自力で生理がこない無月経、不妊、体調を整え自然妊娠 出産 0057

 

体調が悪くなると、生理が来なくなる方もいらっしゃりますね。無月経は長期間放置すると月経の再開すら難しくなります。生理が3ヶ月以上止まったら婦人科受診をお勧めします。

☆無月経は放置しないで!

無月経や早発月経の専門家のドクターで、

 『2年以上の放置で自力排卵への治療がかなり困難になる』と仰る先生もいらっしゃります。

私も多くの月経不順の方の不妊治療にお供させていただきましたが、無月経期間が長くなるとなかなか自力排卵がおきなくなってしまいます。

生理が止まったら婦人科を受診し、原因を明らかにして対処をしておく必要があります。ピルなどを使って月経をおこしておくことも必要なことがありますね。

無月経、生理の乱れについてはこのサイトのアニメがわかりやすいです。
ちかえレディースクリニック

☆早発閉経に対する病院選び

40才以下で無月経を『早発閉経』といいます。早発閉経では聖マリアンナ医科大学が有名で、またこちらで長年専門家をなさっていたドクターが開いていらっしゃるローズクリニック。こちらの石塚先生の治療に、私は過去なんども驚いたことがあります。なるべく早めの相談がよいかと思います。ローズクリニック

 

☆無月経、重度の月経不順と不妊鍼灸治療

 

無月経や、重度の月経不順は放置しないということで、私はとにかく婦人科受診はお勧めします。

そこを大前提ポイントとしながらも、妊活がからんでくると、なかなか問題が解決しない場合もあります。

不妊 妊活の場合は、生理をおこすことではなく、排卵ー受精ー妊娠 この一連の流れで妊娠することが目標ですね。妊娠して生理を止めよう!です(^^)

今回は、20代と年齢的にはお若いのですが、無月経になりやすく、病院での治療をしてもらっていますが、なかなかうまくいかず、かえってストレスを感じ、体調も悪化してしまっている症例です。

一緒に考えていきましょう。

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不妊:相談
いま、自力では生理がこない状態です。
妊娠を希望していて、病院では高プロラクチン血症と診断されています。脳の下垂体腫瘍(プロラクチノーマ)などが原因ではないとして、対処療法としてカバサールを服用していますが、いまひとつ効いている感じがしません。ときにどうしても生理がこず、ピルを使って月経をおこしましょうといわれることがあります。

排卵をおこす薬を飲んでも、なかなか卵胞が育ちません。がんばって排卵することもありますが妊娠でき状態が続いています。また何度も通院しても、結局排卵が起こらないこともあります。

2年ほど前からとても体が冷えるようになりました。冷え性や肩こりがつらいです。ときに強いだるさや不整脈もあります。食欲もありません。手足がとてもひどく冷えて感覚もないほどです。

妊娠をしたい、不妊を治療したいという強い気持ちはありますが、こんなに体調が悪いまま妊娠していいのかという不安もあります。

どうしたらいいのでしょうか?

☆ご相談にお答えして。

 

妊娠したいというご希望と、病院に通っても妊娠できまい事。そして体調そのものが悪くて日々が辛いということですね。がんばっているのに前に進まない状態辛いですねえ、とてもよくわかります。

東洋的な観点からお話しを伺い、お身体を拝見しますと、全身のパワー不足(気虚)の状態が根深いように思えます。生理が来ると言うことは全身の余力です。余力がないために、生殖機能までを充分に整えることができないのでしょう。つまり排卵をおこすほど身体の力に余力がないということです。

胃腸の力不足、土台の力(腎気)の不足によって、全身の気虚が引き起こされ生理の不順、女子胞力(子宮の生命力)の不足を引き起こしていますから、

急がば回れで、まず体調を整えていくことにしましょう。お若いのですからあせらず、少しずつ体力を回復させ、生理の問題も解決していくようにしていきましょうね。

 

☆☆東洋医学的な弁証論治

・弁証 気虚 腎陽虚 衝任脉の虚。
・論治 健脾温腎
・治療方針 脾気をたて、腎気を温陽し身体を温める力をつけていくこと、 そして、気虚を解決し、衝任脉を健やかにしていくことを目標とする。

方針:
生命力の土台の力(腎気)がかなり不足してしまっています。また、胃腸の力も弱いために、食物からエネルギーを受け取り体を温め養う力も不足気味です。

 

現時点で自力で生理がこない、妊娠したいという希望があるため婦人科での治療をしていますが、まだ年齢がお若いのですから少し心身をやすめるためにも通院をやめて月経の様子を見ながら判断してもよいのではないかと思われます。

西洋医学の不妊治療について
西洋医学の不妊治療は、高プロラクチン血証の薬やそのほかのホルモン剤などを服用なさったうえに、タイミング指導による不妊治療をなさっていらっしゃりますね。だいぶ頑張っていると思います。

ただ、ちょっとだけ疲れちゃいましたね。それもよくわかります。
妊娠のことを直接的に考えるのは少しお休みしてはいかがでしょうか?。妊娠の事ばかり考えてだいぶ煮詰まっていると思います。

身体をしっかりさせ、気持ちも心も充実させ体力をとりもどし、自力で生理がくるように、そして基礎体温がしっかりと2層を描くように、半年程度を目安にしながら鍼灸だけで頑張ってみましょう。

治療に対して反応が悪かったり、やはり無月経が3ヶ月以上続くようでしたら、妊娠のための治療という主軸を少し棚上げして、無月経のための調整(ピルの服用など)をドクターに相談してみましょう。無月経を放置をしないということは大切で、それだったら不妊治療をということになると思いますが、不妊治療まで踏み込むと気持ちと身体がまた参ってしまうと思います。西洋医学的には保存的な考えをし、東洋医学的には身体の底力をあげるという両建てである程度の期間を過ごしてみることをお勧めします。

身体の状態がそれなりに安定し、生命力がついてこれば、不妊治療もスムーズに進みます。20代とお若いのですからその期間を1年程度は考えてもよいかと思います。

 

☆鍼灸治療 セルフケア

鍼灸治療 治療頻度週に1−2度。
左の陽池外関(温灸ーしっかり) 左右三陰交ー足三里(鍼、温灸)左公孫ー大(SP2)
肺兪温灸 脾兪(BL20) 三焦兪 腎兪(BL23) 次髎(BL32) 大巨(ST27)、臍、関元(CV4)

イラスト

毎日の養生
・養生お灸を鍼灸治療に従って毎回印をつけたところにおこなう
・食事を充実させる。タンパク質、ビタミンの摂取をきにかける
・太陽の光を浴びながら歩くことを生活の中に取り入れる

 

イラスト

 

☆治療経過:

治療開始半年後:全体に体調がよくなる。気持ちも明るくなってきた。
10ヶ月後:生理が多少の遅れはあるものの整ってきた。高温期もしっかりしてきた。
1年後:ほぼ生理の問題は解決、体調も非常に良好になった
1年2ヶ月目:高温期が続きそのまま妊娠ー無事に出産
3年後、無事に第二子も出産

 

☆あとがき:

高温期が続き、生理予定日から2週間たったところで病院の受診をお勧めしました。

『ちゃんと治療しなければダメだよ』ととても気にかけていいてくださったドクターは、以前のカルテをめくりながら、生理不順や高プロラクチン血症の状態を確認して、

『あなたが自然妊娠出来たの?』と驚いていたそうです。

今回のケースでは
1)年齢が20代と若かったこと
2)ご本人に体調そのものが悪くて、まず妊娠よりも体調をあげたい

こんな思いがあったので、ゆっくりとあせらず落ちついて身体作りに取り組むことができました。結果的にこの急がば回れの作戦がスムーズにふたりめのお子さんまで授かる方法となったと思います。

妊娠と言うことを考えると、どうしても体調全体を無視して、『早く妊娠したい!』排卵をおこそう、ホルモンの数字を整えようということになりガチだと思います。

その『早く早く治療!』をして、スムーズに行けばいいと思います。スムーズにいくケースも多いと思います。しかしながら、スムーズに進まないときは、一歩引いて全体をみて考えるのもとてもよいかと思います。

第一子を出産後、産後の養生のお手伝いもさせていただきました。その後体調が非常によくなりよいリズムにスムーズにはいっていくことができ、第二子も自然に授かることができ、元気なお母さんになられました。

 

 

 

ビッグママ治療室
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不妊カウンセリング学会

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日本生殖医学会

Q&A
http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa01.html

続発性無月経の鑑別