私の受けたい治療② 症例数万件の鍼灸臨床を通じて思うこと

私の受けたい治療②

☆症例数7万件以上の鍼灸臨床を通じて思うこと、感じたこと。

私は、ありがたいことに数多くの患者さんと一緒に時を過ごすチャンスを頂きました。

これは臨床家としてはかなりありがたいことです。

鍼灸というのは、あまりメジャーな選択肢ではありませんよね。

普通は、身体の調子がわるいといえば病院、

そこで大きな問題がない、でも調子がわるければ、

整体や、手技療法のほうが一般的な選択肢ではないでしょうか?

ほかに、食養生、体操、運動。

身体作りといえば、そういった選択肢が一般的で、

私も、患者さんの立場で選ぶのなら、その通りだと思います。

☆体表観察を通じて思うこと

鍼灸臨床は、そのアプローチする1点をみつけるために体表観察をします。

東洋医学で言う四診が大きく見立てる方法です。

私自身は論理的な身体の見方は弁証論治というガチ論理でできています。

それには、この四診が身体の情報をとる大前提となります。

この情報をしっかりとり、四診のなかの体表観察を上手にくみあわせることで、

ご本人にとって、必要な事が理解でき、

『効く』アプローチにつながります。

この『効く』アプローチは、時系列を考えて『効く』ということにもつながり、

その方の人生を応援するという治療方針がたてられます。

そして、今日の治療についても『効く』アプローチをすることができるわけです。

また逆に、なぜ1回の治療だけでは『効く』ことにつながらず、積み重ねが必要なのかという理解にもつながります。

☆論理と観察の組み合わせを

この論理と観察の組み合わせは、私が臨床を通じて非常に大事だと感じています。

でも、鍼灸師であっても、この論理と観察の組み合わせを出来ている人が案外少ないです。

あれこれ学んでいる人も、沢山の知識があるのに、それを目の前の患者さんを見るという道具に使いこなせていないケースが多々あります。そして症状からどうやって解決?とおいかけていて迷宮入りをしています。

症状から追いかけるのも時にOKです、でも、全体観を見失わないようにしなければ、物語につながらないのです。さまざまな症状、その対応はいったい全体の流れの中ではどういった位置づけなのか、そこを知ることが大切です。

☆☆症例の書き上げから学んだこと:人生の物語で考える

私は症例として書き上げるという症例200本ノック(^^ゞを行っています。(これは私のWEBサイトをみていただければ症例集として乗っています)。こういった、目の前の方を四診を通じ過去から現在、そして未来に向かって考えるという発想をもって治療に取り組むことが、妊活やベースとなる身体作りに貢献できるんだという実感をもっています。

☆☆西洋医学では解決し得ない課題:生命力をあげる

妊活は、器質的な課題、つまり卵管の閉塞や排卵障害、子宮の形など西洋医学で対応せざる終えない、対応した方がスピーディーな課題が多くあります。しかしながら、それ以外のご自身の生命力の課題は、西洋医学では解決し得ない問題です。

妊娠をしてもしなくても、その人は個として生きています。

ここが大事。

別にいいんです、生殖は個にはあってもなくても。

でも、生命を連綿とつなぐ種としてはやはり必要であり、人の根底の望みだと思います。

そのために、何が必要か、その答えに、『生命力の余裕をつける』ということです。

これは日々の生活だけではなく、余裕資金をもって人生を歩むとゆったりと歩めるというお金の使い方と同じなのです。

この余力の積み増しが、人生を豊にします。

そして余力の積み増しのシステムが人間には備わっています。

もし、火事が起きたときに必死で逃げる『火事場の馬鹿力』的な普段は発揮することがないけど、緊急時に発動できる余力が、人生の妊娠などさまざまな突発的なエピソードを

柔軟に乗りこなしていくための余裕資金なのです。

☆☆生命力の余力をつけるために

日々の体調コントロールが、施術を受ける一番の目的になることは理解できます。

そしてこの上に、生命力の余力を積みます発想をもった治療をすることが、

とても大事だと私は思います。

日本には伝統的に温熱療法があります。

琵琶の葉温灸や、光線療法、セルフケアのお灸療法など数々の温熱療法は、

この生命力の余力をつけるという観点からみると、非常に大きな役割を担っていると思います。

この発想に、少しだけ東洋医学の論理をいれ、全体観をもつ。

それがあったら、鬼に金棒って思うのです。

そしてそんな治療を私は受けたいです。