不妊治療が前に進まない、ひどい頭痛、首肩の痛み、44才出産 0177

妊娠というのは、やはり健康な母体が望まれます。
妊娠そのものが、身体に大きな負荷がかかりますし、
妊娠の成立には、血流のよい生命力のある状態が必須です。

それでも、今できることを精一杯おこない、
高度生殖医療などの手を借り、
なんとか赤ちゃんを抱くことが出来るという方もおおくいらっしゃります。

妊娠へ向けての身体作りは、
その方の健康度をupさせるということとつながります。

確かに年齢要因的に『若い方が有利』であることは間違いがないです。
ただ、その方にとって、『妊娠が望めるような体調』を手に入れるには時間が
かかったり、『卵の質をあげる』ことにも時間がかかったりすることもあります。

今、出来ることを精一杯していく。
そのお手伝いが出来れば嬉しいです。

☆ご相談

36才で結婚し、妊娠を希望していました。

不妊一般検査では大きな問題がなく、タイミングを指導して頂いていました。
38才にて大学病院で体外受精をおこない、移植しようとしたらしら子宮筋腫が
8個みつかり手術。その後移植したものの妊娠しませんでした。

有名クリニックへ転院し、体外受精をしたものの、卵そのものがよくなく、
胚盤胞まで到達するのですが拡張期へと進むことができず、不妊治療が前に進みません。

もともと若い頃からひどい頭痛もちであり、目の前と奥で時に目があけていられないほどの頭痛となります。脳外科脳神経外科を受診し、現在は経過観察中です。

体調も悪いのですが、年齢要因で妊娠しにくいと診断されたのが38才。

すでに私は41才になってしまいました。
どうしても子供が欲しいと願っています。
なにをしたらいいのでしょうか?

 

☆ビッグママからのお返事

いろいろと努力をなさりがんばっていらっしゃりますね。

充分、やっていらっしゃるとおもいます。
確かに不妊治療においては年齢要因は大切ですが、
現時点で、採卵ができ、凍結胚もそれなりに出来たこともあるわけですから
不妊治療におけるベースとなることには、大きな問題はないかと思います。

それよりも、ご自身の全身的な体調のほうが、妊娠ということに対しての
課題となっていますね。

若い頃からの頭痛、脳梗塞の疑いを指摘されたり、膠原病の疑いという診断をベースに、東洋医学的な四診や体表観察とあわせ考えると、身体の底力が不足していること、
また冷えの入り込みが首や督脉(骨盤から背骨を通り頭へと通じる経絡)への大きな負担となっていると思います。

冷えの入り込みが継続してしまっていることが、身体への負担となり、不妊、頭痛、また体の不調となっているわけです。

身体の弱りが明確なので、時間がかかるかもしれませんが、しっかりと素体を作り、よい卵が採卵できるようにしていきましょう。
妊娠ー出産し、子育てに対応できる身体作りをしていきましょう。

☆☆東洋医学的な証立てと治療方針

腎虚 風邪の内陥 瘀血 督脉の冷え
疎風散寒、補腎、温通温養督脉

治療方針
風邪の内陥をとりさり、腎気を救い、督脉を温通温養させることによって腎気の底支えをつくる。瘀血にてついては、東洋医学では腎気の底支えと督脉の温養で対応できる範囲としあとは西洋医学にゆだねる。督脉腎気の温養によって女子胞に余力が伝播する様にし妊娠に向けた身体作りとする

☆治療経過

41歳 ビッグママ治療室受診
採卵を繰り返し、胚盤胞にして移植。
残念ながら妊娠にいたらず。

42歳
病院を変える。
多精子受精になっていること、また体重が多すぎると言うことを指摘される。
採卵、移植を繰り返す。
移植ー妊娠反応が出現ー継続出来ず。

 鍼灸治療の頻度を週に2回へ。
2ヶ月後、鍼灸治療の頻度を週に3回へ

43歳 採卵を続け、凍結胚が出来た。
移植 2段階移植をおこなう。 判定日hcg22 低い
鍼灸治療を極力多く入れる(1週間に4,5回)hcg↑、Pもだんだん↑

・鍼灸治療の頻度をあげたら、首、肩こり、頭痛がなくなり、首が痛くなく曲がる
・不妊クリニック妊娠にて卒業
・鍼灸治療は週に3回で継続 首の大きな膨らみが減ってきた、頭痛なども良好

督脉を温養し、頭痛の軽減のため、治療では毎回三角温灸をしていく。

大椎 三角温灸 督脉 頭痛 喘息 リウマチ イラスト

44歳 無事に元気なベビちゃんを出産! おめでとうございます。

 

☆治療を振り返って

本当に、頭の下がるような丁寧な努力をされての日々でした。

根深い頭痛は、ご本人の素体の問題であり、この改善が結局、不妊の問題も解決してくれたように思います。

鍼灸治療の頻度を42才から週に2回、最後の移植時には週に4,5回おこない、判定日に低かったHCGながらも無事に元気な3000㌘越えのお子さんを出産なさりました。

この鍼灸治療の頻度をあげることは、採卵周期、移植周期、そして妊娠判定がでてから12週ぐらいまでの妊娠が安定するまでの時期に取り入れると非常に効果的です。

血流というのは、必要とするところに持っていく必要があります。

その手助けに、鍼灸は役に立つといえます。

☆アンケート

アンケートをご記入いただきました。
長い時間を共に過ごさせていただき、無事に出産までたどりつけたこと、
何よりだと思います。

今できることをしっかりと行う
するべき努力の方向性を見極め、しっかりと行う。
とても大事なことです。

『何をしたらいいかわからない』
というときには、是非不妊カウンセリングを受けてくださいね。

課題を明確にしましょう。