ガンと妊娠を考える AYA世代の悩み

ガンと妊娠を考える AYA世代の悩み

☆AYA世代の悩み

AYA世代っていう言葉を先日、不妊カウンセリング学会のオンライン配信にて勉強させていただきました。

AYA世代というのは、Adolescent and Young Adult(思春期・若年成人)の頭文字をとったもの。思春期(15歳~)から30歳代までの世代を指している言葉です。

☆ガン保険の不要必要??

最近のネットで飛ばしてる(^^ゞ投資系チャンネルでは、よく『医療保険やめろ』とか、『ガン保険なんで無駄の無駄』という主張をなさっている方がいらっしゃります。

ただ、あるガンの専門医の方が、若い女性に関してはガン保険は入っといた方がいいと仰っていました。男性の場合は60代からが好発年齢だが、女性の場合はこのAYA世代での発症が多いので、保険で備える価値があるとのこと。

 私はこれに賛成です。若い方、特に妊娠を考えるAYA世代の方は婦人科系のガンの発症があり、重くのしかかる問題です。

☆ガンと妊孕性を温存する治療と。

今回の不妊カウンセリング学会でもこのテーマで妊娠との課題が取り上げられていました。妊孕性を残しつつガンの治療の選択をする難しさはあるかと思いますが、人生の中で『子供、家族』を考えることのできる可能性が残せるのならば、つなげる選択肢をとれるといいなあと思います。

聖路加国際病院
がん患者さんのためのリプロダクション外来のお知らせ(通称リプロ外来)l

 

”凍結”という技術は、不妊治療でよく使われます。
凍結ということは、卵子を凍結保存しておく方法です。
不妊治療では受精卵の凍結が多く行われますが、最近では卵子凍結も選択肢になっています(ただし卵子凍結は条件があります)。

 がん治療に備えこの凍結という技術を使うことで、妊孕性を残す可能性にも貢献してくれる場合もあります。ガンの診断、そして治療開始と色々な事を決めなければならないときで大変ですが、妊娠に関する課題についても選択肢もあることをしっていらっしゃるといいなあと思います。

また不妊カウンセリング学会では、AYA世代の妊孕性温存などについて、卵子凍結や卵巣凍結の費用負担の大きさが話題に出ていました。

体外受精や顕微授精などの高度生殖医療受精は保険適応となりましたが、混合診療についてはあたりまえに厳しく、たとえば着床前診断と組み合わせることができません。こんなときに、ガン保険があれば、一歩前に進める選択が可能になるのかななんて思いました。

☆AYA世代、妊娠を考える世代への応援。

当院でも、ガンが落ちついていて、あるいはガン治療の経験者の方の不妊治療をさせていただいています。

西洋医学と並用の場合は、主治医のOKと、不妊クリニックのOKのもとにすすんでいきます。当院では、その状況を踏まえながら、体調をupさせ、不妊治療を前に進めるお手伝いといったところです。

案外多くの方がいらっしゃります。

そして、赤ちゃんを抱いて不妊治療を卒業なさる方も多くいらっしゃります、うれしいなあと思います。

ご相談の中では、子宮頚癌がいろんな時期を含め一番多い疾患だなと思います。

色々な状況があり、一概にはいえませんが、円錐切除をされたあとの出産も応援させていただいたことがあります。体調を整えながら前に進めたらいいですね(^^)。