繋留流産、自力リセットを願う方へ

流産は、本当に辛いですね。

妊娠したのかなと思い、喜んだのはつかのま、

病院でしっかりと胎嚢が確認できたのに、そのまま心拍が見えず。

妊娠の初期は、”自然の淘汰”の時期であるのは事実です。

卵ちゃん側の理由で、残念ながらということがあるのもいたしかたないところですね。

流産は、通常の場合ならば、出血があり、自然の流れでリセットになることが多いです。
ただ、残念ながら、流産は確定しているのに、出血がおこらず、手術などの医療介入が
必要な場合もあります。

今回は繋留流産について考えてみましょう。

☆繋留流産と言われたときに

 

流産と言われたときに、ドクターから色々な説明があると思います。
こんな資料もありますので、お読みいただければと思います。
どうしても、気持ちの落ち込みなどで、ドクターの言葉が入ってこないこと
多くありますよね。

繋留流産、流産について

そして、この記事をお読みの方は、次の妊娠を考えている方が多いと思います。

そのときに大事なのは、子宮内膜に対する手術の影響です。
これは、非常に気になさるドクターと、問題視しないドクターがいらっしゃるようです。

そのように、さまざまな意見があるということを踏まえて、

流産と子宮内膜

子宮内膜の厚さと D&C の既往率をみると明らかに反比例していること,6mm 未満の 症例は全例 D&C をしていたこと,D&C をしたことがある症例は有意に内膜が薄いこと, D&C をするたびに薄くなるこ

2)薄い子宮内膜の原因と対策日産婦誌60巻9号研修コーナー より

 

薄い子宮内膜は、着床、妊娠の継続に大きな影響を与えます。
これらを配慮して、手術の術式も考えられる場合もあるようですね。

 

☆鍼灸治療での繋留流産への取り組み

繋留流産への西洋医学的なお話は上記の様に、自然なリセットをまつから、手術のリセットまでさまざまな方法があることは理解していただけたかなと思います。

そのうえで、自然なリセットを待つときに、鍼灸治療でリセットを促すお手伝いが出来ると私は思っておりますので、そのお話をしていきますね。

☆☆繋留流産リセットは、便通と同じ考え方

繋留流産は、本来であれば自然にリセットされる子宮内が、血流などの滞りでリセットされないためにおこります。
これを便通と同様に考えるのは、身体の中の蓄ったものを、外に出すというベクトルが働くからです。

便秘でなかなか便がでないときには、お腹に力を充たさせるという下向きのベクトルと、排出させるという外向きのベクトルを使っていきます。同じ考えをしていくわけです。

 

☆☆繋留流産リセットへ鍼灸治療の実際

1)肺兪(BL13)をつかって、全体の肺気をアップさせます。
2)身体の軸をしっかりさせるべく、百会を使いながら、腎ー大腸の子午表裏体感経穴で
身体の力を補います(ベクトルがでやすくするため)
3)お腹のパワーがでるように、気海関元にしっかりと補いのお灸
4)合谷で肺気並びに理気を出汁、三陰交の瀉で下へ引きます。

鍼灸を学んだ人ならば、合谷の補、三陰交の瀉という言葉を聞いたことはあるかと思います。
ただ、その合谷の補、三陰交の瀉をしっかりと効かせるために、お膳立てが必要ということです。

☆気血の傾きをおおきく減じている、流産後の身体へのケア

 

流産も、出産も、そして実は便通も同じです。
外向きのベクトルをしっかりと使い、身体のなかの滞りを外に出します。
このときに、

身体自体の生命力も損傷してしまうことがあり、そこから、体調が悪いとか、なかなか妊娠が継続出来ないという状態になることがあります。流産後の身体のケア、本当に大切です。

 

☆☆流産後の身体のケア 鍼灸

写真の黄色い線、脾のラインと、青の腎のラインがポイントです。
温灸などでしっかりとケアしましょう。
また、棒灸で、気海や臍をしっかりとケアすることもポイントです。

また全身の体力アップには背中の経穴がかかせません。

 

☆☆流産から次の妊娠へ向けて身体の力をupさせる!

流産後に次の妊娠を考えるときには、足の胃経と脾経のケアがポイントです。

端的にいうと、足三里(ST36)と三陰交ラインです。
養生の基本の足三里(ST36)と、女性にとっての血の道養生の三陰交ライン。
是非、使って診て下さいね(^^)。