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0014:臍の舟形の抜けがあらわす全身の気虚

東洋医学の言葉ってのは、同じ言葉で違うことを表していることがよくあります。

例えば、気。もうほんとうに、元気がありますねえ〜から、血とからませて気血の流れといってみたり、
気虚という全身のパワー不足を示してみたり。

これは、何に対していっているかという言葉の前提が大事になるんです。

ということはさておき(だって、まあ理屈だからね(^^ゞ)

お腹をすうっと拝見すると、お臍を中心に舟形にがつっと抜けていることがあります。

臍を中心とする舟形の抜け。これはかなり全身の虚がきついなと判断します。
この症例の方はぱっとみるとこれがきつかったです。
そしてどんな状態だろうと細かく見、治療方針をたてることで、この人なりの充分な
カラダ作りになり妊娠そして出産にいたりました。

ご本人としてはこの五臓の状態、全身の気虚の状態であっても、『それでも地球は回っている』とばかり、ちゃんと日々を責任をもっていきていらっしゃります。私はあまり小細工はせず、シンプルに腎気を中心に気血を補うことで、腎を中心とした気虚を救うという目標に到達することができました。

配穴はこちら。臍、背部腧穴、そして足では足三里というスタンダードなところでの勝負ですが、
非常によい手応えがありました。

今考えるとすると、足の臨泣はつかわなかうてもOKではないかと思います。こういった気虚がきつい方のばあいは末端穴まで使うとちょっときつすぎるかもといったあたりですねえ。

二人目不妊、「この子がいるから兄弟が欲しいんです」(0155)

子供が欲しいというシンプルな希望。

二人目不妊の方の場合は、「この子がいるから兄弟が欲しいんです」というご希望をおっしゃる方が多いです。

不妊治療をなさる方に候うと、ご自身も兄弟が少なかったり、またそのご兄弟にもお子さんがいらっしゃらない。つまり、第一子には周りに同年代の親戚がいないという状況の方が多いように思います。

また、親となるご自身が40歳前後であれば、その子供が成人し、子供を授かる年齢になるころには自分は70歳を越えます。成人してからの問題を相談し合える兄弟が欲しいというのは、親として当たり前の望みなのでしょう。

この症例の方は、一人目を30代後半で授かり、その後二人目への挑戦をなさっています。しかしながら、子育ての疲労や年齢要因などが重なりなかなか前に進まないという状況。二人目不妊ならではの課題に直面されていました。

この困難な状況の中、丁寧で地道な努力のおかげで、無事に妊娠、出産されました。兄弟二人、本当によかったなあと思います。

人は社会の中で育ちますね、兄弟姉妹。子供ならではの楽しい関係が生まれそうですね。

↓ビッグママ治療室の症例集で見る
20回以上の採卵周期、二人目出産(44歳出産)

二人目不妊 貧血 マクロビ 体重減少(0107)

食事の問題は難しい課題です。

この難しさには、「ご自身では普通と思っていることは表面に出てこない」ということと、
「よい、という答えが個別具体的である」ということにあるのかなと感じます。

つまり、「お菓子は健康に悪い」と思っていらっしゃる方は、その情報がちゃんと出てきます。
お菓子をつい食べちゃうので、体調が悪いのでしょうか?などと意識に上っているのですよね。
でも、”お菓子が悪いなんて思いもしない”人からは、その情報があがってこないのです。

また、「普通」も案外違います。

こんなことから、何がその人に強く影響を与えているのか、を知るのはとても
難しいのです。

本症例の患者さんも、健康のためと厳しい食事制限をなさいました。
しかしながら、かえって健康の足を引っ張ってしまったようです。
食事は個別具体的に考えていく問題であろうと感じています。
一般論的に『これがよい、これはいけない』と決めつけるのは問題が
大きくなる可能性が高いと思います。その方の耳に入りやすい情報だけが入るからです。

私が、『その食事療法はあっていないんじゃないかな?』とアドバイスさせていただくのは、この症例のように東洋医学に基づいた体表観察をし、時系列に沿って問診させていただくなかでおこなっております。

食事は人間にとって大切な栄養源ですし、精神的な支えでもあります。またご本人の『嗜好』に大きく左右されます。頭で考えた情報とご自分の嗜好で、極端な方向に決めつけるのは危険が大きいと思います。

とくに、肝気が立っている意識の高いタイプの人は、ご自身にも厳しい傾向があるので、ご自分の不調を無視して頑張りがちです。ほどほどに、そして体表観察をしてくれる他者のアドバイスを聞いてみるのもよいと思います。

この症例の方は初診から1年後、無事に二人目の赤ちゃんを抱くことが出来ました(^^)
おめでとうございます。
二人目不妊 貧血 マクロビ

ご本人様からのメッセージです。

『思えばちょうど1年前、わらにもすがる思いで(笑)ビッグママを訪れました
まさか一年後に我が子をまた胸に抱けることになるとは、思いませんでした

身体の治療だけでなく、精神面や生活面でのアドバイスも参考になりました
本当にお世話になり、ありがとうございました』

無事の出産おめでとうございます。
頑張り屋さんならではのエピソードが沢山で、私も背筋が伸びる思いでした。
確かに危険な方向にも暴走してしまいますが(^^ゞ、
人として生きていく姿勢がとても美しいと思います。
子育て、楽しんでくださいね(^^)

症例:本気出して行きましょう!(0145)

32歳の時が初めての当院受診でした。

仕事が忙しくて、とても養生の自宅施灸もできないし、鍼灸に通院することも出来ませんということでの治療中断。残念ですが、この方にとってこのときは人生の中で『時期ではなかった』と言うことだと思います。

彼女がラッキーなのは、人生の中での『時期ではなかった』と言うときが32歳と若く、本気だそうと思ったのが36歳という不妊治療で大きく成績の下がる37.5歳よりも手前だったことです。神様が背中を押して下さったのでしょう。

妊娠には、ちょっとしたことが障害になっている場合もあります。少し糸の絡みを解けばするすると行くケースも多く経験していますが、身体の底力が弱っている場合には、なかなか前に進まないのが現実だと思います。

36歳で2回目においでになったときには、仕事もやめた、体外受精だって2回もやったという状況で、ご本人から覚悟が感じられました。あ、本気モード全開だなと。

この本気モードの方のポイントは、身体そのものの弱さが明瞭で風邪の内陥という冷えの入り込みがあるため、今の状態で体外受精を繰り返してはいけないということ。そしてもう一つもともと線の細い彼女には、身体に負担を掛けるタイプの体外受精は不向きだと言うこと。妊娠を現実の物にするために、この二つがとても重要だと提案させていただきました。クリニックの転院は想定外だったようで乗り気ではなかったようです。慣れたところがよいということも理解できますし、転院すると経済的にも負担が大きいとは思います。

しかしながら、結果的にはよかったようで、転院をお勧めした私としてはホット胸をなで下ろしました。

治療経過としては、28歳からの妊娠希望。当院受診前にタイミング、人工授精などを複数回行っていらっしゃいます。32歳で当院受診。このときの私のアドバイスは、

1)体調の悪さから、身体の状態を整えて妊娠を考えよう。
2) 1年以内に体外受精へのステップアップを考慮しよう

上記2点でしたが、結局 仕事が忙しく2ヶ月(7診で脱落)で鍼灸治療中断という経過です。

その後、 新規のAクリニックにて たいみんぐ人工授精を行うい、仕事をやめ体外受精を2回おこうも妊娠せず、36歳にて再度当院受診という経過です。

当院受診半年後の胚移植にて妊娠、無事に3000㌘オーバーの赤ちゃんを出産されました。おめでとうございます、よかったね。

「本気出していきましょう! 36歳 中背 痩せ ’13/06/30 6 」

 

症例:20代から有名クリニックで体外するも結果が出ず,妊娠出産。(0171)

最近は、ネットなど情報とアクセスしやすく、口コミなどもたくさんでていますね。
評判のいいクリニック、効きそうな治療の情報がすごくあふれているなあって思います。

不妊治療は高額になりがちです。
だから、なるべく『よりよい、より効果的な治療を選びたい』ということは当然のことだと思います。

しかしながら、情報はあくまでも情報。一番欠けているのは『ご本人になにが必要なのか』という
観点ではないかなあと思うことがあります。
まあ、ここがなかなか難しい問題、課題ですねえ。

この症例の方は、若い年齢のときに費用は高額でも有名クリニックを選ばれ、
素早く治療を進めようという前向きな姿勢でした。
お仕事をしながら、頑張っている彼女らしい前向きな選択だなと感じました。
これでスムーズに上手く行くタイプであれば、お金も時間も無駄にせず、悩まずにすみますね。
しかしながら、なかなかスムーズに進まずということでのご相談でした。

お身体を拝見すると、下腿内側が棒の様で、腎虚が明白。
今の仕事ぶりや、生活状況は腎虚肝鬱に拍車がかかるので、この日々の生活状況では、
なんど体外に挑戦しても無駄になると何度も重ねてお話しさせていただきご理解をお願いしました。
ご自身のイメージと、実際の身体の状況がなかなかリンクしないわけです。
『以前に比べればずっと仕事はセーブしています』とおっしゃるのですが、
ご本人的にセーブされている状態でも、他の人がみればかなりハードなお仕事の状況であり
日々の状況でした。日々の生活そのものが負担になっているわけですから、
もう少し自分をいたわる時間を作ることこそ、この方にとっては一番の薬になると思いました。

妊娠した周期は、忙しい日々でありながら、仕事をセーブされきちんと鍼灸治療に来院されました。
そして初めて妊娠ー継続。妊娠後も頻回の鍼灸をおこない、仕事もかなり減らされました。

無事に出産。本当によかったなあと思います。

仕事が、腎気(生命の土台の力)への負担となり、妊娠がなりたたないケースはときに見受けられます。

とくに、身体を使って、気を使ってというお仕事の場合、どうしても心身共に消耗し、生命力の余力で成り立つ妊娠まで到達できないという状況になっているのです。

体外受精の治療は非常に高額です。その高額な治療費のために働く。働き過ぎるので治療が上手く行かない。なあなか難しい問題ですが、よい方向へつながりますようにと祈っております。

20代から有名クリニックで体外するも結果が出ず,妊娠出産。