二人目不妊、年齢高めの妊活。ポイントを絞ってゴー 0334

二人目不妊、年齢高めの妊活。ポイントを絞ってゴー 0334

二人目不妊でお悩みの方、案外多いと思います。

お子さんを欲しいと思う方にとって、『二人ぐらいは・・・』と考える方は

多いと思いますし、はじめは、『一人居れば充分』と思っていても、子育てしてみると大変さのなかから、『人間の関係性』を感じ始め、やっぱり二人目をと思う方も多いと思います。

二人目不妊には、コツがあります→まとめはこちら(二人目不妊妊活の3つのコツ)

さて、症例(仕事、子育てで体力低下。忙しいなか、スムーズな妊娠出産(40歳出産)からお話ししていきますね。

 

☆ご相談:もうすぐ40才です、二人目がなかなか妊娠出来ません。どうしたらいいでしょうか?

39歳女性 155㎝ 48㌔

36才の時に第一子を妊娠出産しました。

産後、体調が悪く体重が6キロ減少してしまいました。甲状腺の課題と指摘されなんとか回復出来ました。

第一子は妊活してすぐ授かることができました。今回は半年ほどたちますがなかなか妊娠出来ません。

また、フルタイム勤務で身体が疲れていることや頭痛などが気になります。

もうすぐ40才と年齢的にも妊娠しにくくなっているのかなと思うのですが、仕事や、上の子供の子育てをしながらの病院通院はなかなか大変なのですが、なんとか、がんばれたらいいなあって思っています。

体調をよくしながら、妊娠そして出産したいと思っています。

何か出来ることがありますでしょうか?

☆ご相談にお答えして。 体調を整え前に進みましょう

子育てをしながらも妊活、体力的にも、精神的にもなかなかハードですね。

少しお身体の状態を考えていきましょう。

・もともとの強い肩こりや頭痛が産後からより悪化していること。

・梅雨時に体調悪化すること、秋冬に頭痛や肩こりなどが悪化していること。

・頭痛、肩こりは20代前半から非常にきつく、眼も疲れやすいこと。

・食事は、空腹感があり、お腹が張ったりすることはないこと。

・二便に問題はなく、睡眠も良好。しかしながら疲労感があることはよくあること。

・生理は、20代よりも経血量は減少、高温期に腰や下腹、胸の張りなどがつよいこと。

肩こりや頭痛など、身体の上部に気の鬱滞が元々生じやすいこと。

梅雨時に弱いと言うことは、身体の中に湿気(内湿)の可能性がうかがわれます。

これが、だんだん悪化していることが気になりますね。

次に、東洋医学的な体表観察の観点を整理します。

脉状:尺位から寸口の輪郭が甘い

舌:舌やや色褪、

腹診:脾募薄くあり、中脘(CV12)動機、臍が抜け、気海(CV6)抜け、左大巨(ST27)奥が冷え

手の皮膚が薄い

経穴診:内関(PC6)やや陥凹、外列缺(LU7)陰りあり、右合谷(LI4)発汗、右神門(HT7)はれ。

大椎発汗。右胃兪(BL21)、両三焦兪(BL22)陥凹、抜け。次髎(BL32)つまり。頭部やや熱感あり。下肢に静脈瘤少しあり、左右大都(SP2)冷え、左公孫(SP4)陥凹冷え、右湧泉(KI1)冷え、三陰交(SP6)冷え、復溜(KI7)つまり右>左、陰陵泉(SP9)やや緩み。

足の冷え:三陰交(SP6)から下、腎経Lineつまり。

皮膚の下の内湿を思わせるような重さがある。

☆☆お身体全体を拝見しての東洋医学的なアドバイス

お身体を拝見すると、確かに体幹に比べて強い冷えが下肢中心に感じられます。

足首から下の三陰交(SP6)、腎経Line、公孫(SP4)大都(SP2)などの冷え感と、上背部、頭部の熱感などをみると、全体の気血の巡りの悪さを感じさせます。

皮膚の薄さと脾募ののりかた、皮膚の内湿を思わせる動きの悪さなど、この冷えに体内にある湿気がかさなり、気血の巡りにより重さを加え、巡りにくくなっているために、肩こりや頭痛などが重くなっていると思われます。

臍、大巨(ST27)、三焦兪(BL22)、腎兪(BL23)などという身体の土台となるべき部位の経穴も抜けているのは子育ての疲労や、産後の体調悪化の可能性もあります。土台の力を回復させつつ、気血の巡りをよくし、妊娠、出産をのりきっていける身体にしていきましょう。

弁証:脾虚内湿 腎虚肝鬱 内湿
論治:益気補脾補腎、疏肝理気。

治療方針:補脾を中心とし、気血の巡りをよくしていく。内湿に関しては、補脾と全体の理気により、自然の流れで排出していくようにしていく。

イラスト 体調 内湿 腎虚肝鬱

☆☆妊活へのアドバイス:わがまま、自分勝手、自分優先は妊活の大事な心構えです!

頭痛や肩こりの症状となっている、気血の巡りが悪さは妊娠におおきな影響を与えます。それにくわえ、内湿という東洋医学でいうところの湿気が身体にあり、これがより巡りを悪化させ、肩や頭などよく使うところに負担をかけています。

妊娠に向かっては、この2つの課題が問題となりますが、巡りをよくすると言うことよりも、脾気という胃腸の力をアップさせることを中心に考えていくことが、結果として全体の調子をよくし、気血の巡りにも貢献していくと思われます。巡りを考えるのではなく、健やかな胃腸の力をつける。その結果として巡りがよくなっていくということです。

この状態によって、気血が自然と巡り、妊活の子宮卵巣血流をあげていくことに直結します。しっかりと意識的に体調アップしていきましょう。

また、非常に物静かで、冷静な方ですが、ご自身の内に秘めた我慢強さは、気血の巡りを悪くする要因でもあります。時にストレス解消で身体を動かしたり、気持ちをゆったりとさせることも大事です。我慢強い方はしらずしらずに身体に力が入り、巡りが悪くなっていることがあります。肩の力を抜いての生活も大事ですよ。

わがまま、自分勝手、自分優先は妊活の大事な心構えです!

☆☆食事について

食事はもともと気を使ってバランスのよい食事となっていますが、主菜でのタンパク質摂取に加えて、ビタミンACEを意識して血流のよいお身体であるように意識していただければと思います。

 

☆☆西洋医学的な不妊治療について

甲状腺の課題は、妊娠、出産にはとてもポイントとなりますので、しっかりと病院でのフォローを受けながら妊活なさってくださいね。

不妊治療に関しては、年齢要因もありますので、病院の指示同理にステップアップなさっていくのがよいかと思います。

☆治療経過

ビッグママ治療室 初診

1)大巨(ST27)、関元(CV4) 臍の温灸

 右神門(HT7)、右外関(TE5)、右陽池(TE4)、右足三里(ST36)、三陰交(SP6) 鍼してお灸

2)肺兪(BL13)温灸

3)右胃兪(BL21)、 三焦兪(BL22)、左腎兪(BL23) 次髎(BL32) 鍼して温灸

セルフケア:大巨(ST27)、関元(CV4) 三陰交(SP6)、右の足三里(ST36)外関(TE5)陽池(TE4)

初診治療後、一度も目覚めずに起きることができた。

その後、週に1度ぐらいのペースで鍼灸治療。

3ヶ月後採卵し凍結。

足の血流がよくなく、とくに三陰交(SP6)から下の冷えがきついので、しっかりと血流を出るようにセルフケア指導。

6ヶ月後移植ー妊娠ー無事に出産

☆まとめ

仕事、子育てと色々な課題があると、なかなかご自身の体調管理までは手が回らないというのも現実だと思います。そのなか年齢要因を意識しながら、ご自身のために時間をつくり、上手に第二子の妊娠、出産とつながっていけたことは、ご本人の地道な努力のたまものだと思います。

もともとの気血の巡りの悪さは、ご自身の人生の課題でもあるかと思います。

疲労を溜め込みすぎないこと、意識しない我慢を重ねないこと、食事でのビタミンACEなど意識しながら楽しく日々を送ってくださいね。

アンケートにお答えして

アンケートのご記入ありがとうございます。アンケートはこちら12−3

子育てをしながらの、日々の生活、お仕事、体力的にとても大変だったと思いますが、

よく考え、決断し、スムーズに妊活も進められ、無事の妊娠、出産おめでとうございます。

仰るとおり、ご自身の身体を労り、ご自身の生命力を高めることが、人生の質を上げることだと思いまとす。子育てを楽しみながら、充実した人生でありますように願っております。