0010:両卵管閉塞の診断からの自然妊娠①(総論)

両卵管閉塞の診断を受けていた方ですが、無事の自然妊娠に至った症例です。ざっくりまとめてみますね。

詳しい症例はこちらです。

相談:結婚して5年たっても妊娠しないので、病院を受診しましたら、両卵管閉塞という診断でした。これから体外受精の予定です。今後の妊娠、出産に向けてカラダ作りをしたいと思っています。

状況:26歳で結婚するもずっと妊娠しない状況。半年ほど前に婦人科受診。
地元の御殿場での病院で卵管閉塞を指摘され、大学病院でセカンドオピニオンで受診。
両卵管閉塞と診断され、体外受精をする予定。

半年前に卵管造影検査を受けてから、右下腹部が冷たい感じが時々起こるようになってしまった。
病院では心配ないとは言われている。

BMI18.03 痩せ。夏は苦手で立ちくらみが多い。ふくらはぎがいつもだるい。寝つきが悪く寝起きも悪い。生理前の一週間ぐらいから下腹が痛く生理時は薬がないと辛い。

方針:全身の生命力不足が明瞭。またストレス状態が強く気血の巡りも悪いので、生命力を補いつつ、下腹を中心に疏通させ巡りをよくしていく。

ご本人へのアドバイス:

体外受精という明確な方針も決まり、妊娠に向けての身体作りをしたいとのご希望ですね。

体重も痩せ気味で、もともと全体に体力がなく、気虚という全身の生命力が不足している状態です。全身の力不足は気血のめぐりを悪くして、阻滞し痛みなどの原因となったり、妊娠を妨げる要因ともなります。

治療では臍下丹田を中心とした生命力をあげることを第一として、そのうえで、気血のめぐりをよくするように治療していきます。

ご自身の生活の中では、とくに胃腸の状態を健やかにし、食物からのパワーをしっかりと受け止められるように、間食などはやめていただき、規則正しい食生活を心がけてください。体重を増やすことも重要で、BMIが19を越えると自然妊娠する方も多いですよ。

また、足三里など毎日の自宅でのお灸もおすすめします。頑張ってみてください。

経過:初診から5ヶ月後、体調がよくなったところで思いがけずの自然妊娠!

自然妊娠後10週まではホルモン値も悪く、いつ流産してもおかしくないという状況。鍼灸治療の頻度をあげ乗り越える。無事に自然分娩にて元気なベビちゃんを出産。

結果:両卵管閉塞の診断を受けながらも、自然妊娠ー出産

あとがき:

体外受精の準備をということでしたが、カラダ作りを着実に進める中で、ラッキーなことに自然妊娠と成り、無事にご出産なさいました。

両卵管閉塞という診断の方は、ときにこのように自然妊娠される方がいらっしゃいます。卵管造影などのときに緊張したり、また普段もこのような緊張から妊娠が成立し難くなっているのではないかとも思われます。

気持ちに余裕ができ、体力がつき、腰骨盤内の血流がよくなり、無事の妊娠成立となったのではないかと思われます。

治療院では、お灸の印を毎回治療の度に身体をみながらつけていきます。この方はそのポイントを、丁寧に、丁寧に、棒灸で身体の中心を暖めるような気持ちで養い育てていかれました。こういったことが本当に『効く』のだなあと私も実感しました。

妊娠中も、少し不安定で硬くなることが多いお腹でしたが、この棒灸の威力で無事に乗り越えられました。

よかったですねえ。