を受けることもありませんし、生命力の弱りがなければ内風が生じることもありません。生命力の強さ、弱さがポイントであると考えると、これらの病気の原因ということから考えるよりも、「生命力のありよう」という観点から考えていく方がより具体的だと思います。
簡単に外因の外邪をまとめておきます。
風邪:陽邪 開泄、上部や陽位をおかします。
よくうごきますし、六淫の発病因子ともなります。
寒邪:陰邪 陽気を損する
→体表を犯す:衛気、衛陽を損する、悪寒、鼻水、脈浮緊、苔薄白
→脾胃、脾陽を犯す:脘腹冷痛、下利、嘔吐、脈浮緊、苔白膩
→心腎、腎陽を犯す:病重い、陽気がとても損傷、肢体の冷え、下利清穀、頻尿、苔白滑、脈微細
→凝滞:経絡(経気不調)を犯す、気滞血瘀→疼痛
:血脉(気血不調)を犯す ☆生理前に冷たいモノで疼痛が起きやすい
→収縮 :体表→悪寒、発熱、無汗
:血脉→頭痛、身痛、脉緊
:肢体関節→肢体拘縮、四肢収縮、しびれ
☆熱が出ると寒がり、肩のこりが減る
分泌物が澄、散、清、令
暑邪:陽邪 火熱の気より
→発熱、上焦発散、気血津液を犯す
燥邪:口鼻から入り、肺衛を犯す、乾燥、肺に入りやすい
湿邪:陰邪、長夏の主気
→重く濁る 重いー体表 肢体困倦 頭重い
ー経絡 痛み 四肢おもだるさ
濁るー下痢(粘稠、泥状)、白苔、小便混濁、脚気、失神
→陰邪:脾胃の陽気の運化を阻害 飲食物の消化吸収に影響
食物:胸悶、悪心、腹脹、食欲不振、消化の不足、下痢
水:少尿、浮腫、腹水
下向きに陰位を犯す、膝、足、 内湿(脾虚から)と外湿
火邪 陽邪 炎熱上行
犯す部位で分類 全体:発熱、高熱、煩躁、不安、大汗、脈洪数、舌赤
局所:目赤、顔色赤い、瘡症の発赤熱痛
身命:心煩、不眠、多夢、イライラ
経絡上を傷灼しやすい(生風動血)
迫血妄行しやすい→血流異常、出血 吐血、下血、血尿、崩漏
気血津液を犯しやすい
気を犯す 芒力、めまい
津液をおかす、口渇、舌乾、尿少、便秘、皮膚乾燥
☆虚熱の場合は陰虚とのつながり
内火(虚火)→陰虚による内熱
外火→火熱邪
1)湿は集まると
2)水湿の異常によって痰が生成される。痰は湿の性質をもち長い時間がたつと熱化
3)風邪 せき 痰(はじめは薄い、白い)→長い時間で黄色や熱化