私の受けたい治療⑭ 治療の種類、道具の選び使い方、お灸が大好き!
さて、①-⑬まで長らくの私の臨床経験を語ってきました。
私はいつも、『自分が受けたい治療』を治療院でみなさんに提供したいと思っています。
その自分が受けたいという視点が中心。
書いていて、かなり厳しいこというな〜>自分!
とは思います。
うん、患者さんとして、このレベルのリクエストを突きつけられたら
困っちゃう治療者は多いと思います。
それでも、私はこんな治療を受けたいんだもんっていう、視点はぶれず、あえて難しいことも言おうとおもいます。
世の人は、この業界のありようや、鍼灸やマッサージがなにをしてくれるのか、何ができるのかということをご存知ありません。だから、
世の中の宣伝広告にパッと惹かれます。
ニーズに上手く応える、治療院のロケーション、時間設定も大事ですね。
また説明がうまいとか、サービスの点で納得というのもわかります。
わかるんです、それらも必要であってほしいということは理解できます。
それでも、あえて、私自身が、長らくこの東洋医学の施術を受けてきて、自分の身体をいたわり、大事にするために『自分が受けたい治療』があります。そしてそれを提供したいし、提供できる努力を続けたいし、受けたいんです。
さて、具体的に話していきましょう!
☆施術者の技量:人を診る観察力を持っていてほしい。
・ちゃんと、患者の身体をみることの技術と経験を持っていてほしいです。
・課題を解決出来る技量を持っていてほしい
・経験と実践の両輪がある施術者の治療が受けたい
書いていてあたりまえの事ばかりなのですが、これ案外高いハードルなんです。
鍼灸学校というのは、国家試験の合格をめざすのが一番で、案外、技術的なことはサラッと一巡という感じで、その人の技術と経験をあげるには、そのあとの修行が何よりも大事。
そしてこの修行の道が案外険しいのがこの業界です。
他の医療職と違って、保険診療の枠ではないので、鍼灸学校卒業後も、数年の修行が必須だと思います。私自身も学校3年のあと、大学病院での3年、弟子入りなどをいれて、4年のガチ修業時代があり、その上で、いつまでも勉強であると言う日々はいまもかわりません。
☆治療の針、灸、道具について
・鍼灸ならばディスポの使い捨ての針を使って欲しい。
・お灸も、ただ暖めるだけではなく、しっかりやってほしい。
・鍼とお灸ならばお灸がメインで鍼が補助といった感じの治療がいい。
鍼はディスポというのは、必須ですね。
色々なメーカーがあるのですが、私は日本のセイリン社製のものをつかっています。
値段は高いですが、やはり信頼。
お灸は、煙の問題があり、案外使うことが出来ない治療院も多いです。
また、お灸には本来、撚って(ひねって)火をつけて、ある程度のところで取るとか消す。リズミカルに施灸するというのは技術が必要で、修行と訓練がないとできません。
まあ代替としてセンネン灸などもありますが、これは治療の方向性として撚るお灸との違いが大きいです。撚るお灸が出来る上で使うセンネン灸タイプという技術は持っていてほしいですね。
温灸は、やはり換気装置が必須です。
当院では、治療院の中に8台の換気扇があります。
これってもうかなりすごい数です。
初めは4台でしたが、温灸の煙のすごさに窓用の換気扇を足しました。
温灸やるならばここまで設備が必要です。
そして換気をどんどんすれば、室内の温度調整もむずかしくなります。
お灸、温灸をするといった前提にたっての治療院作りが必須だと私は思います。
☆治療の刺激量
・鍼の刺激は穏やかなものがいい
・鍼が怖くないと思える治療がいい
・鍼を沢山打つ治療はイヤ。
・強い鍼の刺激の治療はイヤ
・電気でピクピクさせる治療はイヤ
・お灸で火傷ができるのはイヤ
・単なる温灸だけではなく、さまざまなお灸を使った治療がいい。
鍼治療というと、テレビで美容針をみたとか、なにかさしてぐりぐりしているというイメージの方が多いのかなと思います。
この鍼治療というのは、専門家であり、臨床の世界に30年近くいる私でも、『隣は何をする人ぞ』といういぐらい、実際にどんな治療になっているのかは、不透明な世界です。
ただ、どうしても、『治る』を追求すると,『強い刺激』を求めがちで、打った鍼にコードをつけ電気を流し筋肉をピクピクさせたり、神経、筋肉などを深く狙う鍼なども多くあります。山のように鍼を打つ流派、顔にもばあーっと沢山うつ美容針も最近見かけます。
そういったなか、私としては、鍼そのものの刺激は穏やかなものがよいです。
単に『痛くない鍼』や『刺さない鍼』ではなく、鍼を使って、シンプルで穏やかな施術がいいのです。これが私の受けたい治療です。鍼と言いながら痛くないとか、刺さないを追求すると、これはこれで、鍼のよさを難しくしているように私には思えます。シンプルに効かせる事のできる鍼灸を受けたいですし、施術したいです。
お灸は、昔は火傷をつくるのがお灸という時代もありました。
お婆ちゃんの背中に大きなお灸のあとがあったなどという薄い記憶がある方もいらっしゃると思います。これは打膿灸と言いますが、それはそれでその世界がありました。
私は自分が受けたいお灸で、火傷はなるべくない方がよいとおもっています。
ただし、お灸ですので、火傷が出来るリスクがあるのもしょうがないなと思います。
そのうえで、なるべく火傷は少ないお灸を受けたいです。
また、お灸というのは日本の文化に根づいてさまざまなお灸があります。
私はこのさまざまなお灸を楽しんで行きたいと思っています。
私の受けたい治療、だんだん明確になってきて、楽しくなってきました。