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八邪穴:足底の痛みを継続的によくしていこう!

八邪のツボ

手足の末端に八邪穴というツボがあります。

この末端の経穴ってのは、案外効果的でよく効きます。

このお話は少し前にもさせていただきました(^^)
足底の痛み

 

三叉のツボ

 

手のツボは三叉なんていう分類で使っている方もいらっしゃいますねえ。

まあ、YouTubeなどで出てくる、三叉の使い方は、

とてもとてもマネできないって感じです。

手の甲にガッツリ鍼をするんです。

遠隔で、首に効くとか、腰に効くとかさまざまな効用があげられ、

治療効果が高いということなんでしょうけど、

自分自身がこの使い方で治療を受けたいとは思えないので、

ちょっと却下(^^ゞ

 

足の八邪穴の効用

手の八邪が鍼ですんごーーーく効いた。こんなに変化がって言う驚きを書きましたが、足の八邪??のお灸。これまた面白い進展が。

足の八邪 お灸 八邪穴 リウマチ

八邪に関しては、あれこれありますが、ここでは省略(^^ゞ。

リウマチのこの方には、手の三叉を用い、指や手首の関節の動きの改善となっていました。この場合は鍼を使っています。

足の解剖生理 吉野整形外科WEBより(https://www.yoshino-seikei.jp/leg.physiology.html

足の解剖生理 高津整体院WEBより(https://www.takatsu-chiro.com/yougoshu/name-foot.htm

一番の痛みは、指の丘 MP関節

MP関節の足底部、つまり、母指球から小指球にかけたあたりに痛みが生じていることがあります。

ここは、衝撃が強くて、たこなどになっている方もいらっしゃりますね。

足底のアーチの問題となるわけですが、ここではあえて、関節、骨、そして関節を構成する腱の方面からみていきます。

以前は、痛みのある足底に直接お灸をしていました。

このお灸は、魚の目などのたこに対するお灸や、裏内庭のお灸として、下痢などに効くと有名です。

ですので、間接の痛みに対してもやってみたところ、それなりに効果がでていました。

前回から紹介していますが、痛みのある足底側ではなく、甲側を思い切って使いました。

つまり、この図の×(遠位)と○(近位)のところです。

 

足の八邪 お灸 八邪穴 リウマチ

 

×の位置と○の位置、どちらも奏功しましたが、特にMP関節に近い遠位の方が持続が長く、次回治療日(4,5日後から1週間)まで、それなりに効果が続き、そこでまた治療を加えることで痛みがさらに改善、より効果が長く持続という感じになっています。

 

ツボの取り方、より効果的な持続のために

ここで、ひとつ取穴に工夫を加え、遠位と近位を組み合わせたところ、よりよい感じで効いています。腱の短縮がきつく、痛みが辛いところに直接ダブルでアプローチです。

ちょっと分かりづらいのですが、○のところの基底部に近いところの4穴に、遠位のMP関節に近いところの2穴を組み合わせています。つまり一番関節の課題が大きく痛みの中心となっている部分をしっかりお灸をいれたわけです。

これにより、やはり良い状態が長く続くという感じになっています。
なるべく取穴数を少なくする工夫をし、治療の負担を軽減しながら、しっかりと効果が出るように
していきたいです。

お灸は、昔からある、手入れ、ケアにきくよい手段です。

色々工夫しながら、開発していきたいと思います。

手指の動き改善、そして肌つやの改善。美容針にもなっちゃうのかな?

鍼灸による 肌つやの改善

リウマチや膠原病の方、案外多く鍼灸にいらしています。

リウマチはいま、薬の改善がめざましく、本当に素晴らしい発達をしています。

まずちゃんと専門内科にかかって、薬をしっかりと。これがリウマチや膠原病の第一原則ではあります。

それでも、やはりさまざまな不調や、全体的な不調があるので、来院されている方は多いですね。リウマチ、膠原病、喘息などの体調管理にお灸、鍼はやっぱりいいようです(^^)

リウマチの患者さんとの鍼灸治療ビフォアアフター

このところ、とあるリウマチの患者さんと一緒に、鍼灸治療ビフォアアフターを研究しています(^^ゞ。

手の指の動きが、仕事でかなり使うこともあって、滑らかさがなく、重い。3時間ぐらいで休憩しながら、ご自身でお灸しながら対応なさっていると。

とくに、使いすぎによって1度腱断裂をおこしている薬指の動きが悪く、辛いと。

そこで、その腱にそって、すうっと鍼をしました。

リウマチ 八邪 お灸 三叉 鍼 手の痛み

これは八邪穴という経穴から、三叉という考え方の手の甲への鍼の応用です。

三叉の場合は、もう少し深めにガッツリと行くのですが、浅めにすうっと打つのがコツです。

この鍼が本当に効きました。

1本うって、治療後に抜くと、滑らかさが全然違うと。

リウマチ 八邪 お灸 三叉 鍼 手の痛み

そして右手全部の3本打ち、やっぱりすごくいいと両手に。

これだけ効果がある鍼ですが、手の甲にすうっと数㎝。

ううーーん、ビジュアル的には怖いね。私もそう思います。

治療頻度をあげて、見えてきた世界

それが、このところ、治療頻度を週に2回にあげたところ、全体の調子もあがり、

同時に、この手の状態も非常によくなってきました。

身体全体の調子がよいっていうことは、まあ鍼灸の全体治療をやっているとよくいわれますので、これは納得できるところです。

でも、ビジュアル的なビフォアアフターが非常によいのです。

もう、使用前使用後って感じ(^^ゞ

この写真は、患者さんご自身が、治療院での治療前と2時間半後のご自宅での写真です。

撮影場所が違うので、光の加減は違いますが、はっきりと状態がかわっているのが見て取れます。
うーーん、すごい。じぶんでいうのもなんですが、驚きました。

効果は続く、数日後の手の状態

そして昨日。

手の状態を患者さんと二人で、治療後の状態の肌つや、滑らかさをみて、もうビフォアアフターの写真は撮れないですねえとも。つまり、数日たってもこの状態は保っており、再診の今日(6日後)は初めから肌つやがいいんですと。

患者さんが、

『やっぱりすごく肌つやがよくて、継続してるんです。これが顔だったらすごいですよね。なんだか美容針ってためしてみたくなりました』

と。治療効果について、治療前から二人で盛り上がってしまいました。

私は、実は、美容針ってよく患者さんに聞かれるのですが、どうも否定的なイメージをもっていました。まあ、ウチの治療院のコンセプトは『私が受けたい鍼灸』なんで、どうも顔へ鍼をするそのものに、どでかい抵抗感があるので、まあ実際には無理なんでしょうけど。1回の施術であのつやつやが6日間。ううむ、ちょっと魅力かも。

私が顔の鍼が嫌いなのは、鍼灸学校時代にある女の子に実技で出来た顔のアザを、親御さんがクレームをいれていたこと。げっ、納得してやった学校の授業でさえもクレームがくる顔の鍼っていうイメージが私には強すぎて。

わはは。

まあ、顔への鍼は、得意な鍼灸院にお任せするとして、

手の機能改善にオマケのようにくっついてきた肌つやの改善は、鍼灸の世界の面白さを、改めて私に教えてくれました。

やっぱり奥が深い!

八邪穴へのお灸 手にも、足にもありますよ。

八邪穴ってのは、昔からあります。

ちゃんと経穴辞典にものってまする。

動画はこちら→

で、同じ位置で、三叉穴という捉え方をなさっている場合も

あるようですねえ。また効果についてもあれこれ書いてあります。

手の八邪穴を鍼でというアプローチが世の中にはでてくるのですが、
うーーんそれはちょっと。
ただし、リウマチの人の手には非常にいい感じになる場合が多いようで、
私の方がうーんといいながら、そして患者さんもうーんといいながらも、
効果が絶大ではりでやって、予想外に効いたぜっていう話しは色々な
方からでてきます。

前に書かせていただきました(はず(^^ゞ)

はじめは1本だけでしたが、結局患者さんからの

リクエストがあり、全部の指を使っています。

リウマチの方ですが使う人が増えています。
指の動き、滑らかさ、全然違うそうです。
またこの方は手首がかなり硬かったのですが、動くようになっています。

ううむ。

ということで、足の痛みにも応用してこれまたすごく効果的と。

以前は、痛み側にお灸で対応していました。裏内庭的な使い方っていうか
魚の目に対応のお灸的な使い方です。

 

 

この方の足の痛む場所はこちら。

足の八邪 お灸 八邪穴 リウマチ

 

この方の場合、リウマチがベースで、足は母指球から小指球にかけてのところが痛いと。いままでは、その痛むところに透熱灸をしていましたが、今ひとつ。

で、八邪穴か〜と思い、よくみると、甲側が鍼は打ちにくい。

手と違って、指をぐっと握ってもらうことがしにくいし、逆に沿っている感じ。

 

 

 

うううむと思い、お灸を据えてみました。基剤(紫雲膏)をおいての透熱。

そしてこれがぐいっと効きました。

足の八邪 お灸 八邪穴 リウマチ

痛みがないことにくわえ、巡って暖かい感じもでて、なによりも数日の継続という時間軸がいいですねえ。ちょっと手間暇増えちゃうんですが、続けようと思います。

 

 

 

 

 

 

いま、当院でおこなっているお灸はこのように、基剤(紫雲膏)を置いてその上にお灸をしています。昔のような直接皮膚を焼くタイプではありません。じんわり、ほわっとそして効果的なお灸をしています。

逆子ちゃんの鍼灸治療  0210−2

逆子ちゃんのケアについて

逆子ちゃん、ときどきいらっしゃりますね。
鍼灸で逆子を治そうということが有名で問い合わせも結構あります。

どんなときに逆子ちゃんになるの?

いろいろなケースがあるかと思いますが、ときに、逆子ちゃんは、お母さんがちょっと頑張りすぎているときにおこることがあります。

赤ちゃんはお腹のなかでよく動いて成長します。
そして出産のその日までお母さんのお腹の中にしっかりと留まり日々をすごしていくわけです。
つまり、子宮(女子胞)が赤ちゃんを支え、上向きのベクトルを保ちながら日々をすごすのです。

お母さんがちょっと疲れていたり、下向きのベクトルがでがちな状況の時に、子宮(女子胞)は赤ちゃんを守り、赤ちゃんが安定を保つために強い上向きのベクトルを出します。これがつわりや逆子の状態です。

また、血流が足りなかったりするとお腹が硬くなります。ゆとりがなくなっちゃいますね。

逆子ちゃんの治療では、血流をあげお腹を柔らかくゆったりさせること。そして適度な上向きのベクトルをもつようにと調整します。適度というのは、「上向きベクトル」は赤ちゃんが保つために必要なことですから、このベクトルがなくなってしまうと、赤ちゃんが不安定になります。
つまり、下向くベクトルがでそうなほど不安定だから、がんばって上向きベクトルをだしているというのが、背景にある場合がおおいんです。

上向きベクトルによる症状は辛いです。
でも、その辛い症状は赤ちゃんを守るためにでていたりもするので、
このあたり、症状だけとるという発想は危険です。

☆私が逆子ちゃんのお腹を拝見していて、ケアがOKという条件について

 

1)お腹が硬くないこと。
2)お腹がそれなりの大きさをもっていること。
3)お腹の重心が上向きであること。

上記3点を注意して拝見しています。
この3点をみたしていなければ、逆子や辛さのみに注目した施術はしないです。
しないほうが赤ちゃんにとって安全だからです。

☆逆子ちゃんはそのままだとどうなる??

 

むかーしむかしは、逆子ちゃんでも経膣分娩が行われていた歴史があります。帝王切開などの処置がないときにはあたりまえのことであったりもしたわけです。そしてその結果とても大きなリスクを背負うケースがあったために、逆子ちゃん=帝王切開となったわけです。

ただし、ときどき逆子の経膣分娩を行っている産院をおみかけします。これはクリニックと患者さんが双方納得すればOKということですね、そして上手く行けば開腹せずにすむわけですから大きなメリットがあるとはいえます。

☆逆子ちゃんの矯正は?

逆子ちゃんには外転術という、外側から赤ちゃんを回すという矯正がおこなわれることもありあmす。
外転術 https://www.ncchd.go.jp/hospital/pregnancy/senmon/kotsubani.html#03
以前に、とある病院でこの外転術を行っていらっしゃりました。当院の患者さんもお二人訪問されました。お一人はそのまま外転術を受け逆子が矯正され無事に経膣分娩にて出産。もうお一人は外転術をしているドクターではない方が初診、外転術などとんでもない!と説得され、結局帝王切開になりました。

上記サイトを拝見すると、外転術というのは成績もある程度あげられているし、緊急対応が出来る環境下ならば選んでみる価値はあるのかと思います。

☆逆子ちゃんの鍼灸治療について

 

ご自身で出来ること:

まず、逆子ちゃんは何もしなくてもある程度は治ると言うこともしっておいてください。
このときに出来ることは、

1)ご自身が疲労をとり、ゆったりとした時間を過ごし、お腹の血流をあげ柔らかいお腹をつくる。
2)お母さんが頑張りすぎたり、緊張しすぎたりせずに上向きの過剰ベクトルを納める。

 

 

鍼灸治療について:

1)身体の疲労をとる。全身の血流を改善する
2)子宮(女子胞)の血流を改善し、柔らかいお腹を作る
3)強い上向きのベクトルを調整する。

逆子のお灸として、「至陰のお灸」が有名です。これは強い上向きのベクトルを納め下向きのベクトル出し、血流を改善し、結果的に全体の気の巡りがよくなり動きがつきやすいというイメージで使っていきます。

1)2)の前段階があれば、3)のベクトル調整が上手く行きます。ちゃんと前提条件を踏まえることが大事です。

鍼灸治療の実際:

妊娠30週、逆子にて来院。病院で24週から逆子が治らない

1)肺兪に温灸
2)脾兪、三焦兪、腎兪、気海兪に鍼して温灸で置鍼20分
3)三陰交に鍼+ミニ灸 至陰に棒灸、冷えの残った右至陰にお灸 腹部棒灸

1度の施術にて頭位。無事に経膣分娩に手出産。

こちらの症例については不妊カウンセリング:38才流産後の不妊 40才、42才の出産 

まあ、逆子ちゃんは、むりせず、ゆっくり。

そして鍼灸も取り入れてみる価値はありですよ。

血圧、便通、身体の軽さ

大学病院での鍼灸臨床

もう、25年ぐらい前の大学病院研修時代。
うーん、なつかしい。東海大の東洋医学科に3年在籍してました。

そして血圧が乱高下する入院患者さんを担当。

70代前半男性、主訴は右の麻痺。脳梗塞後の症状でした。右の麻痺脱力と、若い頃からの便秘と血圧の問題。

この方を、8週間16診ほど鍼灸。

☆東洋医学的な見たてでの血圧、便通

弁証は中経絡、気血両虚、腎虚で、益補脾腎、疎通経絡。

リハビリからのオーダーは手の課題。ただ、私としては手の局所の問題よりも、全身の虚損(気血両虚)とくに中心の軸の弱さ(腎虚)をしっかりさせるほうが大事ではないかと思いました。そして、手の鍼をしながらも、大巨(ST27)、点数、脾兪、腎兪(BL23)、気海などを使って、軸足は補脾補腎でいってみました。

入院患者さんだったので、この治療で、手もリハから軽快しているとのコメントをいただき、まずまずだねなんて思いながら、カルテの血圧、便通のデーターにちょっと驚きました。

血圧をグラフにしてみると、乱高下していた血圧が、なだらかになっていき、それと同時に、頑固な便秘も解消していったのです。無口な方でしたが、後半には笑顔が増え、身体を立て直すってこういうことなんだと実感しました。

大学病院であったので、この配穴には、んーーーという冷たい視線も多少感じながらも、
(オーダーのあった手の経穴中心ではなかったので)ついていたドクターが、『自由にやってよし、責任はオレが取る』と仰っていて下さり、古典的な配穴を押して使いました。

このときの、自分で作った血圧グラフは、それからの私の臨床の中で、何を大事にすればいいのかということを教えてくれたような気がします。

 

☆血圧、便通、健康に貢献するということ

 

開業して鍼灸していると、こういった血圧など測定は難しいので、血圧に関してのデーターがとれるような臨床はできずにいます。でも、ご自身のお身体がしっかりとしてくることで、結果的に血圧などの全身状態が好転してくるということは多く経験しています。

東洋医学で出来る貢献をしっかりとつづけていきたいなと思います。