一人じゃ寂しいと思ってね・・

ブログやネットで書くと言うことをはじめてもう20年ぐらいたつのでしょうか。
パソコン通信という時代からですから長いです(^^ゞ。

なんか、このところ年を取ったなと思うことが多くて
ふと昔のブログ記事を読み返してみました。

12年以上前のこの記事。
この患者さんとは、沢山の思い出があります。
読み返して、なぜこの記事が目にとまったのか。
きっと彼女が私のちょっと寂しんぼしている私の心に
寂しいのねってと思ってきてくれたんでしょう。

ちょっと再掲しておきます。
お時間のあるかたはどうぞ。

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午前中の一番最後の患者さん。86歳の一人暮らしの女性です。
彼女が、今日も治療を受けながらいろいろなお話をしてくださいました。
芸術家肌のこの患者さんのお話は、いつ伺っても新鮮で、はっとさせられることが多いです。

腰が痛いというお話から

『あなたは、まだ若いからわからないわよねえ50代、60代はそうは思わなかったけど、80をすぎて、あちこちが壊れていく感じがするのよねえ・・。これが老いて死ぬことに近づいていくことだなあって。』

 

私の夫が、近くのお地蔵さんにお花をあげているという話から

『ほとけさんはね、必ず助けてくれるのよ。お父さんに、これから出かけますから、転ばないように見守ってくださいというと、転びそうになっても、なんとか転ばないですむのよ。』

 

『なくしものをしても、これから注意しますから教えてくださいっていうと、翌日に出てくるのよ』

 

『このところね、寝るときに必ず誰か枕元にいる感じがするのよ。おとうさんとか、子供を抱いた誰かとか。ああ、私が抱いているのかしらねえ。朝、目がさめると誰もいなくて、ああもう先に箱根(ご主人の勤務先)にいったのかななどと思っているうちに、ああ夢だったのかって思うのよ。きっとみんなが、私が一人暮らしだから寂しいと思って出てきてくれるのよね』

 

こうやって、さらっと、ご自身の一人暮らしを語れる、強くしなやかな彼女が私は大好きです。
歩いて10分ほどのお宅なので、犬ちゃんとの散歩のときに寄ったりしています。そうすると、『慰問に来てくれたのね~』とゆっくりと喜んでくださいます。

 

お子さんたちは、車でいける範囲にすんでいらして、時々彼女のところを訪問したり、電話で見守ったり。自分のペースで一人暮らしをされている彼女は、お子さんたちに見守られ、なくなったご主人に見守られ、ご両親に見守られ、日々を過ごされているのだと思いました。