その4 40歳不妊治療の中断から再開へ

不妊治療、やめました。―ふたり暮らしを決めた日 

堀田 あきお

この本をもとに、もう少しお話をすすめていきましょう。

今回は不妊治療の中断から再開へです。

☆40歳近くになる

 不妊治療再開 某大学病院へ転院

  卵管造影、通気、1年以上通院
不妊治療を終了

『不妊治療、やめました』の最後の章です。
ご自身がお考えになった、最高の医療を、納得いくまで受ける。

とても大切なことだと思います。

不妊治療をやめたと、しっかりと受け止めてやめられたのだなと思いました。

こうやって、10年にも及ぶ不妊治療を経験なさった方に、こんな後追いのことをいうのは失礼だなと思いながらも、現在『不妊治療進行中』の方々が読者である点を考えて、あえて、このカップルにとっての過去についての選択を考えて整理してみます。
そして次の章では、40歳の現時点で出来る不妊カウンセリングについて考えます。

1)妊娠の希望が29歳という若い年齢である好条件

この段階で、もう少し幅広く妊娠ということに肩の力を抜いて考えられたら選択肢が広がっていたと思います。年齢は本当に有難い要因。病院などに通わず、からだによいことをして結果的に妊娠というプロセスが高い可能性で考えられる年代です。

一般不妊検査を受け、体温雹をつけ、鍼灸など取り入れていただくと結果につながりやすいです。赤ちゃんが欲しい、ストレスを打ち払って自然妊娠

2)32歳の自然妊娠の成立エピソード

   →身体の緊張が問題であった
→卵巣などの血流で、妊娠自体が成立しにくいときが多かったのではない
(つまり、排卵しても空砲だったりしていたのではないかと)
→妊娠する力があるという事実

3)流産についての考察

     自然の流れ(淘汰)であった可能性

     血流が悪く、胎盤がしっかりと出来上がらない状態のままの流産であったので          はないかという可能性
→この症例ではこちらの可能性が高いと考えます。緊張が強いタイプでもあるので。

 

4)不妊治療そのものに対する考察

・『自然妊娠』するのであるから、排卵を誘発する、より緊張や負担が強くなる過剰な医療介入は不要であったのではないかという考察

・高度生殖医療に対する選択は、多めの採卵が期待できる30代前半で一度挑戦してみてもよかったのではないかと思われます。もう少し勇気を持って前に踏み出してもよかったのかもと。

ただし、高度生殖医療は、選択しないということも、ご本人の意思としてとても大切です。

私は『妊娠』だけを考えたら、今回の症例pxl02541@nifty.ne.jp高度生殖医療も充分選択しに入るカップルであると思いました。子宮内膜症によるキャッチup障害が第一関門であった可能性です。しかしながら、1度妊娠していますから、体外を選ばないも充分OKなカップルです。

体外を選ぶメリットとしては、年齢的に若く卵巣機能がよい30代半ばに、多めの誘発、しっかりとした採卵をし、凍結胚を作っておくということが、可能性を広げる選択肢。自然妊娠を狙いながらも、上手く行かなかったときのために時間を買うという発想はアリだと思います。

 

不妊治療は、ご本人の選択がとても重要な医療です、
『妊娠』だけがゴールではなく、産まれたことどもを受け止め、人生をともにする医療でもあります。お二人が納得して選択することはとても大切だと思いました。